87.現状確認?
「私が彼等と一緒に活動したときにメンデスが魔法を使って倒れたときにエレナさんに聞いたらそんなことを教えてくれたの」
へ~、それにしてもメンデスって子は、魔法が使えるのかと少しだけ驚いた。メンデスってたしかあれでしょ?ユアを縛ったくせに自分でほどけなくて焦っていた…。あんなに不器用そうだったのに魔法が使えるのか…。まぁ、上手く使えているかは、置いておいて…。
「でも、その後もちょくちょく倒れたり顔色を悪くしたりしていたけどね?」
「あぁ、うん。なるほどね」
本当に使えるだけっぽいなぁとそんなことを思っていた。
「レーナちゃんも魔法を使えるみたいだけど私が気を失っている間に何があったの?」
「これといって何もなかった…とは、言えないけどユアが血を流していたり骨が折れていたりしたからそれを止めたり治そうとしただけだよ」
「そんなことを魔法でしたの?」
「う~ん、試してみた感じ?」
「え?」
「上手くいっているかは、分からないけどユアの右肩は、動きそう?」
そう言うとユアは、肩を軽く動かしていた。
「多分?」
「それならよかった」
「…あまり記憶にないけど右肩辺りがバキバキバキ!と言っていたと思うからかなり酷い怪我をしていたと思うけど…」
「確かにかなり酷かったね…。右肩が抉れているみたいになっていたから」
そう言うとユアは、私の言ったことを想像したのかかなり青い顔をしていた。
「…レーナちゃんは、もともと治癒魔法が使えたの?」
「いや?今日初めて試してみたから本当にできているかは、ちょっとわからなかったけどユアが大丈夫そうならまぁ、できるのかもしれないかな?」
「それってかなり凄いことじゃあ…」
とユアは、驚いていた。まぁ、ユアが驚くのも分からなくは、ないけど。そもそもこうも簡単にできるとは、思っていなかったから…。ただ、魔力の調整は、しっかりとしないといけない。加減が分からなかった部分が大きいけどこんな場所で何度も倒れたくないしね?一応、上手くできていたみたいだからユアにお願いしてもう一度やらせてもらおう。
「…でも、調整ができていないからユアの治療をさせてくれないかな?」
「え?…いいの?」
そう聞くとユアが驚いたように聞いて来る。今の話で驚くところがあったかな?と若干首を傾げながら頷く。ある意味人体実験みたいなものだけど本当にいいのかな?と心配になってユアにもう一度聞いてみる。
「ユアが大丈夫ならやるけど上手く治る保証はないからね?それでもいい?」
そう聞くとユアが頷いた。
「分かった。でも、今は、やらないけど今日の夜には、やるわ」
「…レーナちゃんは、大丈夫なの?」
「多分ね?とりあえず今日は、ここで野営をするからそのつもりでね?」
「う、うん」
とぎこちない動きだったがユアが頷いたので野営の準備を始めた。