25話 召喚魔術っぽい
今回は短めです!
「主様!肩はこっておりませんか!?」
「いや、大丈夫だ。てか、そんな歳じゃない」
「主様!履物を磨きましょう!」
「履物なんて直ぐに綺麗にできるから……。後、これ一応防具な」
「主様!足を舐めましょう!」
「…………」
ルナが調子を取り戻した時から、このようなやり取りが続いている。
紫髪が、段々と青色に近づきつつあるルナ。
先日までの絶望が嘘であったかのような、生き生きとした目をしていた。
そして、何かと強斎に尽くそうとする。流石に足を舐めると言った時は、強斎からきついお叱りを貰っていた。
そして、ミーシャとレイアが無詠唱魔術の練習をしている時、またしてもルナが強斎に話しかけた。
「主様!何か、私にできることは――」
「あー……そうだな、魔術の練習をしよう」
「魔術ですか?」
「ああ、お前の属性は召喚魔術。ユニーク属性だ。……って俺も持ってるから、ユニークでもなんでもない気がするが……。まぁ、その辺は置いといて……。お前はMPが高い、だからある程度の魔物は召喚できるはずだ」
「は、はい!……ですが、主様。どうやって魔物を召喚するのですか?」
「ああー……簡潔に言うと。魔物をテイムして、召喚できるように設定する。とまぁ、こんな感じかな」
何となく理解した様な表情をするルナ。
その表情に安堵する強斎。
詳しく説明しろと言われても、口下手な強斎には無理なのだ。
「よし、じゃあちょっと手本を見せてやる」
そう言って、強斎は少し離れたところに魔物を召喚する。
指定した場所に多くの光が集まり、その魔物は姿を現した。
その魔物が現れた瞬間、ルナは尻餅をつき、ミーシャとレイアは無詠唱を失敗した。
『主よ、何の用だ?』
その魔物は一見、巨大な白馬。4m近くある。
しかし、違うのは大きさだけではない。
羽と角があるのだ。
ユニコーンとペガサスを連想させる雰囲気を持っている。
「ぬ、主様……この魔物は……?」
「あ?…………お前、種族は?」
強斎は知らずにテイムしてきたらしい。
『我が種族は
「「「ええぇっ!!?」」」
強斎以外の3人は驚愕の声を出した。
強斎といえば……。
(痛い!ネームがイタすぎる!一角天馬でペガサスユニコーンって……!)
別のところで驚愕していた。
無詠唱の練習を中止したミーシャが、強斎の元に走ってくる。
「きょ、キョウサイ様!なんて魔物をテイムしているのですか!?」
「え?ダメだった?」
「ペガサスユニコーンと言えば神話級の魔物ですよ!?神話級って1体討伐するのに、人間界全戦力使っても難しいって言われてる程なんですよ!?」
「へ、へー。でも、こいつ程度だったらミーシャやレイアでも倒せるはずだぞ?」
「ええ!?」
強斎の言葉に驚くのはルナだった。
「ミーシャさんとレイアさんってそんなに強いのですか!?」
その疑問に答えたのはレイアだった。
「ああ、私たちのどちらかが、単独で魔王と遊ぶ程度にな」
「ま、まさか主様より強い奴隷なんて……」
「お前は何を言っているんだ?ご主人のステータスを見ただろ?私たちなんて、念じただけで死ぬレベルだぞ?」
「念じただけで死ぬとか、ちょっとわかんないです……。主様のステータスを見ましたが、そこまで大きくありませんでしたよね?E+とかついていましたけど……」
ルナはスキルの多さにビックリしていたようだ。
だから、失禁まではしなかったという……。
「あー……E+ってのはな――」
少女説明中…………。
「……レイアさん。主様って何者ですか?」
「ご主人はご主人だ。どれだけ変わろうが、私の愛しのご主人には変わりない」
「レイアさん。それはちょっと違います」
「なに……?」
「レイアさんのではなく、私たち奴隷の主様です」
「ほう、お前も言う様になったな」
「私も一人の女として負けたくありませんから」
そこで、ルナは強斎の方を見た。
「ですから、人前では絶対に召喚してはいけませんよ?」
「わかってるって。そもそも、召喚魔術自体使わないから」
「ならいいですが……。……そう言えばキョウサイ様?まさか、残りの13体の魔物がこのクラスの魔物なわけありませんよね?」
「そんなわけ無いだろ?そもそも神話級の魔物なんて……あ」
「どうしたんですか?」
「いや、多分こいつクラスならいくつかテイムしたわ」
そう言って強斎は全ての魔物を召喚する。
そこに現れたのは……。
不死鳥(フェニックス)
不死の王(ノーライフキング)
グリフォン
炎竜王
水竜王
ユニコーン×3
ペガサス×3
スライム
上の3つに至っては神話級である。
「……キョウサイ様?」
「どうした?」
「この世界をどうするおつもりですか?この魔物達が居なくなる事により、大変なことになりますよ?」
「大丈夫だ、召喚する時以外はちゃんと元の位置にいるし、召喚しても俺の作ったクローンがいる」
「そうですか……。と、いうより、何故スライムがいるのです?」
「いや、最弱の魔物をレベリングするのって楽しいじゃん?」
「……」
こうして、強斎の召喚魔術ショーが終わった。
………
……
…
「さて、ルナ。少し遅くなったが、召喚魔術を練習しよう」
「は、はい!」
「まずは魔物探しだ!」
そう言って、強斎はマップで魔物を探す……が。
「あれ?魔物いないぞ?」
「え?いないのですか?」
それもそうだろう。
ミーシャとレイアが、雪合戦という自然破壊をしていたのだから。
「はぁ……しょうがない。移動するか」
「すみません……」
「お前が謝ること無い。そろそろ移動しようかと思っていたところだ」
強斎はミーシャとレイアを呼ぶ。
「よし、そろそろ行くぞ」
「「「はい」」」
こうして、新しい仲間と共に雪山から出るのであった。
色々な名前募集しております!
さて、ルナはいつ、スキルをもらえるのでしょうか?
そして、最初の魔物はなんなのか!?
感想待ってます!