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23話 雪合戦後の戒(ギアス)少女っぽい

遂に新奴隷!

「よし、雪合戦をやろう」


 強斎が城下町を旅立ち、現在山を登っていた。

 冬が近いという事もあり、途中からは、一面雪で覆われていた。


「「雪合戦ですか?」」


 二人同時に首を傾げている。


 この世界に雪合戦という遊戯は無いようだ。



「雪をこう……丸めてから、投げ合う遊戯だ」


 そう言って、ポイッっと雪を投げる強斎。

 しっかりと加減は出来ている。


「で、この雪玉が当たった方が負け。本当は色々とルールがあるんだが……今回は俺がルールを決めよう」


 そう言って強斎はルールを決めた。



 魔術、武器の使用可能。


 雪玉が当たった方の負け。


 雪崩が起きても試合続行。


 審判は強斎。



「まぁ、こんなもんだろう」


「えっと、キョウサイ様?このような遊戯をしていてもよろしいのでしょうか?急いでいるのでは……?」


「別に急いでいないぞ?地道に程々に進めばいい。あ、それと勝った方にはご褒美な」


「「!?」」


 ご褒美という言葉に反応する二人。


「ご、ご主人様……ご褒美とは……?」


「そうだな……勝った方の唇を奪ってやる」


 と、半分冗談で言ったのだが……。




「レイア、今から貴女は敵よ」


「そんなものは百の承知。全力で貴様を叩き潰す」


「何を戯れごとを。寝言は寝てから言いなさい」


「はっ、貴様は私の敵にすらならない事を証明してくれる」



(あれ?あいつらの目……ヤバくないか?)


 レイアとミーシャの目が『絶対に勝つ』と言っているのが、これでもかと言わんばかりに伝わってきた。



 強斎はどう思っているのかというと……。


(まぁ、いっか。俺も熱い雪合戦見たいし……あ、1対1だから合戦じゃなくて一騎打ちか?)


 何とも無責任な私情であった。



 言い合いが終わったのか、二人は距離をとり、強斎を見た。


「キョウサイ様」「ご主人様」


「「合図を!」」


「え?あ……じゃあ、はじめー――――うおっ!?」


 試合開始と同時に起きる突風。


 二人同時に、音速を遥かに超える速度で動き始める。その速度、実にマッハ300超だ。


「すげぇ……あれだけの弾幕の中、両者掠ってすらいねぇ……」


 それを見切る強斎もデタラメである。




「お、ミーシャが雪で壁を作っ……レイアがメイスで破壊か……何か、俺の知ってる雪合戦と違う……」


 無数の雪玉が飛び、その一つ一つが雪とは思えない程の破壊力を持っている。


 しかも、そこに自然破壊と思える魔術がバンバンと飛び交じる。


 魔術には威力と規模によって~級と指定されている。


 初級、下級、中級、上級、特級、精霊級、王級、帝級、神級。


 他にもあるのだが、これらが主に使われる言葉である。


 二人は下級の魔術を無詠唱で飛ばしているのだが、威力だけ見れば精霊級に近い特級である。



 超轟音が響く中、強斎はとある事に気がついた。


(あ、防音にしてねぇ……)


 と、遅くなりながらも巨大防音室を風魔術で作る。


(まぁ、こんな山奥に人なんていないだろ)


 と、思いながらも一応マップで確認する強斎。








 ――――4人。







「はぁぁ!??」


 強斎は思わず声を上げてしまった。


 そう、この1km圏内に4人いるのだ。


 しかも……。


(かなり近い……あの一騎打ちに巻き込まれたのか!?)


 そう思い、強斎は直ちに止めに入る…………が。



「おい、お前ら今s「ドォォォォォン!!!」


「ちょ、きこえt「ズシャァァァァァアン!!!」


「いい加減n「グシャァァァァン!!!」



 全く聞こえていない。


(くそっ、こうなったら!)


 強斎はマッハ300超のミーシャとレイアを、ピンポイントで空気の檻に閉じ込める。


「「!!?」」


 急に、殆ど動けなくなることに驚愕する二人。


「ミーシャ!レイア!雪合戦は中止だ!」


 何故中止にするのかわかっていない二人。

 雪崩でも中止はしないと言っていたはずなのに。と。


「この辺に人がいる!恐らく、この雪に埋もれている!」


「「!!」」


 強斎の言葉に驚く二人。


 だが、強斎はにやりと笑った。


「大丈夫だ、もう見つけた」


 そう言って一直線にとある場所に向かう。


 ミーシャとレイアも空気の檻から解放され、強斎に寄っていく。


 二人が強斎の元にたどり着く頃には、強斎の腕に一人の少女がいた。


 その少女を見て、ミーシャとレイアは驚愕の表情を浮かべる。

 強斎も違う意味で驚いていた。



「キョウサイ様……その少女は……まさか……」


 ミーシャが恐る恐る呟く。


「知っているのか?ミーシャ?」


「……はい。その少女は兎族の少女でしょう……ですが……」


 強斎の腕の中にいる少女は白い兎の耳が付いていることから、兎族とわかった。


 しかし――――。


「その兎族は……紫髪の呪われし兎です……」


 そう、この少女は紫色の髪をしていたのだ。


 そして、強斎はなにか思い当たったのか、納得した表情だった。


(やはり……そうだったのか……)


 そう、強斎が驚いた理由……それは――――。



ルナ


LV12 (呪い)全ステータス1/4、魔術使用不可、スキル使用不可、状態異常耐性低下


HP 6/42 (169)

MP 446/446 (1864)

STR 7 (28)

DEX 8 (31)

VIT 12 (48)

INT 13 (53)

AGI 10 (42)

MND 15 (61)

LUK 10 (40)


スキル

(体術LV1)

(棒術LV2)

(状態異常耐性LV2)

(MP回復速度上昇LV4)

(魔物召喚)

(意思疎通)


属性

召喚魔術ユニーク




 そう、この少女……ルナのステータスだ。


(これは……あまりにも……)


 と、思ったところで、レイアが声にならない悲鳴をあげていた……。


「どうした!?」


「ご、ご主人様……この子…………ギアスをつけられています……!!」


「!!!??」


 レイアの言葉にミーシャが目を見開く。


 続いいてミーシャの顔が強張った。


「こんな……こんな子にギアスをつけるなんて……!」


 ギリっとミーシャ歯を食いしばった。


「ミーシャ、ギアスとはなんだ?」


 この中で一人、地球人である強斎には、わからなかった。


ギアスというのは、一種の呪いです……。効果は――――奴隷にならなければ死んでしまう。奴隷としてしか、生きられないという事です」


 そう言ってミーシャはルナの左肩を見せる。


「これが、ギアスの刻印です。この刻印の状態は、主がいない状態ですね……。このままではこの子は死んでしまいます」


 そう言って、ミーシャはルナの肩を撫でる。


「主がいなくなると……どれぐらいで死ぬんだ?」


「……3日です。そして、この刻印の黒さから今日が3日目なのでしょう……」


 確かにルナの呼吸は弱々しく、息をしていないんじゃないかと疑うほどだった。


「紫髪の呪われし兎だとしても……ギアスはやり過ぎだ……!」


 レイアも苦痛の表情を浮かべていた。


 そして、その二人の行動を見て、強斎は決心する。


「ミーシャ、レイア。奴隷が一人増えるがいいか?」


「「!?」」


 その強斎の言葉にギョッとする二人。


「キョウサイ様……いいのですか?」


「ああ、お前らがいいならな」


「ご主人様!是非お願いします!」


「私からもお願いします!」


「ああ、わかった。……で、どうやるんだ?」


ギアス持ちの場合は、主となる者の血を数滴、ギアスに垂らしてください。そして、今から私が言う詠唱を唱えてください」


 淡々とミーシャは説明する。


「ああ、わかった」


(って、何でそんなこと知ってんだ?)


 そう思ったが、口に出さない強斎であった。

色々な名前を募集しております!

勇者達使う魔術とか武器とかお願いします!


さて、新奴隷ですね…

一応、ロリです。詳しい描写は次回で!


感想待ってます!

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