12話 馬鹿な少年っぽい
昨日1日で、今までの総合PVが追い越されました。感謝感激です!
今回は2つに分けるため、短めです。
それと、ステータスが読みにくいという事で、強斎のステータスを少し変えました!
8話を見ていただければわかります!
強斎達が街を出た数分後、レイアが強斎に質問した。
「ご主人様、結局どこに行くんですか?」
強斎はこの質問に対して、ドヤ顔でこう言った。
「とりあえず、一番近い街だ」
「え……」
「レイア、よく聞くんだ。俺はここの土地については全く知らない。だから、俺ではなくミーシャに訊くんだ。ところでミーシャ。どこに向かっている?」
大体予想していたのか、ミーシャは顔色一つ変えずに、強斎の質問に答えた。
「シッカ王国の城下町に向かってます」
「?さっきの街って、シッカ王国じゃなかったのか?」
「シッカ王国ですよ。王国なんですから、街なんてたくさんありますよ」
「そうだな」
こうして、雑談をしながら歩くこと数時間。
………
……
…
「ミーシャ、レイア」
「はい、わかっています」
「どうするんです?ご主人様?」
「とりあえず、あぶり出す」
――強斎達は、誰かに後をつけられていた。
「しかし、隠れるにしても下手だな……」
「キョウサイ様、これは罠かもしれません、こんなバレバレな尾行なんて……もしかしたら、本命がいるのかも……」
「その手も考えられますね……。どうです?ご主人様?一気に仕留めて情報聞き出すとか」
「んー……」
(確かに、これは罠かもしれない……けど、それを考えても変だ。ドンドン俺たちに近づいてきている……。殺気を殺して、背後から仕留める気か?いや、それだったら、こんなバレバレな尾行するはずないな……)
「よし、捕まえてこよう」
「はい。ではレイア、私が――」
「ただいま」
強斎は中学生ぐらいの少年を抱えて、そこに立っていた。
「……」
「流石ご主人様です!捕まえただけではなく、気絶までさせてるなんて!」
「気絶?」
その少年はぐったりと目を回していた。
「とりあえず、そこら辺に放置して、起きるまで待っとくか」
「いきなり襲いかかってきたら、めんどくさいですけどね」
ちょっと機嫌が悪いミーシャが、強斎に言った。
「ん?そうだな……よし、これならいいだろう」
そう言って、強斎は立ち上がって、適当な平地で寝転がった。
「そいつが起きたら、適当に黙らしといてくれ」
「え?あ、はい……縛らないのですか?」
ミーシャが呆気にとられたような顔をしている。
「もう拘束したし、そいつには絶対に千切れないから」
「絶対……ですか?」
「ああ、レイアでも千切れないよ」
急に名前を出され、キョトンとするレイア。
「「そうなんですか?」」
「ああ。その拘束の強度ってINTに依存するから」
「でしたら、無理ですね」
「確かに、私でも無理ですね」
既に説明いらずである。
「そういうこと、ってことで俺は寝るわ」
そう言って、パタリと寝てしまった。
なんだかんだで、疲れていたのである。
……
…
強斎の性格は他人とは違い、少々ひねくれている。
そのせいで、完全に信用できる人など、そうそうできていない。
そして、強斎はこの世界に来て、初めて信用できる人ができた。
ミーシャとレイアだ。
ミーシャは3週間、レイアは1週間しか、強斎と過ごしていないが、確実に信用を築いてきた。
ミーシャ1人では、もしもの時があるので、強斎は常に周囲を警戒していたが、今はレイアもいる。
二人だと、そうそうそんなことは起きないだろうという事実が、強斎の肩の荷を下ろしたのだ。
そんな安心感に包まれながら、強斎は眠りに就いた。
……
…
強斎が目を覚ましたのは、朝方だった。
(ほぼ半日寝てしまったな……)
そう言って、体を起こすと、ミーシャとレイアがこちらを向いた。
「あ……おはようございます……」
「おはようございます……ご主人様……」
「おはよう、二人共。まさか、寝てないのか?」
「ええ、見張りのために……」
「起こしてくれれば良かったのに……」
「キョウサイ様はここ最近、無駄に警戒して、疲れていたでしょう?それなのに起こすことなんて出来ませんよ」
「ふっ、そうか」
そう言って、強斎は二人の頭を撫でる。
レイアは半分寝ているようだ。
「二人共、寝ていいぞ」
「あ、ありがとうございます……」
そう言って、ミーシャは強斎の太ももを枕にして、寝てしまった。
レイアは「ずるい……」と言いながら、こちらもミーシャと反対の太ももを枕にして寝てしまった。
そして、もう一度二人の頭を撫でた。
(あの少年、どーすっかな……。ま、あいつから襲ってきたし、放置でいいか)
見知らぬ人の事など、考えない強斎であった。
二人が目を覚ましたのは、昼頃だった。
………
……
…
「こいつ、いつから起きてた?」
「昨日の夕方からです」
「どうやって黙らした?」
「適当に威圧で」
ミーシャ、レイアの順である。
「おい!お前!金目の物置いていけ!命だけは助けてやるぞ!」
ギャァギャァと木を背に座り、騒ぐ少年。
「無様な」
そう言って、レイアが威圧で黙らす。
「ひっ……」
そして、黙る。しかし、喋る。
「ふ、ふん!そこの男!聞いて驚け!俺は解析スキル持ちだ!」
(確かに解析スキル持ちだな。LV1の)
「恐ろしくて、声も出ないか!」
そうして、レイアが黙らそうとするが、強斎が止めた。
「お前、馬鹿そうだから解析スキル知らないんだろ!解析スキルってのはな、相手の大体の強さがわかるスキルなんだ!すごいだろ!」
(そんなに使い勝手が悪いのか……)
「そして、俺の解析によると、お前は俺より弱い!」
「ほう……」
その瞬間、ミーシャとレイアは青い顔をしていた。
しかし、少年は解析に頼りすぎたせいで、強斎の雰囲気の変わりように全く気がついていなかった。
「なんで俺が動けないかわからないが、女が何かしたんだろ!?その二人は俺より強いからそうに決まってるな。さぁ、そこの二人!ここの男はお前らより弱いから、殺して、俺について来い!俺は近々冒険者になって、偉大になる男だ!今の内に従っとけば、一番弟子にしてやってもいいぞ!」
ついでに少年のステータスはこうだ。
#
アルノ
LV9
HP 80/84
MP 79/79
STR 23
DEX 20
VIT 21
INT 21
AGI 20
MND 19
LUK 25
スキル
剣術LV1
体術LV2
解析LV1
水魔術LV0
属性
水
#
召喚されたての強斎より弱かった。
自分の主人を殺せと見知らぬ人に命令された、ミーシャとレイアはこれでもかと言わんばかりの殺気を向けていたが、少年は気がついていなかった。
そして、強斎は少年に一言言った。
「お前、馬鹿だろ」
「なに!?」
「大体、自分のスキルを明かす時点で馬鹿。スキルに頼り、第六感が鈍ってるに至っては論外だな」
「なっ!」
「そもそも、お前奴隷って何か知ってるか?」
「それぐらい知っている!」
「こいつらは、俺の奴隷だ」
「それが、どうした!」
「お前、馬鹿だろ」
「馬鹿ですね」
「一回死んでこい、クズ」
レイアの言葉が汚いのはスルーする。
「なんだと!?俺のどこが馬鹿なんだ!計算だってできるぞ!」
「7の2乗は?」
「は?2乗?」
「ほれみ、馬鹿だろ」
「……」
「……」
強斎はいきなり黙った、二人を不審に思い、二人を見た。
レイアはサッと目を逸らし、ミーシャはどこか考えている。
「まさか……お前ら……。いや、そんなことはいい。とりあえず、お前の知っている奴隷はなんだ?」
「そういう職業だろ」
本物の馬鹿だった。
スキル名、ユニーク属性名、人名(カタカナ)、魔物名、魔術名、武器防具名を常時募集しております!
さて、馬鹿な少年登場!
ついでに、この世界にも初等関数はちゃんと存在してます。
そう言えば皆さん、お好きな亜人とかいますか?
その亜人の萌えポイントを教えていただきたいです!
感想待ってます