第71話 決戦直前
ちょっとスランプに陥ってて、更新遅れました。
すみません……
『確認って……まずどうすればいい?』
『そうだな……とりあえず、地上に出てきてもらえるか?』
アルテミスにそう指示されたので、俺は空間転移を用い、2匹とともに地上まで戻った。
ちなみにここ2か月の特訓の成果あってか、俺はたった1回の転移で、一気に297階層から地上まで戻れるようになっている。
地上に出ると……そこは月以外まともに明かりがない真夜中だった。
移動したぞと返事すると、アルテミスが次の指示を飛ばしてきた。
『じゃあ次は……どこか他人の迷惑にならないところに移動してからでいいから、魔法で人工太陽を打ち上げてくれ』
人工太陽、か。
ここは王都のはずれで、人もたくさん住んでるし……起こしてしまってもいけないから、ちょっと移動してから打ち上げるとするか。
俺はしばらく筋斗雲で移動し、人のいない場所まで来ると……コーカサスに頼んで、人工太陽を打ち上げてもらった。
『できたぞ』
『なるほど、そこか。そしたら……そこから西に経度8.4度、南に緯度8.2度移動した辺りを、千里眼で見てみてくれないか』
どうやら、アルテミスが俺に人工太陽を打ち上げるよう頼んだのは、アルテミスが見て欲しい場所を座標指定するためのようだった。
月から見たこの惑星の様子を思い浮かべつつ、アルテミスが指示した辺りを千里眼で観察する。
感覚的な探り方だったので、それらしいものを見つけるのには少し時間がかかったが……しばらくして、俺は1匹の巨大なドラゴンが羽ばたこうとしているのを見つけることができた。
『あのドラゴンか?』
とはいえ、俺が見つけたものが全くの見当違いである可能性も否めないので、一応アルテミスに確認をとってはみる。
すると……
『ああ、そうだ。あれだが……前麒麟が言っていた、朱雀とかいう奴が絡んでいるような気はしないか?』
アルテミスは、そんな意見を持っていた。
『朱雀、か……。可能性はなくはない。ありがとう、アルテミス』
俺はそう感謝を伝え、そのドラゴンをもう少し注意深く観察してみることにした。
朱雀、事を起こすまでは徹底して秘密裏に行動する奴だからな。
ほとんどの場合、対応できるのは朱雀が実際に何らかの被害を巻き起こしてからになってしまう。
だが今回は、アルテミスのお陰で、そうならずに済むかもしれない。
折角の機会、無駄にしないようにしなければ。
俺は千里眼でドラゴンを観察しつつも……同時並行で、筋斗雲での移動も始めることにした。
◇
「麒麟よ、我の前に姿を現し……互いに益となる取引を為さん」
千里眼での観察を続けるうちに、いくつか分かって来たこと、そして疑問点が出てきたので、俺は麒麟にそれを聞いてみることにした。
麒麟が姿を表すと……俺は定型文を聞くより先に、麒麟に問いかけた。
『麒麟。実は今、もしかしたら朱雀の居場所が判明したんじゃないかって状況が、掴めているんだが……それについて、ちょっと聞きたいことがあるんだ。答えてもらえないか?』
『おお、遂に朱雀を! 楽しみにしておったぞ、何なりと聞いておくれ』
『俺が見つけたのは、朱雀の手下だと思われるドラゴンなんだが……どういうわけか、その周囲をどれだけ探しても、朱雀の姿が見当たらないんだ。ちょっと、一緒に見てみてくれないか?』
もともと俺は、朱雀の配下と対峙する際には、そいつをこてんぱんにしてギリギリ逃げ帰らせることで朱雀の居場所を突き止める予定だった。
ちょうど、ヘルクレスをザクエルの元へ帰らせた時のようにな。
だが朱雀の配下を拠点にいる間に突き止められたなら、その手間が省ける。
そして朱雀本体の戦闘能力は大したことがないので、討伐の労力も大幅に減る。
そう思い、俺は例のドラゴンの近辺を隈なく探した。
ドラゴンが何かを襲撃中でも移動中でもないということは、朱雀の拠点近くに待機しているということのはずだからな。
しかし……俺の考えとは裏腹に、朱雀らしき姿は、どんなに探っても見当たらなかった。
そこで俺は、麒麟に助けを求めることにしたのだ。
まあそもそもドラゴンが朱雀と無関係に発生していたなら、何もかもが白紙に戻ってしまうわけだが。
そんなことを考えつつ、アルテミスから教わったように麒麟に座標を教えると……麒麟は目を白黒させつつ、こんなことを伝えてきた。
『ま……まさか、あれはアーマードドラゴン……!』
『アーマードドラゴン? それがどうかしたか?』
ぶっちゃけ、朱雀の配下の魔物がどんな種類かなんてどうでもいいのだが。
そう思っていると……麒麟は、予想の斜め上のことを口走った。
『アーマードドラゴン……。朱雀の奴、ドラゴンを
僕の別作品「俺のスライムから放たれる攻撃魔法は威力がおかしいらしい 〜え、今倒したの人類滅亡クラスの災厄だったんすか?〜」ですが、なんと!
本日、あの有名ゲーム実況者もこうさんから、動画にてご紹介頂いておりました!!!!
(厳密には短編版の方をですが)
本作が好きな方なら確実に楽しめる内容のはずなので、まだ読んでないという方は、下に貼ってあるリンクから読みにきてくださればと思います(⌒,_ゝ⌒)