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「そんなにベタベタするなっ!」
「まぁまぁ、婚約したんだから良いじゃない」
「しかし正式にはまだだっ!!父上や母上にもレイの事を話していないのに!!」
「だから今から行くんでしょう?」
「分かっている!!だがな」
「そんなにカリカリしていると禿げるぞ?お兄さま?」
「…っ!!お前に兄と呼ばれる筋合いは」
「あるよね?だってそうなるもん」
王宮のあの東屋。
私は本日も賑やかな会話を繰り広げられる三人を幸せな気持ちで眺めていました。
ここへ来て様々な人に出会いました。
少し前までの自分では考えられない程の出来事がありました。
良い事も…悪い事も沢山あったけど、私はこうして“私”としてここに居ます。
これからも色々な事があるのでしょう。
なんせ私は死んだ事になっているし、自分でも良く分からない程大きな力も手に入れてしまったのですから。
それに落ち着いたらアレクセイ様のお母様であるアマーリエ様の治癒も行いたいと思っています。
「どうした?」
黄金色の瞳が私を覗き込みます。
温かく優しいその瞳は私が大好きになった色。
「いいえ。何もありません」
にっこり微笑むと、私の頬に手を当てられます。
「そうか」
小さく微笑む大切な人に、私は胸の奥が騒つくのを感じました。
あぁ…私はやはり貴方の事が
「俺も愛しているよ」
耳元で囁く声には愛情が満ちているのが分かります。
「コラッ!!だからイチャつくなと言っている!!」
真っ赤になった私をアレクセイ様から引き剥がし、アル兄様が怒鳴られます。
「…チッ、邪魔しやがって」
「ほんと、アレクは大変だよね」
「先が思いやられる……しかし手放す気はない」
「はははっ、一番大変なのはレイかもね〜」
呑気に笑うリューク様に真っ赤な顔で怒るアル兄様。そして優しく微笑むアレクセイ様…。
私は今、とても幸せです。
ここまでお付き合い下さり本当にありがとうございました!!拙い文章なのにお気に入り登録をして頂き、とてもとても!嬉しかったです!!ここで一度完結として、また番外編を書けたらな〜と思っています。
本当にありがとうございました(o^^o)