31話 大迷宮っぽい
少し空いてしまいましたね…
大量の誤字脱字を修正しました。指摘してくれた方、本当にありがとうございます。
「なぁ、もうちょっと離れてくれないか?動きにくいんだが……」
「やっ!」
「嫌ってお前……」
只今、強斎とゼロは迷宮の100階層を作成している途中である。
しかし、全く進んでいないのだ。
その原因はゼロにあった。
「いい加減、俺にぶら下がるのをやめて――」
「やっ!」
そう、ゼロは強斎にべったりなのだ。
強斎の首にしがみつき、そこから動こうとしていない。
「ったく……何で離れてくれないんだ?」
「主人のことが好きだから」
(えー……)
殆ど諦め半分で作業しようとするが、何故かゼロが邪魔をする。
「ゼロ。ミーシャ達が来てもやめないつもりか?」
「うーん……。主人にくっつきたいのは山々なんだけど、ミーシャ達の関係も保っておきたいから、ミーシャ達が来たらやめてあげる」
その時、一層強く強斎を抱き締めるゼロ。
「だから、それまでこうしてる!」
ゼロは物凄い笑顔だった。
しかし、その笑顔も一瞬でふてくされた様な顔になった。
「はぁ……もう来ちゃったか……」
スっとゼロが離れた瞬間に、簡単に造った階段から3人が出てきた。
「キョウサイ様!99階までの迷宮作成終わりました!」
ミーシャ達だ。
「おう、ご苦労さん。この100階で終わりにしようと思うがいいか?」
「ご主人様?100階の迷宮って普通に大迷宮クラスですよ?しかも、この迷宮。家として使うのですよね?深くする必要があったのですか?」
余談だが、ミーシャとレイアにはゼロとの行為は気がつかれていない。
しっかりと消臭済みなのだ。
「まぁ、それにはいくつかの理由があってな。まずは、俺たちの存在についてだ」
「まぁ、そうですよね。キョウサイ様は当たり前ですが、私たちの存在ですら国に見つかったら危ういですもんね」
「そうだ。しかも、魔神のゼロまで加わった。武力では何とかなっても、それ以外では安心かどうかわからないからな。ルナ以外は隠蔽を持っているから大丈夫だと思うが……まぁ、一応だ」
「主人は一応で大迷宮を作成するのね」
「褒め言葉として受けておく」
と、そこで強斎は疑問を感じ取った。
(そう言えば、俺は何でゼロのスキルを見ることができたんだ?俺の超解析はⅡでもなんでもないのに……)
そう、ゼロは超隠蔽のスキルを持っているのに、強斎はゼロのスキルを見ることができたのだ。
超隠蔽と超解析が同じレベルだった場合、超解析は超隠蔽に対して名前、スキル、属性のみ見ることが出来ない。
しかし、強斎は同レベルにも関わらず、見えてしまったのだ。
(……まさか、属性か?)
今すぐに調べたかった強斎だが、今は迷宮を作成した意味の説明をしている途中だと我に返る。
「まぁ、他にも色々理由があるんだ。この迷宮の70階から99階を俺とルナの配下置場にしようと思っている。勿論、神話級の魔物や竜王以外だ」
「結構な階層を使うのですね」
「いい質問だレイア。実はな、これだけじゃ足りないぐらいなんだ」
「どういうことですか?ご主人様の配下数は、神話級の魔物と竜王を抜いたら7体ではありませんでしたっけ?」
「実は、ゼロを配下にしたことによって、中級精霊以下が配下になってたんだ」
「「「……」」」
「ああ、通りでさっきから精霊が静かだったわけね」
ゼロは精霊王のため、すごいと思っていないが、奴隷達は流石に驚いた。
この世界の魔術に関しては、精霊が最も優れている。
最下級の精霊ですら、精霊級の魔術を扱う程に。
だが、見える者は殆どいないので、悪用は出来ない。
精霊も好戦的でないので(ゼロを除く)、基本何もしない
そもそも、この世界の人々は精霊から力を貸してもらって、魔術が使えると思っているが、ゼロ曰く半分正解で半分不正解らしい。
確かに、魔術は精霊がいないと使えないが、力を貸しているわけではないそうだ。
少し話が逸れたが、つまり精霊はこの世界の源と言われる程なのだ。
それを、強斎はあっけなく配下にしてしまったわけだ。
「てか、精霊って多すぎだろ。中級精霊以下ってこんなに多いのか?」
そう、強斎は配下数を見て苦笑いしか出てこなかった。
――――――配下数99999+
カンストしていたのだ。
「あれ?主人知らなかったの?精霊なんてありとあらゆるところにいるのよ?中級以下なら人間界の人口の3倍ぐらいはいるんじゃない?」
ゼロの言葉に反応したのはミーシャだった。
「で、キョウサイ様は、ありとあらゆるところにいる精霊をこの家に集めると?」
「そうだな……流石にそれはやばいから、10万ぐらいでいいか」
「10万の精霊がガーディアンをしている大迷宮なんて、どんな鬼畜迷宮なんでしょうか……?」
強斎の発言に声を震わせるルナ。
この迷宮に挑む冒険者に同情しているのだ。
「ルナ、大丈夫だぞ。70階までたどり着く奴なんていないから」
何かかわいそうに見えたので、強斎がフォローする。
「……そうでしょうか?」
「ああ、そうとも。50階あたりから竜を入れるつもりだからな」
ルナは更に顔を青くする羽目になった。
「どうした?」
「い……いえ……」
「?……まぁ、話を続けよう。今日からここが俺たちの拠点となるが、まずは魔界に着かなければならない。だから、帰ってくるまで精霊と魔物にこの迷宮の管理をしてもらう」
こうして、一つの大迷宮が出来上がった。
しかし、この頃の強斎は知らなかった。
――――この迷宮が伝説の最凶最悪大迷宮として名を轟かすことを。
色々な名前を募集しております!
やっとここまで来たお…
もう、最後らへんなんて突っ走ってるような気がしますね
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これでいいはず……
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