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103.戦闘による代償



「!?」


 とりあえず痛みを我慢して立ち上がったけどかなりやばいかもと思った。


「?レーナちゃん、どうしたの?すごい汗だよ?」


 と言われて顔を軽く拭うと汗を掻いていた。


「それは、今オークを倒したからだよ」


 ユアには、そんなことを言いながら近くにある木の根元まで何とかいき腰を掛ける。歩く度に左足首辺りから激しい痛みに襲われたけど何とか木の根元まで移動した。それにしても、戦闘中は、痛みをほとんど感じていなかったけど戦闘中にアドレナリン?だったかな?それが出ていて痛みを感じていなかったのかな?もしそうだとしたらこの痛みがオークの戦闘中になくてよかったと思った。こんな状態じゃあまともに動けなかったかもしれないから……。


 そんなことを思いながらブーツを脱いだのだが。とにかく痛い!そんなことを思いながらブーツから足を出すと靴下が真っ赤に染まり血が滴っていた。


「よく動けていたなぁ、私……」

「れ、レーナちゃん!!」


 そう言ってユアがあたふたとしていたが何とか落ち着かせて自分の治療を始める。まず靴下を脱いでどうなっているのか確認したのだが……。


(うん、骨が見えている)


 というかよくこんな状態で動けていたなぁ。と自分でもびっくりしていたが私の様子を見ていてユアの顔色がどんどん悪くなっているので水で綺麗に洗って骨の位置を戻してから止血をして骨の修復を行った。自分で治療をしていて思ったけど思っていたよりも魔力の消費が少ない?と思った。どれくらい少ないかというと一番少ない魔力で治療したユアの時と比べて半分ぐらいだと思う。どうしてそこまで少なくなったのかわからないけどとりあえず今は、ありがたかった。


「とりあえずこれで処置は、終わったかな?」

「本当に?もう大丈夫なの?」

「うん。まぁ、ユアの怪我よりは、全然酷くなかったからね?」

「え?……私の怪我は、さっきのレーナちゃんの怪我よりも酷かったの?」


 とそんなことを聞いて来た。そういえばユアが目を覚ましていないときに治療をしたからユアは、怪我した時の状態を知らないのだと思った。


「そうだけど、聞きたいの?」

「え……「ゴクリ」う、うん」


 ユアは、悩みながらも決意したようで頷いたので教えようと思ったけど念の為もう一度確認をしておく。


「本当にいいの?気分が悪くなる可能性もあるけど……」

「だ、大丈夫……多分」


 ユアは、そう言ったので教えることにした。ユアの右肩がオークの拳位の大きさで陥没していたこと、右手は、かなりの骨が飛び出してたくさんの血を流していたことを。


「ほ、本当なの?」

「うん。だからユアの怪我を見たとき結構焦ったわよ」

「そ、そうなんだ……レーナちゃんのおかげで私生きているんだね。ありがとう」

「お礼は、もういいから」


 とそんなことを言いながら私は血で汚れていた物を洗い始めようとしたときユアがやると言ったけどほとんど私の魔法でやっているからと断ったらすこし落ち込んでいた。ユアには、悪いけど自分でやった方が早いからね?そんなことを思いながらまずは、ブーツをひっくり返すと思っていたよりも血が出て少しびっくりしながらも靴下とローブも一緒に水で洗った。

 その時に早く乾かす方法があるといいなぁ。と思って水魔法で水分を取り除くように頑張っていたら上手く行ってそのまますぐに履くことができた。まぁ、その代わり初めて使った魔法なので魔力の消費が激しかったけど……。



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