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5.探索魔法 (2019/7/20)



 目を覚ますとちょうど日が昇り始めたようで、辺りは少し明るい感じだった。とりあえず顔を洗ってから食事にしようと思い顔を洗った。それからご飯を食べながら昨日の事を思い出していたのだが……。


「昨日魔物のこととか何も考えずに寝ちゃったけど、今思うとかなり危険なことだったかも……」


 遅まきながらも昨日の野営の危険性に気付いた。(本当に今更だが……)


「何か対策とか考えないと……」


 と考えていたのだがこれと言っていい案が思いつかない。木の上とかで寝るとか? でも、落ちる心配があるし……。辺りをしっかりと確認をすればいいのかな? でも、それだと寝ている最中に来た魔物に対応できるかわからないし……。


 といろいろ考えてみたがこれと言っていい方法は、思いつかなかった。


「探索するための魔法とか上手く作れないかな?」


 そう思い、魔力を薄く延ばしある程度の距離まで張ってみた。多分だけど100メートルくらいかな? 試しにやってみて分かったことは、周囲100メートル以内には、何もいないということ。ただ本当にそうなのか確認しないといけないわけだが……。そういうわけで大体の確認をしてみたが魔物は、発見できなかった。


「ちゃんと発動できているのかな? でも、実際に魔物が引っ掛からないと判断できないかな」


 そんなことを思いながら歩き出した。たまに探索魔法を試したりしながら歩いていると、魔法に何かが引っ掛かった感じがあった。


「多分この引っ掛かったのが魔物っていうことでいいのかな?」


 確認をするために反応があった辺りに向かってみるとそこには、ゴブリンがいた。


「本当にいた。……もしかしてこの魔法予想以上に使えるのかも?」


 そんなことを思いながら、魔法であっさりとゴブリンを狩っていく。


 それから魔法を使って周囲を調べて、魔物を見つけたら狩ってということを繰り返していた。そして夜になると前日と同じよう食事をし、身を隠せて寝やすそうな場所を探して周囲を警戒しながら眠る。


 そんな生活が2日ほど続いた。




 いつものように警戒しながら寝たのだが、なぜか急に目が覚めた。


「?」


 どうして急に目が覚めたのかな? そう思って魔法を使って見ると魔物の反応があった。


「もしかして魔物が近づいて来たから目が覚めたの? それとも無意識に探索魔法でもしていて、違和感で目を覚ましたとか?」


 そんなことを思っていたけど、本当の所はわからない。魔物が何体もこの近くに向かって来ているようなので、様子を見るため隠れることにした。


「この数の相手できるのかな?」


 探索魔法は、彼女の頭の中にマップを表示している。周囲100mにどれだけの魔物がいるのか見ているのだが(100mは、シルヴィアがそれくらいの範囲にとめているだけで実際には、もっと広範囲もいける)そこに表示されている数が10匹を超えていた。



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