<< 前へ次へ >>  更新
21/127

18話 魘されてるっぽい

空いてしまいましたが、投稿です!

少し書き方を忘れてしまってました…

「キョウサイ様」


「なんだ?」


 もう、森も出るであろうというところで、野宿している強斎一行。

 そして、夜遅くミーシャとレイアが、見張りをしている強斎に話しかけた。


「キョウサイ様の目的とはなんですか?」


「私も気になっていました。ご主人様は、シッカ王国の城下町にたどり着いたところで、また旅に出るつもりですよね?」


(何故わかった!?)


 そう、強斎は何の目的もなく旅をしているわけではない。


 確かに、観光もしているが、本当の目的は――――。


(俺の目的か……。そうだよな……。俺の目的は地球に帰る事。その為に旅を……魔界を目指していた……だが)


 そこで、強斎はミーシャとレイアを見る。


(もしも、俺が帰ったらこいつらはどうするんだ?)


 強斎は今頃そのことに気がついた。


(いや、全く考えていなかったわけではないな。……俺が無意識に逃げていただけか)


 そこで、ため息を出す強斎。


 その行動に別の意味で解釈してしまった二人。


「違ってましたか?」


「いや、ミーシャ。確かにその通りだ。俺は城下町に着いてから、少ししてから旅に出る」


「では、さっきのため息は……」


「あれは、俺の無能さに呆れていたせいで、出たため息だ」


「ご主人様!」


 そこで、レイアが声をあげた。


「ご主人様、……もう、無理をしなくていいですよ。私たちは知っていますから」


 その言葉に対して、ミーシャは何か察したのか、強斎を力強く見つめた。


 強斎はというと……。


(え?知ってる?何が?)


 少し困惑していた。

 が、しかし、先ほどの会話から整理すると……。


 目的は何か→地球に帰る事だが、奴隷をどうするか考える→無理しなくていい、知っているから→異世界出身だと知っている


(いやいやいやいや!それはないだろう!そもそも、話したって信じないだろうし……いや、しかし、それ以外に……)


 そう、悩んだ時に、ミーシャが話し出した。


「失礼ながら、盗賊に襲われた時、キョウサイ様がトドメを刺す瞬間を拝見しました」


「っ!」


 そこで、強斎は不思議な感情に包まれた。


(なんだこれ……?居心地が悪い……)


 その疑問に答えたのはミーシャだった。


「その様子だと、ご自分でも気がついていなかったのですね」


 さっきまで地球に戻るとしたら、奴隷をどうするか考えていた強斎だが、物凄く居心地が悪い感情に押しつぶされそうになり、考えを止めてしまっていた。


「キョウサイ様はあの時……私たちが気絶した時に、初めて盗賊を殺しましたよね?」


 どこか責めるような口調で言うミーシャ。

 少しレイアがミーシャを睨みつける。


 しかし、レイアの目線を無視してミーシャは話を続けた。


「キョウサイ様はそれを無意識に罪だと思っているようです」


「……罪?」


「ええ、自分で決めた罪です」


「……」


「気づいていないでしょうが、キョウサイ様はあれから時々、夜に魘されているのですよ。それがどれだけ私たちに、不安にさせるかわかりますか?」


 少し怒気を混ぜた口調で、ミーシャは淡々と喋る。


「……すまない」


 簡単に謝った強斎にミーシャが何か言おうとしたが、レイアがそれを止めた。


「レイア!」


「ミーシャの気持ちは十分にわかる。しかし、これ以上ご主人様を苦しめるのは私が許さない」


「だけど、この状態が続くとキョウサイ様が――」

「知ってる、だけど、一度苦しめたって変わらない」


「……」


「ご主人様」


 ミーシャが黙ったところで、レイアが話し始めた。


「ご主人様は確かに強いです。この世界で最も。ですが――――」


 その時、レイアは一瞬悲しそうな顔をして、強斎を見つめた。


「心は普通の優しい人間なんです。私たちは獣人なので、説得力がないと思いますが、人間の心は物凄く脆いです。ですから……」


 そこで、レイアは目元から一粒の雫を出し、すぐに拭ってからもう一度強斎を見つめた。


「辛い時は辛いって言ってください……。ミーシャも言いましたがご主人様が夜な夜な魘されるお姿を見て、私が正気でいられる自信がありません……。ご主人様が苦しんでるのに、何も出来ない苦しさ……私……私……どうにか……なってしまいます……」


 ポロポロと涙を流し始め、それを毎回拭うが、それでも止まらなかったので、レイアはしゃがんで手で顔を覆った。


 その行動に強斎はビックリしたが、同時にどこか楽になった気がした。


(俺は何やってんだか……)


 強斎はレイアの近くに寄って、そっと頭を撫でた。


「ありがとう、少し楽になった」


 そこで、強斎の背中に柔らかい感触が当たる。


「ミーシャ?」


「キョウサイ様。私も、物凄く心配したんですよ?」


 その言葉は少し涙声に近かった。


「そっか、済まなかったな」


 そこで、強斎は二人を抱き寄せた。


「二人共、ちょっと聞いてくれるか?」


 小さく頷く二人。


「俺はな、怖かったんだ。人を殺した自分が。お前らに嫌われることが。それ以外にあるんだが、うまく言えないな……。とにかく怖かった」


 そっと二人を離す。


「でも、お前らはそんな俺でも付いて来てくれた。そして――」


 そこで、強斎は苦笑いをした。


「これからも、ついてきてくれるか?」


 その後の二人の反応は当たり前だった。



………

……


「キョウサイ様。もう魘されてないね」


「ああ、どこか安心したような顔だ」


 強斎の寝顔を見て、先ほどのやり取りを思い出し、赤くなる二人。



「ミーシャ」「レイア」


 話しかけたのは同時だった。


「ど、どうしたの?レイア」


「み、ミーシャこそ、どうしたんだ?」


 そして、暫く沈黙が続いた。



 ポツリと呟いたのはレイアだった。


「私たち、愛されていたな」


「ええ。夜の玩具としてではなく、一つの存在として」


「やっぱり、嬉しいな……」


「ええ、物凄く……」


 そして、もう一度強斎を見る二人。



「でも、結局ご主人様の目的は聞けなかったわね」


「レイアが話を変えるからでしょう」


「でも、結果的に良かったじゃん」


「まぁ、そうだけど……」


 そこで、二人は強斎が寝る前の事を思い出した。


「あれは……卑怯だったな……」


「うん……」


 二人は自分の額に手を当てる。


((ここに不意にキスされるなんて……))


 また顔が赤くなるミーシャとレイアであった。



………

……



「あ、キョウサイ様!見えてきました!」


「あれが、シッカ王国の城かー……でかいなー」


「さぁ!ご主人様!早く行きましょう!」


「ああ、そうだな」


 こうして、強斎一行は城下町に向かうのであった。

どこかおかしくありませんでした?

書き方を少しだけ忘れていたので、そういうのがあると思います。


では、感想待ってます!



あ、艦これのイベント始まりましたね!

チマチマとやっていますw

<< 前へ次へ >>目次  更新