腐った女と夢見る女
私たち、すうちゃんこと佐藤鈴とゆうちゃんこと大熊優は光沢がある白の空間にいる
「ねえ、すうちゃん、ここどこだろ」
「あれじゃない、太陽系銀河第三惑星」
「いやいやいやいや、それ、地球」
「じゃあ埼玉」
「なぜに埼玉」
「さっきまで東京いたから近い県」
「だったら、神奈川行きたい」
「甘栗食べたい」
「肉まん食べたい」
『ねえ、君たち冷静すぎない?』
「うるさい。私はゆうちゃんに甘栗の素晴らしさを語らなくてはならない。という訳で忙しい」
「中華街でとりあえず両方食べよう」
「それは名案」
『無視をしないで!僕悲しくなっちゃうでしょ‼』
「どちら様でしょうか?」
『僕は神様だよ!大切なお話があって二人をここにつれてきたんだ!』
「わー、誘拐犯」
「すうちゃん多分これは新手の宗教勧誘だよ。話を聞いてあげよう?」
『あー、ゴホン、二人とも、ここは時空の間。君たちで言うところの神界だよ、埼玉でも神奈川でもない。
優さんと鈴さんには異世界に行ってもらおうと思う』
「本当ですか?」
ゆうちゃん、それ胡散臭過ぎるない?
昨日、携帯の無料通信アプリでもしも異世界に行ったとしたらなんの職業に着きたいかって話をした後とはいえ、異世界に行くならいろいろと準備が必要なんだよ
例えば、机のなかに入っているBL同人誌を処分しなくちゃいけないし私の黒歴史にじそうさくも消さなくてはいけない
「すうちゃん、思考漏れてる」
「はっ、ヤバイもう少しでへそくりの在処言うところだった」
『落ち着いた?今から行く世界はステータスやスキルがある世界だから職業とスキルを決めさせてあげるよ、あと、持ち物は今持っているものだからね』
「二人とも同じ場所、同じ時間につけるの?そこ大事だよ」
小説投稿サイトでバラバラに飛ばされたっていうのを読んだからかそこが不安だ。
『もちろん、二人とも同じ時間で同じ場所だよ』
「すうちゃん、仕事何にする?私は昨日言った日本刀を使う剣士だなぁ」
ゆうちゃん切り替え早くない?
「なら、自分は生産職だな
今スキルって決めなくちゃいけないの?」
『優さんが剣士(日本刀)と鈴さんが生産職ですね。わかりました。スキルは今決められないようだったらスキルポイントとしていれておきますね。』
生産職って大雑把だけどいいのか…
『では楽しんできてください。あ、その世界魔法があるので適当に魔法属性つけておきますね!ってあれ、聞いてないよ。いい忘れたのはこちらのミスだしサービスしておくか』
そう、いっていたのも知らず自分とゆうちゃんは異世界に旅だった
辺りに電信柱は乱立していないし、森が近くに見える草原にいた。
「ここが異世界かぁ」
「ゆうちゃん今なにもってる?」
「んー、財布と携帯とあとおやつ」
「そっかー」
「すうちゃんは?」
「カッター四本とガラケーと簡易充電器と石が入った小瓶。とその他もろもろ」
「なんでそんなにいろいろ持ってるの?」
「眺めながらにやにやするためかな!カッターは切り絵用」
「カッターなんかあった時の為に1本貸しておいてくれない?」
そう言われて水色のカッターを渡すと、ゆうちゃんは刃の具合を確かめ始めた。そしてカッターの刃をカチカチと戻すと
「ありがとう」
「あいよ
ゆうちゃんのステータスどうなってた?」
「見る?」
「見る!」
大熊優 剣士LV 1
魔力 多い
体力 かなり多い
生命力 普通
スキル 剣術LV1
属性
スキルポイント 1000
属性ポイント 1000
体力が多く魔力も多い。回復役兼前衛か…
さすが自分のゆうちゃん!
「すうちゃんは?」
「ん、暫し待たれよ。その画面が出てこない」
「ステータスって思うと出てくるよ」
「さすが友よ!ありがとう‼」
佐藤鈴 生産職LV 1
魔力 多い
体力 少ない
生命力 簡単には死なない
スキル 材料探しLV 1
属性
スキルポイント 1000
属性ポイント 1000
簡単には死なないってなんなんだ?生命力が黒光りするG並みってことなのか、それともくまむしみたいなのか。さぁ、どっちなんだ!
どちらも嫌だがな…
「ゆうちゃん、属性ポイントって魔法属性を選べる的なやつかな?乙女ゲームのキャラ属性だったらさっきの声の主をぶん殴る」
「たしかにそれはやだね」
「でしょ?
属性ポイントはやっぱり魔法属性だと信じるでござる」
「私は治癒と風がほしいな」
「治癒ってことは光?ゆうちゃん看護婦になりたいって言ってたもんね」
《属性ポイントを利用して600ポイントで光属性を300ポイントで風属性を獲得しました》
「わっすごい!光属性と風属性がとれてる!」
「まじで⁉
じゃあ自分は炎と土と緑でお願いしやす」
《属性ポイントを利用して300ポイントで炎属性を300ポイントで土属性を300ポイントで緑属性を獲得しました》
「何故に炎と土と緑とったの?」
「生産職といったらポーションや剣を作るでしょ?ゆうちゃんに刀を打ちたいなって思って」
「すうちゃんありがとう‼」
「はっはっは気にするな友よ
ところで体力と戦う手段がないから守ってくださいお願いしますじゃないと自分死んじゃう!」
「うん!すうちゃんのこと守るよ!」
「頼んだぜ‼」
「ところでさ、今日どこで寝る?」
「そんなときにはこの本!新サバイバルの心得!この本には火の付け方から船の作り方まで載っている、遭難した時の必需品‼なんと今なら税込982円‼」
「すうちゃん!すうちゃん!テレビ通販みたいになってたよ⁉っていうかなんでそんな本持ってるの⁉」
「電車のなかで読もうと思って」
「私から言い出しておいて悪いんだけどそっちに道があるから行けるところまで行ってみない?」
「何故それを先に言わなかった」
そういわれると道の様なものが見えている気がする
「じゃあ町に向かって出発!」
~1時間後~
私たちはまだ道を歩いていた
「現パロ」
「ロミジュリ」
「リンク」
「栗田口」
「ち○こ」
「こすりあい」
「いれる」
「なぁ、エロに持ってくのやめろし」
今、町を目指して歩いているのだがなかなか近づかない町!ふざけんなよ!こちら体力がないんだよ!
暇すぎてしりとりを続けついたが「ん」がついて終わってしまった。
「ゆうちゃん、自分今気がついたんだけどお金持ってなくない?」
「確かに、財布はあるが金がない」
「宿に泊まれないようなきがするぜ」
「最悪すうちゃんの石を売ろう」
「私の可愛い可愛いエレーナちゃんとアリーナちゃんを売れというのか!」
「エレーナちゃんとアリーナちゃんって誰?」
「琥珀の名前。名前着けて可愛がってる」
「うわ~‼変態だ!」
「誰が変態だ誰が」
全く!失礼な!
「ところでさ馬の足の音聞こえない?」
「え?」
「パカラッパカラッていう音」
「確かに聞こえる」
ゆうちゃんが馬の足音の真似がうますぎて驚いている。
そして見えてきた馬は黒いごつい馬。それの上には西洋風の鎧を着た人が。しかもそれが何人も
「貴様ら!何故この道にいる!この道は魔のものが多く現れるため一般人は通行禁止のはずだ」
「自分達、お母さんに言われてお買い物をしに行ったんですけどなんか気がついたらここ居た
ここはどこ?」
「捨てられたのか…
ここはカリファだ。お前たちはどこから来たんだ?」
「ジパングから来た」
「ジパング…聞いたことのない国だな
私はお前たちを訓練生として保護する。異論はあるか?」
「ない
ゆうちゃんは?」
「ないです」
「では門で待っていると言いたいところだがここらへんは危険だ。使いたくはなかったが移動魔法を使おうと思う」
「しかし!隊長‼」
さっきまで一言も話さなかった兵士が言った。
「どちらにしても、ここにいる人間は保護しなくてはならない。才能がなかったら御貴族様にでも押し付ければいいさ」
そう言って、目を閉じるとブツブツいい始め一分くらいたつ頃には光に包まれていた。その約10秒後。私たちは高い壁に囲まれたグラウンドのような場所にいた。
「ここはどこですか?」
「ここかぁ、ここはな、王城の騎士の訓練施設だ。
ところで、お前らの名前はなんだ?」
「すず」
「ゆうです」
「苗字は…ないか。
じゃあすずとゆうの能力値を見に行こう」
「わかった」
移動してきた位置から歩くこと五分ほど
意外と質素な廊下を歩くと1つの部屋の前についた。
どんどんどんどん
隊長と呼ばれていて自分たちに話しかけてきた人がそのドアを壊さんばかりの勢いで叩き始めた。そうすると女性の声で
「うるさいなぁ!準備はできているよ!」
「失礼します」
隊長と呼ばれていた人について部屋にはいると沢山の本がつまれ、部屋の中心にはガラスの玉のようなものがおかれていた。
「さぁ、君たち手をこの魔法ガラスの上に!」
「すうちゃん、どっちからやる?」
「じゃあ先にやってもいい?」
「わかった!気を付けてね!」
「気を付けようがないよ?」
「言葉の綾」
「わかっとる」
「お前ら!そこでこそこそ話していないで早くやらないか!」
「短期は損気」
そう呟くと隊長(仮)からチョップが降ってきたので避ける。
見よ!自分の華麗なバックジャンピングを!
そして歩いてガラス玉に近づき、手をぴとっとくっつける。
ガラス玉の上に出てきたのは文字。
佐藤鈴 生産職LV 1
魔力 多い
体力 少ない
生命力 簡単には死なない
スキル 材料探しLV 1 避けるLV 1new
属性 炎 緑 土
スキルポイント 1000
属性ポイント 100
「生産職か、しかし避けるというスキルがあるということは訓練に出れそうだな
次」
大熊優 剣士LV 1
魔力 多い
体力 かなり多い
生命力 普通
スキル 剣術LV1
属性 光 風
スキルポイント 1000
属性ポイント 100
「剣士か!これはいい拾い物をしたじゃないか」
「じゃあ部屋に案内するぞ明日は六時からだからな」
「わかりました。ご飯はどうしたらいいですか?」
「あー、とりあえず金やるから買ってこい」
「道がわからない」
「一人新米つけるからよ
財布ってわかるか?まぁ知らなくてもしょうがないんだが」
「財布持ってるよ。けど知らない種類の金が入ってた」
「だせ、見せてみろ」
「ん」
そういって出したのは革の財布。アニメグッズを池袋で買うためにお金を一杯持ってきたんだ。
その額なんと20000円!自分にとっては大金だ。
「…なんでこんなガキが大金持ってるのかは聞かないでおいてやる
だが、大切にしまっておけ」
そう言うとさっき来た道を引き返し始めた。
「ゆうちゃんお腹すいたね」
「すうちゃん何が食べたい?」
「鶏肉が食べたい!ゆうちゃんは?」
「パンが食べたいかなぁ」
「なんか言ってないではやくついてこい。」
「わかりました」
「はーい」
そして五分かけてたどり着いたのはさっきのグラウンド。
「マスカル!こいつらに飯を食わして来い。ついでにギルドに登録させてきてくれ」
「わかりました!団長‼」
「金はこの中から使え」
「はい‼」
そう言ってでてきたのは15歳くらいの少年。
「俺の名前はマスカル・チェダー!よろしくな!お前たちは俺の初めての後輩だ!」
「よろしくお願いします。マスカル先輩」
「よろしくお願いします。マスカルポーネ先輩」
「初っぱなから名前間違えるなよ…」
あ、言ってしまった。マスカル・チェダーってもろチーズの名前だったから。マスカルポーネにチェダーチーズ!
「気をとりなおして買い物に行くか!っとその前にギルドに登録だったな
冒険者でいいか?」
「はい、私はそれでいいです」
「自分もそれで」
「歩きながらはなそうか
ジョブは何だった?」
「生産者」
「剣士です」
「そっかー俺も剣士だよ」
「そうですか、どうでもいいですね」
「敬語じゃないほうおれにたいして厳しくね?」
「鈴、名前」
「気のせいですよ
あと、鈴って名前です」