43.李牧の覚悟
_:(´ཀ`」 ∠):昨日道歩いたら急に倒れて病院に運ばれました。医師からは休憩不足かな?って言われたので、三日間ゆっくり休みたいと思います。申し訳ありませんでしたm(._.)m
10月7日
この屋敷内には荻もいた。
廉頗将軍の門客が隣の部屋の門を開けたら、怯えるウサギのように寝台に座っている荻が見えた。
荻が趙括を見た瞬間、趙括の方に走って、ほとんど趙括を抱きしめるように、泣きながら、
「子君!!やっと来たのですか!廉頗将軍は理不尽すぎます!」
それを見た趙括は仕方なく、
「はあ~、廉頗将軍は長平を守るために一番必要なのが兵士たちの支持なのに、どうして将軍を貶すのですか?」
「貶してません!私はただ兵士たちに、あなた様が将軍になれば、きっと彼より優れると言っただけです。」
趙括は首を横に振りながら、
「私に何の能力があって、百戦錬磨の将軍に勝るというのですか?」
趙括は荻を部屋から連れ出し、
「私はこれから廉頗将軍と軍事を語るつもりだから、あなたは司馬尚の場所に行けばよいと思います。確か...城門の守備だから、東の城門に行けば、彼を見つけれるはずです。」
荻は涙を拭きながら、
「子君、彼は西の城門です。今から彼を探しに行って、後に戻ってきます。」
荻を屋敷の外に送った後に、趙括は部屋に戻った。廉頗将軍と李牧が座りながら何かを話しているようで、趙括も割り込んで、
「将軍、私が今回送ってきた食料はどれくらい持ちますか?」
廉頗は眉をひそめて、
「四十二万石の栗米と、まだ送られてきていない家畜を足したら...節約しながらであれば、一年は持つだろう。」
趙括は少し考えて、
「今の趙国の国境内では若者がほとんどおらず、まったく人気のない城もあります。このままでは例え戦争が終わっても、百姓たちは耐えられません。何とか早く戦争を終わらさなければなりません。」
廉頗はため息をして、立ち上がり、壁に貼っている地図の方に向かった、
「今、俺は丹水一帯にいて、秦がここに駐屯している...ほら、この周りは山だらけで、いくつかの小道しかそこに入れない。彼らは高い位置にいるため、強行はむりだ。たとえ行けたとしても、その代価は釣りに合わん。」
廉頗が今の局面を語って、趙括は真剣に聞いている。
廉頗は続けて、
「早く戦争を終わらすのは極めて困難なことだ。俺たちは今有利な地形で何とか敵の進軍を阻止しているが、地理的利点を捨てて、自ら攻めるのであれば、被害が甚大だけでなく、各地を駐屯する兵士すら少なくなる。」
「そうなれば、次に敵が俺たちの後方に回り、輸送路線を遮ったら、数十万の兵士の食料がなくなり、負け確定だ!」
趙括が忽然口を開いて、
「しかし、このまま防衛したら、食料が尽き、趙国の畑に雑草が生えてきたら、同じく負け確定...ですよね?」
廉頗は眉をひそめて、何も言わなかった。
趙括は真剣な顔をして、
「戦争を終わらせるのは、戦争だけではありません。もし各国を説得して、連合軍を組み、秦国を討伐しようとすれば、秦軍も必ず撤退します。」
廉頗は首を横に振りながら、
「無駄だ。各国は秦と趙が戦って、共倒れしてから利益を獲得しようと考えている。趙国が亡ぶ寸前でなければ、助けてくれないだろう。」
「試してみなければ分からないです!」
「試しても無駄だ。」
趙括は立ち上がり、
「どれほど小さな希望であっても、私は行きます!数百万人の趙人が私を待っている。私は諦めません!永遠に!」
「ならばどうするのだ?」
趙括は決心を決めて、
「私はこれから上君に会いに行きます。平原君を各国に遣わして、援助を求めさせます。もし趙国に援助をもたらせる人がいれば、それはきっと平原君です。私は邯鄲にいる貴族たちを動員して、彼達の門客と留守をしている老人や子供を率いて、畑を耕します。」
「そして、范雎と白起は仲が悪いと聞いたことがあります。何とか仲間割れできないか試してみます。」
廉頗は首を横に振って、何も言わなかった。
上君が趙王になった最初の頃は、まだ平原君と仲が良かった。
平原君は秦国に囚われたことがある。秦王は平原君のとある門客を差し出さなければ、平原君を殺してから、趙国と開戦すると言った。
それを聞いた趙王はすぐにその門客を秦国に渡した。この事件以来、平原君と趙王の関係はますます悪くなり、趙王に外出まで禁止された。名義上では平原君がもう一度と捕まえられるのを防ぐためだと言う。
しかし、これらの事は趙括に話しにくいので、廉頗はため息をついてから、
「ならば成功することを願おう。やはり邯鄲に戻るのか?」
「これらの事が済んだら、私は剣を持って、ここに戻ってきます。その時は私に一人の兵士として、ここで戦死するまで戦わせてください。」
それを言った趙括はまた李牧の方を見て、
「あなたは命がけで秦軍と戦わないでください。あなたは趙国の未来の長城です。あなたが生きていればこそ、私たちはここで安心して戦死できるのです。」
李牧は微笑みながら、首を横に振り、
「大兄、もしあなたが軍を率いて突撃すれば、私は自らあなたの馬車を操り、敵を殺します。」
「もしあなたが秦軍を倒し、勝利した時は、私は自ら白起の首をはねて、あなたの功績を皆に伝えます。」
「もしあなたが戦死するのであれば、私は必ずあなたより先に死にます。」
「もしあなたのような人と一緒に戦場で戦死することができるならば、これは私の最大の光栄であり、一番の帰り場です。」