4話 チートを手に入れたっぽい
皆さんお待たせしました!チートですよ!
タイトルにやたら『っぽい』がついてるのはこの小説の定番だと思ってください。
決して、ソロモンの悪夢な駆逐艦ではありません。
どこぞの白露型4番艦を真似したわけではありません。
この世界にはステータスが存在する。
ここでのステータスを簡単に説明しよう。
HP 対象の体力。0になると死亡、もしくは消えてしまう。
MP 魔術を使うために必要な数値。魔術に必要な数値以下になると、その魔術は使えない。
STR 力を意味する。
DEX 主に、命中率を上げる、加減が容易になる。その他には器用になる等。
VIT 防御力を意味する。
INT 魔術の攻撃力、回復量が上がる。
AGI 素早さを意味する。足の速さが上がるだけでなく、思考回路も早くなる。
MND 魔術の燃費が良くなり、魔術に対して耐性が大きくなる。
LUK 運を意味する。
これが、この世界でのステータスの大雑把な意味である。
そのステータスの中でもLUKだけは道具を使わない限り、変動する事は無い。
しかも、この数値は『超解析』を使ってもこの世界の住人には見えない。
かなり大雑把なことしかわからないのだ。
どれだけ大雑把かと言うと。
0~10 LUK不運
11~50 LUK普通
51~ LUK幸運
こんな風に見えている。
だが、実際にはこんな感じだ。
0~5 超不運。半端なく運が悪い。まともな人生を過ごせないレベル。
6~10 不運。運が悪い。5回に4回ジャンケンに負ける程度。
11~25 普通。一般的なレベル。
26~50 微運。運が向いてきたかな?ってレベル。アイスで5本に1本はアタリがでる程度。
51~75 幸運。嫉妬されるレベル。2属性以上持ちが多くなってくる。
76~100 激運。半端なく運が良い。努力では超えられない壁がある。
101~150 超激運。運が良いじゃ済まないレベル。何となく宝くじをして、1等を当てるレベル。
200 神運。もう、神じゃないか?ってレベル。運だけで億万長者も楽勝。
300 \(^o^)/。運だけで世界征服もラックラク。
これが、この世界におけるLUK値の意味。
そして、強斎のLUK値は500。
これがランダム転移されたらどこに転移されるのか?
*
ここはとある神殿のとある部屋。
そこに一人の男が寝転んでいた。
名前は小鳥遊強斎。勇者に巻き込まれて、異世界転移をした男。
(借りは返したからな)
そして、強斎は勇者をかばい自らが転移するはめになったのだ。
性格はひねくれており、貸し借りで物事を判断することがめっぽう多い。
ここで強斎が借りたものといえば、一時でも強斎の心の支えになってくれたこと。
むくっと起き上がり、辺りを見回す。
生き物はいない。
あるのは机とその上に置いてある、閉じたノートパソコンだけだ。
(何故ノートパソコン?)
無用心にも近づきノートパソコンを開けた。
どこから充電しているのか不明だが、問題無く電源がつく。
そして―――。
『未設定プレイヤーの存在を確認。ID不明。一定以上のLUK値を確認。■■■の権限により、キョウサイ・タカナシのスキル・属性の設定が可能。スキル・属性を設定してください。』
「お、おう」
突っ込みどころ満載だが、強斎は突っ込まずに設定をクリック。
スキル・属性という画面が出てきたので、まずはスキルを選択。
「うおっ!?」
信じられない数のスキルが出てきた。
……脳内に。
(何故脳内なんだ!?)
流石に突っ込んだ強斎だったが、ニヤニヤが止まらなくなっている。
この先の展開についてある程度予測がつき始めたからだ。
次に属性の方を選択すると、スキルには遠く及ばないがかなりの数の単語が出てきた。
……画面に。
「なんでだよ!!」
遂に言葉で突っ込んでしまう。
そこで、とある文字を見つけた。
「?」
そこにあった文字は『*』。
かなり小さいが、確かにそう書いてある。
それを慎重にクリックすると、目を見開き驚愕した。
『あなたにおすすめチートセット!
スキル
超隠蔽 ステータスを任意に偽装出来る。どれだけレベルの高い解析も、ものともしない。超解析の場合のみ名前・スキル・属性以外見破られる。
スキル強奪 対象のステータスにあるスキルを強奪できる。しかし、対象に触れていない場合は不可。
レベルアップ時ステータス倍 必要経験値を10倍にする代わりに、レベルがアップした時現在のLUK以外のステータスを倍に増やす。
必要経験値1/100 レベルアップに必要な経験値が1/100になる。
属性
想像魔術(SPユニーク) 想像した魔術を実際に発動させることができる。ただし、条件が必要。水素がある場所から水を出す、可。水素がある場所からオリハルコンを出す、不可。とのように条件がある。必要MPは不規則で、規模によって決まる。
これがおすすめチートセットだよ!』
「チートきたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
直ぐにOKを選択し、自分のステータスを確認しようとするが開くことができない。
その原因は直ぐにわかった。
『レベルアップ時ステータス倍を選択したので、計算を容易にする為。HP、MPは1の位と10の位を0に指定、100の位をランダムに変化。それ以外のLUK以外は1の位を0にし、10の位をランダムに変化させます。
設定が終わったので、キョウサイ・タカナシは、シッカ王国付近の草原に自動転移します』
「え? ちょっ、ま――」
こうして、この男は本日3度目の転移をすることになった。
*
ここはとある草原のとある場所。
そこに一人の男が寝転がっていた。
男の名前は小鳥遊強斎。
1日に3回も転移を経験した男。
強斎は暗闇の中、無言でステータスを確認した。
#
キョウサイ・タカナシ
LV1
HP 700/700
MP 2900/2900
STR 80
DEX 90
VIT 70
INT 90
AGI 80
MND 590
LUK 500
スキル
言葉理解
超解析
MP回復速度上昇LV1
超隠蔽
スキル強奪
レベルアップ時ステータス倍
必要経験値1/100
属性
想像魔術(SPユニーク)
#
「あはは……マジだ……マジだよな……? 勇者でも無いのに……ははは……」
ステータスを見て、無意識に笑い出す。
そして、ふと笑いが止まったと思ったら既に意識は夢の中だった。
………
……
…
強斎が目覚めたのは、太陽が昇り始めた時。
(そう言えば、昨日晩飯食えなかったな)
空腹による違和感にたたき起こされ、冴えていない思考回路でこれからすることを考える。
(とりあえず食料確保か)
早速、手に入れた魔術――――『想像魔術』を使う。
自ら特殊な音波を出し、その周辺を調べた。
簡易ソナーだ。
(近くに何かいる……)
直ぐに反応があった方面に向かった。
暫く歩いていると、反応があったものはそこにあった。
ちゃんとした生き物だ。
地球にも存在するし、そこまで珍しいものでもない。
強斎も数回実物を見たことある生き物だ。
だが、突っ込むしかなかった。
「なんでだよ!」
強斎は地面に膝をつき、ありったけの声で叫んだ。
その生き物の名前は――――。
――――――ワニだった。
「なんで草原にワニなんているんだよ! どこに水がある!? 辺り一面まっさらな草原じゃねぇか! 森すらねぇよ!!」
数匹固まって群れをつくっているワニに、強斎は全力で突っ込んだ。
ワニは強斎を警戒しているが、強斎は膝をついたまま動かない。
「ふっ……ふふふ……これがファンタジーか…………いいぜ、やってやるよ……! とことんファンタジーに付き合ってやる!!」
勢いよく立ち上がり、風の刃を作り出して全員のワニの首を刈取る。
そこで、集中していないと聴こえない程の小さな音が頭に響いた。
ステータスを開けると、レベルが上がっている。
#
キョウサイ・タカナシ
LV3
HP 700/2800
MP 2885/11600
STR 320
DEX 360
VIT 280
INT 360
AGI 320
MND 2360
LUK 500
スキル
語源理解
超解析
MP回復速度上昇LV1
超隠蔽
スキル強奪
レベルアップ時ステータス倍
必要経験値1/100
属性
想像魔術(SPユニーク)
#
「う、うおぉぉぉぉぉぉ!! すげぇ! すげぇ!!」
ステータスを見てかなり興奮していたが、直ぐに空腹感に負けて冷めていく。
そして、首を刈り取られたワニを凝視した。
(確か、ワニの肉って食べられたよな?)
こうして、空腹から逃れるのであった。
スキル名、属性名、
説明をつけてくれるとありがたいです。
漢字、カタカナ、厨二。全てウェルカム!
いいと思ったら小説に出します。
自分の火狐が呪われてる気がしてきた。
やっとの事でチートをゲット!
え?奴隷?
なんで先読みしちゃうかなぁ?
勇者は暫く放置になるっぽい?