18話 魘されてるっぽい
空いてしまいましたが、投稿です!
少し書き方を忘れてしまってました…
「キョウサイ様」
「なんだ?」
もう、森も出るであろうというところで、野宿している強斎一行。
そして、夜遅くミーシャとレイアが、見張りをしている強斎に話しかけた。
「キョウサイ様の目的とはなんですか?」
「私も気になっていました。ご主人様は、シッカ王国の城下町にたどり着いたところで、また旅に出るつもりですよね?」
(何故わかった!?)
そう、強斎は何の目的もなく旅をしているわけではない。
確かに、観光もしているが、本当の目的は――――。
(俺の目的か……。そうだよな……。俺の目的は地球に帰る事。その為に旅を……魔界を目指していた……だが)
そこで、強斎はミーシャとレイアを見る。
(もしも、俺が帰ったらこいつらはどうするんだ?)
強斎は今頃そのことに気がついた。
(いや、全く考えていなかったわけではないな。……俺が無意識に逃げていただけか)
そこで、ため息を出す強斎。
その行動に別の意味で解釈してしまった二人。
「違ってましたか?」
「いや、ミーシャ。確かにその通りだ。俺は城下町に着いてから、少ししてから旅に出る」
「では、さっきのため息は……」
「あれは、俺の無能さに呆れていたせいで、出たため息だ」
「ご主人様!」
そこで、レイアが声をあげた。
「ご主人様、……もう、無理をしなくていいですよ。私たちは知っていますから」
その言葉に対して、ミーシャは何か察したのか、強斎を力強く見つめた。
強斎はというと……。
(え?知ってる?何が?)
少し困惑していた。
が、しかし、先ほどの会話から整理すると……。
目的は何か→地球に帰る事だが、奴隷をどうするか考える→無理しなくていい、知っているから→異世界出身だと知っている
(いやいやいやいや!それはないだろう!そもそも、話したって信じないだろうし……いや、しかし、それ以外に……)
そう、悩んだ時に、ミーシャが話し出した。
「失礼ながら、盗賊に襲われた時、キョウサイ様がトドメを刺す瞬間を拝見しました」
「っ!」
そこで、強斎は不思議な感情に包まれた。
(なんだこれ……?居心地が悪い……)
その疑問に答えたのはミーシャだった。
「その様子だと、ご自分でも気がついていなかったのですね」
さっきまで地球に戻るとしたら、奴隷をどうするか考えていた強斎だが、物凄く居心地が悪い感情に押しつぶされそうになり、考えを止めてしまっていた。
「キョウサイ様はあの時……私たちが気絶した時に、初めて盗賊を殺しましたよね?」
どこか責めるような口調で言うミーシャ。
少しレイアがミーシャを睨みつける。
しかし、レイアの目線を無視してミーシャは話を続けた。
「キョウサイ様はそれを無意識に罪だと思っているようです」
「……罪?」
「ええ、自分で決めた罪です」
「……」
「気づいていないでしょうが、キョウサイ様はあれから時々、夜に魘されているのですよ。それがどれだけ私たちに、不安にさせるかわかりますか?」
少し怒気を混ぜた口調で、ミーシャは淡々と喋る。
「……すまない」
簡単に謝った強斎にミーシャが何か言おうとしたが、レイアがそれを止めた。
「レイア!」
「ミーシャの気持ちは十分にわかる。しかし、これ以上ご主人様を苦しめるのは私が許さない」
「だけど、この状態が続くとキョウサイ様が――」
「知ってる、だけど、一度苦しめたって変わらない」
「……」
「ご主人様」
ミーシャが黙ったところで、レイアが話し始めた。
「ご主人様は確かに強いです。この世界で最も。ですが――――」
その時、レイアは一瞬悲しそうな顔をして、強斎を見つめた。
「心は普通の優しい人間なんです。私たちは獣人なので、説得力がないと思いますが、人間の心は物凄く脆いです。ですから……」
そこで、レイアは目元から一粒の雫を出し、すぐに拭ってからもう一度強斎を見つめた。
「辛い時は辛いって言ってください……。ミーシャも言いましたがご主人様が夜な夜な魘されるお姿を見て、私が正気でいられる自信がありません……。ご主人様が苦しんでるのに、何も出来ない苦しさ……私……私……どうにか……なってしまいます……」
ポロポロと涙を流し始め、それを毎回拭うが、それでも止まらなかったので、レイアはしゃがんで手で顔を覆った。
その行動に強斎はビックリしたが、同時にどこか楽になった気がした。
(俺は何やってんだか……)
強斎はレイアの近くに寄って、そっと頭を撫でた。
「ありがとう、少し楽になった」
そこで、強斎の背中に柔らかい感触が当たる。
「ミーシャ?」
「キョウサイ様。私も、物凄く心配したんですよ?」
その言葉は少し涙声に近かった。
「そっか、済まなかったな」
そこで、強斎は二人を抱き寄せた。
「二人共、ちょっと聞いてくれるか?」
小さく頷く二人。
「俺はな、怖かったんだ。人を殺した自分が。お前らに嫌われることが。それ以外にあるんだが、うまく言えないな……。とにかく怖かった」
そっと二人を離す。
「でも、お前らはそんな俺でも付いて来てくれた。そして――」
そこで、強斎は苦笑いをした。
「これからも、ついてきてくれるか?」
その後の二人の反応は当たり前だった。
………
……
…
「キョウサイ様。もう魘されてないね」
「ああ、どこか安心したような顔だ」
強斎の寝顔を見て、先ほどのやり取りを思い出し、赤くなる二人。
「ミーシャ」「レイア」
話しかけたのは同時だった。
「ど、どうしたの?レイア」
「み、ミーシャこそ、どうしたんだ?」
そして、暫く沈黙が続いた。
ポツリと呟いたのはレイアだった。
「私たち、愛されていたな」
「ええ。夜の玩具としてではなく、一つの存在として」
「やっぱり、嬉しいな……」
「ええ、物凄く……」
そして、もう一度強斎を見る二人。
「でも、結局ご主人様の目的は聞けなかったわね」
「レイアが話を変えるからでしょう」
「でも、結果的に良かったじゃん」
「まぁ、そうだけど……」
そこで、二人は強斎が寝る前の事を思い出した。
「あれは……卑怯だったな……」
「うん……」
二人は自分の額に手を当てる。
((ここに不意にキスされるなんて……))
また顔が赤くなるミーシャとレイアであった。
………
……
…
「あ、キョウサイ様!見えてきました!」
「あれが、シッカ王国の城かー……でかいなー」
「さぁ!ご主人様!早く行きましょう!」
「ああ、そうだな」
こうして、強斎一行は城下町に向かうのであった。
どこかおかしくありませんでした?
書き方を少しだけ忘れていたので、そういうのがあると思います。
では、感想待ってます!
あ、艦これのイベント始まりましたね!
チマチマとやっていますw