31.マップ? (2021/9/1)
それからユアと手分けしながら魔石を回収したのだが私が3匹の魔石を取り出している間にユアは、5匹分の魔石の取り出しが終わっていた。あれ? この前は、同じぐらいの早さだったような……。
「ユア、この前より解体するのが早くない?」
「そうかな?」
「そうだよ。前の時は、大体同じぐらいに作業が終わっていたから」
そう言うとユアは、短剣を見た。
「……もしかしたらこの短剣がいいのかも?」
「? どういうこと?」
「私が使っていた短剣よりも切れ味がいいからそれで解体が少し早くなったのかも?」
「……私の短剣の方が切れ味いいの?」
そう聞くとユアが強く頷いた。
「うん。さっきゴブリンの首を切ったとき、この短剣の方が楽に切ることができたの。それに初めて一撃でゴブリンが倒せたから……」
そう言われるとさっき、ゴブリンを一撃で倒していたかも……。武器が良くなったからユアの戦闘能力が上がったという事だよね? 今の状況的には、凄くありがたい。
「……私もそろそろ武器を新調した方がいいかな?」
「ちゃんと扱えているから新調しても問題ないと思うよ?」
「そうかな?」
「まぁ、帰ってから考えればいいよ。個人的には、今のぐらいの武器は、ユアに必要だと思うよ?」
「……分かった。そうする」
少し考えていたみたいだけどすぐに何かを決心したみたい。
「じゃあそろそろ行こうか?」
「うん!」
それから私達は、街に向かって歩き出した。
それから街に向かって歩いているとユアがこんなことを聞いて来た。
「レーナちゃん」
「どうしたの?」
「街道の方向に歩いていないけどいいの?」
「あ~、それは、大丈夫だよ。あの道結構曲がっているからこっちの方が早く街に着くよ」
「確かに曲がっていたけど……。自分がどの辺を歩いているのかもう分からなくて……」
どうやらどの辺を歩いているのか分からないらしい。
「まぁ、とりあえず歩いて行けば分かるよ」
「……確かに。でも、レーナちゃんは、どこあるいているか分かっているでしょ?」
「ん? まぁ」
「それってすごいよね。この辺のこと大体分かるの?」
う~ん……確かに通ったことある場所なら大体わかるかも? 今の所は、一度でも行ったことある場所は、行けると思う。何となくだけどゲームの中で未開拓エリアのマップ埋めしている感じで覚えているような……。そう思ってゲームのマップみたいなイメージをしたらそれっぽいものが頭の中に浮かんだ。もしかして記憶だけできちゃったの? と思ったけど、魔法を使っている感じはおそらくないと思う。記憶力がいいのかな? まぁ、役に立つことだし深く考える必要もないかな? と思った。
「多分? あ、そろそろ街道に出るよ」
そう言って街道に出た瞬間どこからか音が聞こえた。
「?」
「本当に街道に出た……。どうしたの?」
とユアは、街道に出てきたことに驚いて私の方を見たら私の様子に気付いたみたいでどうしたのか聞いて来た。
「何か音がして?」
「音?…」
そう言ってユアは、耳を澄ましていたので私も同じようにするとやっぱり音が聞こえる。
「確かに聞こえるかも」
とユアもそう言ったから気のせいでは、ないみたい。魔法を使って周囲を確認しても何かいるわけでもない。
「(もうちょっと広げてみるかな?)」
そう思って探索魔法の範囲を広げていくと何かが引っ掛かった。何だろう? とそんなことを思ったら今度は、たくさんの魔物の反応があった。