35.後処理 (2022/2/7)
辺りを見渡すとゴブリンの死体が散乱して所々血だまりができていた。自分がやったことだけど凄い惨状になっていた。
「ちょっとやり過ぎたかな?」
とそんなことを思っているとユアが私の方へとやって来た。
「レーナちゃん、大丈夫?」
「うん。ユアも大丈夫?」
「大丈夫だけど……」
と言って私を見ていた。何かあるのかな? と思って自分の服を見るとローブやスカート、ブーツがゴブリンの返り血などで赤く汚れていた。特にブーツは血以外にも色々と付着していていたが……。
「自分の血じゃないから大丈夫だよ」
そういうとユアは、ホッとした様子を見せた。あまりにも酷い惨状になっていたからに心配かけちゃったのかも……。とそんなことを思ったけどユアが無事ならとりあえず、それでもいいかな? と思った。
「キャッ」
するとユアが悲鳴を上げたので何が起こったの! と思ったらまだ生きていたゴブリンがユアの足を掴んでいたので私は、すぐにそのゴブリンの頭を思いっきり踏みつけて潰した。
「大丈夫?」
「……う、うん」
そう声を掛けると返事は、してきたけどユアの顔が少し引き攣っていた。もしかして、ゴブリンに急に掴まれて怖かったのかな?
「ゴブリンに掴まれた足は大丈夫?」
とそうユアに聞くとユアは軽く動かして確認をした。
「多分大丈夫だと思うの」
「それならよかった……」
と思いながらまた、同じようなことがあったら危険かもしれないと思い、ゴブリンの頭を全て落とすことにした。
その後ゴブリンの頭を落としていたが3匹ほど生きていたみたいで抵抗してきた。でもかなり弱っていたため簡単に頭を落とせたが……。
そんな感じでゴブリンにしっかりと止めさしてユアの所に行くとユアはゴブリンを見ていた。
「どうしたの?」
「え? な、何でもないよ!」
と驚いた様子を見せたがすぐに首を振りながら何でもないと言ってきた。でも、ゴブリンを見ていたから何かあったのでは、と思ったがゴブリンを見ても分かることは、無かった。私が離れている間にゴブリンに何かされたってことはなさそうだし気にしなくでも大丈夫かな? とそんなことを思っていたらユアがこんなことを聞いて来た。
「それで、ゴブリン達解体するの?」
「う~ん。たくさんのゴブリンを解体するのは、面倒臭いから上位種と思われるゴブリンとその武器だけ回収したら街に戻ろうかな?」
「それは、もったいないよ。せっかくゴブリンを倒したのだからちゃんと解体しようよ?私も手伝うから」
「え? でも帰りが遅くなっちゃうよ?」
「門が閉まる前なら大丈夫。それに、レーナちゃんが助けてくれたから少しでもお返しをしないとだし……」
とユアはそんなことを言っていた。そう言われるとユアを見捨てないでポーションで治療をしたり大量のゴブリンからある程度守ったりもしたけど、全部私の自己満足でやっている部分が多いから何だか悪いような気がする……。
「そんなこと気にしなくてもいいのに……」
「でも、私の為にやってくれたから少しはお返ししたいの! ……駄目かな?」
とこちらの様子を窺いながら聞いて来た。そんな風にお返しをしたいと言われると駄目とは言えない……。
「……分かった。お願い?」
「うん!」
そうしてユアにお願いすると嬉しそうにしながら作業に取りかかった。まぁ、彼女もそれで満足するならいいかな? とそんなことを思いながら先ほど私が言ったゴブリンの解体をしてから剣の回収をした。それが終わると私もユアと同じようにゴブリンの解体作業を行った。