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本日8話目
バストールで戦乱の気配あり。
そんな一報が来たのは、婚約破棄と冤罪解消からの第二王子の継承権剥奪騒動の、数日後。
マスクルご当主他、マスクル系ゆかりの方々に、ご協力感謝の昼食会をしていたときだった。
バストールが破れかぶれで国に反旗を翻したのかと思いきや。
バストール領内で、騎馬民族による反乱が起きたという。
ミンティア嬢の件でボルド伯爵領へ行ったときのことを、思い出した。
バストールも精霊神殿も信用できない、排除しなければならないと、地元の人たちが主張して、精霊神殿を取り囲んでいた。
騎馬民族を利用するだけ利用している、その支配下から逃れなければいけないと。
彼らは今も、マスクルにもろとも攻撃されると、思っているのだろうか。
それでバストール配下から逃れようと、バストール排除に走ったのか。
情報が来たという大人の話に耳を傾けるうちに、さらに続報が来た。
バストール領内の騎馬民族が、この国からの独立を宣言したという。
「おや、さじ加減を間違えましたかな」
そんなサーディス侯爵の軽やかな声に、場の視線が向いた。
「なんだ、サーディスが動いておったのか」
「バストールには以前から苛立っておりましたが、今回の騒動で、本格的にいらないと思いましてね」
「なるほど。狙ったのはバストール排除だけか?」
「さようで。バストールと、それに紐付く精霊神殿の排除ですな」
平然と大人たちが会話している。
お父様もそういうものだという顔をしている。
は?
「国からの独立までは狙っていなかったのですが、まあ、別に良いでしょう」
「どちらにせよ、公爵家としてのバストールはもうおしまいだろうからな」
「おやおや、武力行使でさあ行くかと張り切っておりましたのに、機会がなくなるとはねえ」
口では戦争やるぜと話す大人がいるが、戦闘民族とはいえマスクルは基本、戦争がやりたいわけではない。
なぜなら人間相手は、手応えがないからだ。
熱い戦いを求める彼らは、特殊魔獣などの討伐の方が大好きだ。
辺境伯領の大人たちは、人間相手は面倒くさくて嫌だったと、戦争を振り返って、ぼやいていた。
ただしバストール相手には、奴らがでかい顔をしている方が面倒くさい。
もうやっちゃうか?
そういう空気感があった。
バストール領内の反乱の内容が聞こえてくる。
バストール配下の侯爵家であり、元騎馬民族の家が、全域の当主になることを宣言しているそうだ。
つまり海洋国家セザールから来た一族を廃して、元々その土地にいた騎馬民族だけで、その地域を治めるという。
このままでは、エルランデや王家と良好な関係にあるマスクルが、バストールを叩き潰しに来る。
騎馬民族も巻き添えにして、バストールは滅びの道を選びつつある。
そんな危機感の結果、各地の元騎馬民族の当主たちが、主家のバストール公爵家を排する動きを見せたのが、今回の反乱の概要だとか。
「火種は、蒔いてやればいいのですよ」
軽やかな笑顔でサーディス侯爵がさらりと言った。
え、サーディス侯爵、怖っわ!
軽やかな笑顔がむしろ怖い!
え、そっち系の怖さなの?
物理とか魔法の火力とかではなくて?
え、陰謀系の怖さなの?
サーディス侯爵家は、代々当主の性質から、マスクルのご意見番と聞いていた。
そして一番怒らせてはならない方々だと。
今回の件で、情報収集能力がすごいんだなと、認識を改めていたけれど。
勝手に肉体系じゃないなら、魔法特化の家だと思っていた。
でも以前、戦い方が独特だと耳にしたこともある。
子供の私にはよくわからなかったけれど。
私の魔法特化型は、母方の血によるものだと言われた。
でも母はマスクル本家の血も引いていて、私の魔法特化型に、マスクルの血が強いのねと、言っていた。
つまり魔法特化は、サーディスでは、ない?
そういえば、子供視点なりに、お父様はお母様の尻に敷かれている感はあった。
お父様は普段が穏やかだし、お母様のことが大好きだった。
夫婦仲が良かったので、そういうものかと思っていたけれど。
お母様は、サーディス侯爵の従妹だったと聞く。
体が弱いお母様に、お父様の側近連中が気をつかっているふうにも見えていたが。
体が弱いからだけでは、なかったかも知れない。
いつも朗らかだったけれど、さらっと母の要求が通っていたのは。
あー、そっち系だったかー。
まあそれはそうだよね。
そういう系の頭脳派もいなければ、いくら戦闘民族でも長く国家は続かない。
ご意見番って、つまりそういうことですか。
そりゃあマスクル系は勝てないわ。
だって脳筋と相性最悪じゃあないですか。
そりゃあ一番怖いタイプだわ。
あー。ねー。
大人たちの話に聞き耳を立てていると、セレイアお姉様が補足してくれた。
ナギラの蒲焼きおにぎり茶漬けを、優雅に食べながら。
どうやらサーディス侯爵は、あのご招待で冤罪を知ってすぐに、情報集めに動いてくださったらしい。
そして状況を把握するやいなや、動き始めたという。
つまり、私たちがボルド伯爵領で目にした状況は、既にサーディス侯爵の仕掛けたことが影響していたためなのだとか。
しかも交流会でサーディス侯爵が陛下に渡した資料は、今回のバストール領内での裏工作の、オマケ資料だったのだとか。
え、オマケで王妃が離縁されちゃったの?
さらに、レオルド様とロイド様も補足をしてくれた。
山盛りの唐揚げとフライドポテト、豚カツを、優雅に食べながら。
サーディスはマスクルのご意見番として、マスクルの外に何かをするときは、必ず主家の許可がいるという。
そして今回、マスクル公爵家が「やっちまえ」状態になっていた。
今のマスクル公爵家の奥方は、ライル殿下の母である前王妃の、従妹だった。
ロイド様がライル殿下の側近になり。
私の贈り人情報が家族の口論の場でもたらされた。
その場にはご当主とレオルド様以外に、奥方様もいらした。
贈り人情報の中に、ライル殿下が毒を盛られたという、私と出会ったときの経緯が説明された。
奥方様は、従姉の息子であるライル殿下を、とても心配していた。
ロイド様から、ライル殿下はバストールに命を狙われていると聞かされ、とても悲しんだ。
さて、マスクルの戦闘民族は、一途だ。
つまりマスクル公爵家のご当主も、愛妻家だ。
なのでライル殿下を心配し、悲しむ奥様に、非常に気を揉んでいた。
妻を嘆かせるバストールの連中に対して「やっちまえ」になっていたのは、当然の流れだった。
そこに、ご意見番サーディスから、バストールやっちまっていい? という許可を求める声。
すぐさま許可を出した。やっちまえ、と。
その昔、このあたりは平和なものだったという。
戦闘民族マスクルは、自分の領域以外には、さほど興味がないので、侵略などはしなかった。
なぜなら騎馬民族の領域は、馬が生存できるほど魔獣被害が少ない。
つまり熱い戦いは期待できない地域。
エルランデも同じ、農耕民族として平和な土地だ。
戦いを求めるマスクルには、まったく魅力がない土地だった。
エルランデは穏やかな農耕民族で、そちらも自分の領域で完結していた。
騎馬民族は、大自然の中で脅かされることもなく、自分たちの領域である山の周辺で暮らしていた。
エルランデはマスクルの性質を早々に理解し、ときにマスクルの武力を借りた。
マスクルも、エルランデの農作物は魅力的で、魔獣素材などと取引をしていた。
マスクル視点では、エルランデはかなり好感が持てる相手だった。
魔獣素材と引き換えに、食料を供給してくれる。
ときに武力に頼られるが、褒め称えられて悪い気はしない。
実のところ、その頃からエルランデとは、民族的に相性が良かった。
嫁いだり嫁がれたりして、親戚関係も多かった。
穏やかな気性で、非常に付き合いやすい相手なのだ。
騎馬民族も、不快な存在でもない。ときに乳製品なんかも取引をする。
彼らはそれぞれの領域で、ほぼそれぞれで完結していた。
侵略戦争なども起きず、平和なものだった。
なんせ、マスクルにその気が皆無だったので。
おかしくなったのは、バストールが騎馬民族を従えてから。
エルランデの土地を狙うのに、マスクルは苛立った。
両者を攻める構えをとったのは、当時のマスクル王が、ムシャクシャしてのこと。
だがエルランデを踏み荒らすつもりはなかったので、構えだけだった。
エルランデは恐らく、それを理解していた。
そして今の王家がするすると、取りまとめをして。
マスクルはそのままで良いという結論だったので、納得した。
王に税を納めることになったが、いろんな面倒を引き受けてくれるらしいというので、納得した。
これちょっとダメじゃね? と、突っ込んでくれる人がマスクルには必要だった。
マスクル本家や、ご意見番のサーディスだけがそれをするのは、疲れるのだ。
国として管理し、ときとして梃子入れをしてくれる。
つまり、マスクルにとっての煩わしいことを、引き受けてくれる存在。
実に素晴らしい提案だと、賛成した。
だがその国を、バストールが引っかき回すのは、苛立つのだ。
建国から何度かそういうことがあったものの、基本はマスクルが暴れる前に、国がどうにかしていた。
だが今回は、もういいだろう。
もうバストール、いらんだろう。
マスクルご当主とサーディス侯爵の中で、今回そうした結論になったそうだ。
怖っっわ!
サーディス怖っっっわ!
「それにしても、お父様の手の内までは、まだまだ読めませんわ」
セレイアお姉様がため息をついた。
もしや、お姉様はあれを目指しておられるのでしょうか。
セレイアお姉様がサーディスの後継者になりそうだということは、つまり。
ご意見番な陰謀系路線を、引き継がれるということか。
なんとなく似合うけど! 頼もしいけども!
「バストール領内でお父様が何をなさったのかは、なんとなく把握しているのよ。でもあちらは、何をどうなさってああなったのか、さっぱりなのよ」
「あちら?」
「お父様が何をどう仕込んで、海洋国家セザールのクーデターにつながったのかが、わかりませんの」
「は?」
セザールの、クーデター、とな?
「あら、まだ情報は入っていらっしゃいませんでした? セザールはクーデターにより、王家がなくなりましたわ。そして王家と繋がっていた精霊神殿も、排除されましたわ」
お姉様が仰るには、こちらの国の動きより、セザールのクーデターの方が早かったらしい。
交流会の前どころか、冤罪モチーフのあの舞台公演あたりで、起きた出来事だったらしい。
「まだまだ、お父様には学ぶことが多いわ」
何をどうしてそうなったのかが、お姉様にもわからないそうだ。
マジかー。
本当に、サーディスこっわ!
さておき、先日のあの騒動から、レオルド様とフリーディアちゃんの婚約は、見事に成立しました。
主家ではフリーディアちゃんのことを、レオルド様の嫁として歓迎ムードだ。
バストール情報のあとは、その話題で持ちきりだ。
お祝いのための日本酒で乾杯が、何度もなされている。
日本酒製造は、昨日またまた頑張りました。
私もその話題には、ニッコニコですよ。
フリーディアちゃんが主家の奥方様に、とうとう!
レオルド様も堂々と彼女をエスコートできるようになったので、デートの計画を立てておられるらしい。
フリーディアちゃんの好みをリサーチされ、お茶会で耳にしたことを私も話す。
協力いたしますとも!
このまま是非とも、円満に結婚まで行って欲しいので!
和やかな空気になっていたところで、サーディス侯爵が従者から受け取った情報で、険しい顔になられた。
ちなみにサーディス侯爵が、リアルタイムにバストールの動きを従者の方から聞き取っているのは、小規模転移の魔道具のおかげらしい。
その魔道具で、現地と手紙のやりとりをなさっているのだとか。
今手にされた情報によると、現地で山火事が起きたらしい。
精霊神殿の神官たちが火を放ち、逃げたという。
まさか精霊の怒りだとか言っていた、あれを実行したのか、奴らは。
「水魔法で消すにも、火の勢いが広範囲になってしまっているようですな」
サーディス侯爵が難しい顔をされている。
水魔法は、水があとには残らないけれど、火を消すという現象は起こせる。
火魔法での攻撃で、焼き尽くしたり火傷をするのと同じだ。
だが広範囲の山火事の消火には、とてつもない魔力が必要になる。
「レオルド様、アリスティナ嬢、よろしいかな」
しばらく考え込まれていたサーディス侯爵が、私とレオルド様を呼んだ。
なんだか嫌な予感がする。
そして、皆様と少し離れた場所で内緒話の体勢になったところで。
「水の精霊に、頼めませんかな」
やっぱり把握されていた!
いや、もうここまで来ると、驚きませんけどね。
サーディス侯爵の配下が、現地で動いていたという話を聞いてから、なんとなく、そんな気はしていたけれども。
目を逸らしてみても、にこやかに私の返事を待たれる。
「アリスティナ嬢、ここは私からも頼みたい。水の精霊は呼び出せないのか?」
「いえ…」
「何か事情があるのだろうか」
レオルド様がたたみかけてくる。
理由か。理由な。
ただ単に、魚の子な歌を、人前で歌うのが恥ずかしいんだよ!
あの歌についてた注釈は「元気よく歌うのがポイントだよ」ときたもんだ。
「精霊を呼ぶのは、贈り人の知識なのでしょう」
さらにサーディス侯爵は、こちらの事情を見透かしていた。
怖い。なんだかすべてを知られていそうだ。
「そうなのですが。その…異世界の記憶で、歌と映像が結びついておりまして、その歌が必要なのです」
「ほうほう、特定の知識を持つ贈り人が、記憶を呼び覚ます歌を歌うことで、精霊を呼べるのですな」
もう本当に怖い。
一を聞いて十を知るという言葉があるけど、少しの説明で何もかも見透かされるのが、非常に怖い。
「その…水の精霊の歌は、人前で歌うには恥ずかしいのです」
「恥ずかしい? だが我々には何を歌っているのかわからなかったのだから、恥ずかしいも何もないのではないか?」
「でも雰囲気は伝わるでしょう。きれいな歌とか、元気な歌とか」
「まあ、そうだな」
「水の精霊の歌は…子供の、無邪気さが、必要な歌で…」
ふむふむと、サーディス侯爵がにこやかに頷く。
「では、人を寄せ付けない状態を作れば、可能でしょうかな」
言われて少し考えて、まあ、できるけど、と思う。
人目を気にしなければ、歌は覚えている。
あの歌は、かなり耳に残る歌だった。
そして言われてみれば確かに、水の精霊の方が、広範囲の山火事は消せるだろう。
あのとき精霊を呼ぶのに、それほど魔力は必要なかった。
お酒を造るときの方が大変だった。
そして少し魔力を振りまけば、彼らは張り切って働いてくれそうな感覚があった。
私ができそうだという雰囲気を出してすぐ、サーディス侯爵は立ち上がった。
「なにぶん急がねばなりません。家庭教師の方にも、ご協力を頂きたい」
やはり、それもご存じなのですね。
やだもう怖い!
お父様に、以前行ったバストールの領域に行く許可を取る。
サーディス侯爵の口添えもあり、今回もゴルダさんとマイラを傍から離さないようにという条件で、許可が出た。
そこからゴルダさんに連絡をとり、お呼び立てをすると。
なぜかすぐに来てくれた。
「そんな気がしていたからな。大きな仕事は入れていないぞ」
なんとゴルダさんは、精霊を呼び出した冒険者ティナについて、まだトラブルが起きると考えていたそうだ。
バストールの一件がきれいに片付くまでは、何が起きるかわからないと、備えていてくれたらしい。
さすが、冒険者な私のお父さん!
こちらは読まれていても、怖くないやつだった。
マーベルン先生の転移魔法で現地へ向かうと。
目の前の山が、煙でいっぱいになっていた。
前回最初に行った街のすぐそばが、山火事の現場だったのだ。
今回は私とマイラ、ゴルダさんの他。
なんとサーディス侯爵ご本人と、その従者の方が一緒だ。
既にサーディス配下の方が馬を連れて待っており、煙に巻かれないように風上から現場へ向かう。
「ではタイミングだけを合わせて、水の精霊に火事を消して頂けますかな?」
サーディス侯爵の指示に、私が首を傾げれば、彼は説明してくれた。
精霊を呼べる使徒役を、用意しているのだと。
前回私が勢いでやらかしたことのフォローも、今回してしまおうという話になっているそうだ。いつの間に!
前回の使徒の話は噂になっていたので、私個人につながらないような工作と、精霊神殿への信仰心を削ぐパフォーマンスを、両方してしまおうとなったらしい。
街中で、あちらは既に精霊で火を消し止めると宣言をしており、今から精霊を呼ぶとパフォーマンスしているそうな。
魔法の光で合図がされると打ち合わせたあと、私はゴルダさんとマイラと、現地に立つ。
もうゴルダさんとマイラには、聞かれても仕方がないとは思っている。
二人ともたぶん、馬鹿にはしないだろうから。
少し呆れられるかも知れないけれど。
そして合図の光が来たので。
恥を捨て、あの海のアニメを思い起こしながら、魚の子な曲を歌い始めた。
集中して歌ううちに、ポコポコと泡のような音がした。
歌い切って目を開けたら、あぶくみたいなものが宙に浮いていた。
水の精霊なのだろうか、光を反射してきれいだ。
それらに魔力を撒いて、広範囲に水をと望む。
ポコポコと微かな音で返事をすると、それらは山の上空に広がって。
広範囲にさらさらと雨を降らせた。
おおお、すごいな精霊。さすが精霊。
魔力を空中に撒くと、さらに雨が強くなり、火や煙がおさまってくるのがわかる。
やがてサーディス侯爵が馬で来られて、満面の笑みを浮かべていた。
「今しばらく雨は必要そうですが、かなり火は弱まってきておりますな。助かりました、アリスティナ嬢」
もうひとつの替え玉作戦パフォーマンスも、うまくいっているらしい。
私とは別の、かなり年配の女性が、マスクル所縁の冒険者として、それらしく振る舞っているそうだ。
そのパフォーマンスで、使徒が私だと知られる問題と、精霊神殿の正当性をなくす問題を、一気に解決できると、満足そうに頷かれた。
私の方は、なんだか魂を抜かれた感じになっていた。
その後バストールは、騎馬民族の侯爵様が本当に総領の公爵となり。
その名をとって、ザレス公爵領となった。
精霊神殿の神官たちは、ことごとくこの国を追われた。
バストール領域は、騎馬民族の支配下に置かれたのだ。
騒乱と、王城での話し合い。
その結果、独立よりは、この国に属していた方が都合が良いことが多いと判明し、独立の話は立ち消えた。
バストール公爵の降爵と、ザレス公爵の陞爵まで、わずか三ヶ月。
なんという下克上物語かと、サーディス侯爵の手腕が怖かった一件でした。