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26話 魔神と強斎っぽい

どうも、少し熱を出してしまって投稿遅れました


せっかくのGWがぁぁぁぁぁ!!

「主様! できました!」



 強斎達は山を下山し、少し歩いたところで草原に出た。

 そこで、初級魔物のウルフと出会ったのである。


 強斎は、ルナに指示をしてウルフを弱らせテイムさせたのだ。


 ミーシャとレイアは周辺を探索していた。



「よくやったな」

「はい!」


 ルナの頭を撫でる強斎。

 見た感じは小学生と高校生だが、同い年だ。



 そこで、ミーシャから声がかかった。


「キョウサイ様、この先に迷宮を発見しました」

「迷宮?」


「はい、どうなされます?」

「迷宮……ああ、迷宮ね。どんなところだっけ?」


「そう言えば、記憶喪失でしたね。迷宮とは魔物が生息していて、地下に行くほど魔物の強さは強くなります。どういう原理かはわかりませんが、階段やフロアがあり、モンスターハウスやボスフロアなどがあります。最深階のボスを倒すと、その迷宮を手に入れられる様になっております。手に入れてからはそこで商売するのもいいし、魔物刈りをしてレベルアップするのもいいですね」


 と、そこまで説明されたところで、強斎の好奇心が動いた。


「……迷宮を手に入れる?」


「はい。迷宮を手に入れて人間を誘い込み奴隷にするのも良し。魔物を増やして、テイムした魔物を育てるのも良しですね」


「ふむ……面白そうだな。ちょっとその迷宮を制圧しに行くか」


「所有物の場合はどうするんです?」


「殺してでも奪い取る」


 そこで、レイアが戻ってきた。



「ご主人様。迷宮があったので、制圧してきました」


「仕事早いな!」


「ありがとうございます!」


 尻尾を振りながら笑顔で答えるレイア。


 強斎はもっと突っ込みたかったが、その姿を見ているとその気になれなかった。



………

……



 強斎達が迷宮に向かっている途中、奴隷達はルナのウルフを見て、ルナを褒めていたが、強斎が爆弾発言をしたことにより、静まり返った。



「本気で魔術を使ってみたい」


 そう呟いてしまったのである。


 その言葉にミーシャとレイアが顔を青くし、ルナは召喚魔術しか見たことないので、どんな反応したらいいのか困っていたが、とても大変な事だとは察することができた。


「キョウサイ様! やめて下さい! この世界が滅んでしまいます!」

「いや、冗談だからな? ちょっと空にやってみようと思っただけだからな?」


「ご主人様が本気で魔術を放ったら、時空の壁を割りそうですね! ですから上空に放つのもやめて下さい!」

「えー」


「「えーじゃありません!」」


 初めて奴隷からお叱りを貰った強斎であった。



「しょうがない、新魔術で我慢するか」


 そう言って強斎は手を前に出す。

 そこに濃密なエネルギーが流れていることは目に見えてわかった。


 強斎が初めて魔術で集中しているのだ。

 そして、刹那の集中後、強斎はその言葉を口にした。


「『終焉』」


*


 強斎は全ての属性を無理矢理に合成し、一つの属性魔術を蘇らせた。



 ――――虚無属性。



 ありとあらゆる物を破壊する為、封印された精霊。

 その精霊が今、目を覚ました。

*


 強斎の手のひらには、白に近いが白ではない。そのような球体が存在していた。


「キョウサイ様……それは?」


 圧倒的な存在感を放つ球体に奴隷達は釘付けだ。


「ああ、これは全属性の神級魔術を圧縮して、無理矢理合成させたらこうなった」


 さらっと強斎は言っているが、これは惨事で済まないほど大惨事なのである。


 まず、この世界に1つの属性の神級魔術を使える者は数える程しかいない。

 そのどれもがエルフ等長寿の生物だ。


 しかも神級魔術は使うのに多大な時間とMPが必要なのである。


 しかし、その威力は折り紙付きで、戦争であれば一気に形勢が逆転するほどである。


 その事を理解したのか、また真っ青になるミーシャとレイア。

 ルナまでもが真っ青だ。


 強斎はその姿を見向きもせず、上空の一点を見た状態で上空に手を向けた。


 そして、強斎は上空に『終焉』を放った。


 『終焉』は弾丸の様に一直線に進み、圧倒的なエネルギーのせいで空間が一瞬歪む。


 それでも、周囲に被害が無いのは、強斎がそのエネルギーすら『終焉』に使ったためだ。


 その圧倒的なエネルギーを持った『終焉』だが……。



 パァン!!



 ――――――何かにぶつかって霧散したのである。



「「「え?」」」


 その出来事に強斎以外の3人が驚く。


 しかし、強斎だけは当然だと言う様に微動だにしなかった。


 そして、強斎は口を開いた。


「いい加減出てこいよ。俺には見えてるんだぜ?」


 奴隷達はその言葉の意味がわかっていなかったが、それも数瞬だった。


「――――まさか、本当に見えてるなんてね」


 先ほどの『終焉』が霧散した場所から声が聞こえたのだ。


 そして、その声の正体が姿を現した。



 その正体は女性だった。


 身長はミーシャやレイアと変わらない。

 胸も手で収めるのが難しいほどある。

 そして、スタイルも完璧だった。


 髪の色は銀色と紫色を混ぜた様な色だった。そして、長さは腰まで届くほど長く、その全てが輝いて見えるほど綺麗だった。


 肌の色は白く、かと言って雪のように白いわけではない。


 顔立ちはかなり良い。ミーシャやレイア、澪や鈴を凌駕するほどに。


 先ほどの声も透き通っていて、幼さと落ち着きさ、大人っぽさと凛々しさが感じられた。


 全てのパーツを完璧に揃えてバランス良くし、更に美しくしたような女性であった。


 しかし、一つ問題があった。


 そう、この女性……。




 ――――――生まれたままの姿なのだ。





 強斎は浮いている女性に話を続けた。


「いつから居た?」

「あなたが魔術を使った辺りから」


 そう言って、その女性はゆっくりと降下し、地に足を付けた。


「でも、驚きだわ。私の姿を見ることができるなんて……。あなた、どれだけの魔術耐性力と適応力があるのよ」


 その女性は、少しだけ頬を膨らませる。

 そして、奴隷達を睨んだ。


 ルナは気絶し、ミーシャとレイアは息を詰まらせている。


「そこの二人も只者じゃないわね。私の威圧波動を受けて気絶しないなんて……。まぁ、一番只者じゃないのは……あなたよね?」


 そう言ってその女性はもう一度強斎を見た。


「あなたに向けて威圧波動を使ったはずなのに、ピンピンしてるなんて……。人外にも程があるでしょ」


 その女性は呆れた様子でため息を吐く。

 強斎はその疑問に答えた。


「人外なのはお互い様だな。ルナは仕方がないとして、俺のミーシャとレイアを威圧の余波だけでああにもできるなんてな」


 ふっと鼻を鳴らし、一つ間を置いてから言葉を続けた。


「……お前、何者だ」

「あら? 名を訊く時は先に名乗るのがセオリーでしょ?」


 ふふふと笑う女性に強斎は驚いていた。


「お前、その意味がわかるのか……?」


 そう、強斎はシッカ王国に居る時、不意にその言葉を使ったのだ。

 しかし、全く意味が通じないことから、この世界にない言葉だと思っていた。


「名前を訊くのか、言葉の意味を訊くのかどっちかにしなさい」


 そう言われ、改めて冷静になる。


「そうだな、俺の名前は強斎。ちゃんとした人間族だ」

「あなたが人間? 笑わせないで」


 その途端、ミーシャとレイアがパタリと倒れた。


「威力を上げてどうするつもりだ?」

「ほらね? ここまでの威圧波動を受けて、気絶しない生物なんていないわよ? それに、さっきと全く変わらずピンピンしてる。本当にあなた人間? 神かなんかじゃないの?」


「だから、人間だと言っている。それに、さっきの答えを聞いてないぞ。お前は何者だ」

「あら、ごめんなさいね。私は虚無の精霊。名前は無いけど、かつて魔神と言われたことならあったわね」


 強斎はその言葉に納得した。


(魔神……ね。確かに表示上はレベル低いな)


 強斎は以前、ミーシャに魔神について少しだけ教えてもらっていた。



 ――――レベルが低いのに物凄く強い。



 こういう意味だったのだ。



???


LV10(35000000)


HP 1000/1000(4.32991E+34/4.32991E+34)

MP 1000/1000(7.10526E+36/7.10526E+36)

STR 100(5.46208E+30)

DEX 100(4.94052E+30)

VIT 100(5.57430E+30)

INT 100(2.78821E+32)

AGI 100(5.10284E+30)

MND 100(3.72448E+31)

LUK 10(150)

スキル

(状態異常無効化)

(呪系統無効化)

(火属性LV90)

(水属性LV90)

(土属性LV90)

(風属性LV90)

(光属性LV90)

(闇属性LV90)

(虚無属性LV99)

(調教LV80)

(HP自動回復速度上昇LV90)

(MP自動回復速度上昇LV90)

(魔術攻撃力増加LV90)

(魔術防御力増加LV90)

(物理攻撃力増加LV90)

(物理防御力増加LV90)

(回復系統魔術Ⅸ)

(限界突破)

(超越者)

(覇者)

(超隠蔽)

(精霊の威圧波動Ⅳ)

属性

(火・水・土・風・光・闇・虚無(オールアトリビュート))

(神の回復魔術(SPユニーク))

(虚無の精霊王(???))

(世界を破壊する者(???))





「どうしたの?私をじっと見て」


 強斎がこの女性のステータスを見ていると、不審に思ったのか話しかけられた。


「とりあえず、服を着ろ。色々と危ない」


 強斎はアイテムボックスからコートを出す。


「あら、あなたも男の子なのね。でも、無理。私に命令できるのは私より強い人って決まってるんだから」


 そう言って、受け渡しを断った。

 そして、強斎はその女性の目を見てこう言った。


「元から俺と手合わせするつもりだったんだろう?」


 その言葉に、女性は微笑む。


「理解が早くて助かるわ。私以外に虚無の属性を操れる者が現れて、やっと私が動けるようになったの。これくらいいいでしょ?」

「俺に何のメリットもないな」


 その言葉に少しむすっとする女性。

 そして、何か思いついたのかパンっと手を叩いた。


「じゃあ、こうしましょ? この戦いに勝った方が相手をモノに出来る。これならいいでしょ?」

「奴隷みたいなもんか?」


「そう。精霊契約を使うから、奴隷とちょっと違うけどね。違うところは、衣食住と生命を保証させる事とそう簡単には解除できないところね」

「なぜ、その提案をするんだ?」


「私が、あなたを欲しいからよ。虚無属性の使い手なんていないからね。過去に精霊以外で使えた人いないよ?」

「使い手がいないのに、お前は存在していたのか?」


「その頃は私、消されなかったからね。私は虚無の空間から生まれた精霊。1度目はそういうところから生まれるけど、2度以降の転生は使い手が現れないと無理。私は他の精霊王や神と戦って負けちゃったからね、それで消えちゃったわけよ」


 そして、その女性は「さて」と言い……。


「さっきの話を聴いてわかったと思うけど、私は神と同等の力を持っている。まぁ、故に魔神って言われたんだけどね。で、その私と戦って私の下につかない? 色々と優遇するわよ?」


 「いい提案だと思うけど」と付け加えた。


「じゃあ、もし俺が勝ってお前を配下にした場合、俺に何のメリットがある?」


「そうねー……万が一私に勝てたら、ある程度の精霊は操れる様になるんじゃないかしら?」

「操る?」


「そ。まぁ、上級以上の精霊はわからないけど、中級以下なら、どんな属性の精霊でも命令できるようになるんじゃないかしら?」

「属性が違うのにか?」


「ええ、属性が違っても私は精霊王。精霊王を配下にしたってだけで、言う事聞くでしょうね。上級以上は、その属性の精霊王じゃないと聞かないと思う」

「そうか……」


「どう?やる気になった?」

「ああ、いいだろう。お前と戦ってやる!」


「そうこなくっちゃ!」



 こうして、魔神対強斎の戦いが始まった。

色々な名前募集です

この魔神ちゃんの名前も募集です!


一糸まとわぬ超美女……閃いた


感想待ってます!


実は自分、熱を出すと時々とある事が起きるのですよ。

あらゆるものの自信とやる気を無くすんですよね。


昨日パズドラを始めたのですが、それも直ぐに放置でしたね。


あ、今は違いますよ?普通にパズドラ楽しんでますよ?後、モンストも

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