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7.はじめてのパーティ (2019/9/15)



翌朝


 昨日、エレナさんがお願いしてきた森の調査をしようかな? とそんなことを思いながら他にもいい依頼があれば受けようかな? と思ってギルドへと向かった。


「あ」


 そんな声が近くから聞こえたので声がした方を向くとそこには、昨日会ったユアがいた。


「えっと、……おはよう?」


「お、おはよう」


 まさかの昨日の今日で偶然会うとは……。確か昨日の彼女の話だと今日は、パーティの活動お休みじゃなかったかな? それとも普段からこんなに早起きなの? とそんなことを思いながら聞いてみることにした。


「朝早くからどうしたの?」


「えっと、ちょっとギルドで依頼を受けに……」


 そう言えばパーティで活動しないときは、1人で依頼をこなしているような話もしていたかも。


「そうなの? 私も向かっているけど一緒にギルドに行かない?」


「え? いいの?」


 ユアにそう聞かれたので私が頷いた。


「なら、一緒に行こうかな?」


 ユアがそう言ったので私達は一緒にギルドへと向かった。


 ギルドに向かっているときに昨日は、あの後どうなったの? と聞くと特に何事もなく依頼をこなして街に戻った。と言った。本当に何もなかったのかは、少し怪しいけど、こうしてまた会えたから無事ではあったからいいのかな?


 そんな話をしているとギルドに着いたので各々良さそうな依頼を探し始めた。そうして一通り良さそうな依頼を探したけど良さそうなものは見つからなかった。一方、ユアはというと受ける依頼を決めたらしくいくつか手に持っていた。


「受ける依頼は決まったの?」


「うん。レーナは?」


 気になる依頼は特になかったしいつも通りでいいかな? それにギルドに頼まれた依頼もあるし。


「私は、常駐依頼でもこなそうかな? と思っているよ」


「他の依頼は受けなくてもいいの?」


「まぁ、魔物を倒せばお金が手に入るからね」


「それは、そうかもしれないけど……」


 そう言えば今日はユア1人なのよね? せっかくだしユアが大丈夫なら一緒に行けないかな? と思って聞いてみることにした。


「せっかくだし一緒に依頼を受けに行かない?」


「え?」


「あ、お金のこととか気にしなくていいよ? 倒した魔物しか貰わないから」


「お、お金のことはそこまで気にしていないから折半でいいよ。それよりも私と一緒に組んでも本当にいいの?」


「? いけない理由とかあるの?」


「そう言うわけじゃないの。私のパーティのこともあるからもしかしたら迷惑をかけるかもしれないから……」


 もしかして風評被害に遭うと思って気にしているのかな? それならユアが抜ければいいと言いたいけどそんなことは言えないしなぁ……。


「気にすることは、ないと思うけど?」


「でも、レーナに迷惑をかけるかもしれないし……」


「気にしなくていいよ。知り合いも少ないし、そんなことで交流がなくなるような人は、いないと思うから大丈夫だから」


 そう言うと本当にいいのかとこちらを窺うように見ていたから、再度大丈夫だということを伝えると、一応納得したようなので一緒に受付へと並んだ。


 依頼をお願いするときエレナさんは私がユアと一緒に来ていることに少し驚いていた。そして依頼の受付を終えると『頑張ってね?』と言っただけで、それ以上は何も言わなかった。


 ユアは、「はい」と元気よく答えていたけど、私にはユアのことをお願いしてきたように思えた。エレナさんは、どのような意図があって言ったのか分からないけど、ユアとは、仲良くなれたらいいなぁと思った。




 ギルドを出た後は、そのまま街の外へと向かった。道中で、ユアがどんな依頼を受けたのかを聞いてみると、採取系の依頼をいくつか受けたそうだ。前もその依頼を受けたことがあるらしく、どの辺に生えているのか分かるため難しい依頼では、ないらしい。採取系の依頼ばっかりだけど討伐系の依頼は受けないの? と聞くと、1人ではゴブリンぐらいしか斃したことがないから、討伐系の依頼を受けることはない。と言っていた。


 まぁ、いきなり斃したことない魔物を斃そうとするのは、難しいからユアの選択は正しいのかもしれないけど……。そんなことを思いながら街の外へと出た。それから森へ向かって歩き出した。




 森に入るとユアは、依頼に必要な薬草や木の実を採取して行く。私はというと、ユアの後をついて行っては魔物が来ないか辺りを警戒しているだけだ。


「採取が終わったから次のところに行くね?」


「うん」


 先ほどからこの会話を繰り返していると近くに魔物の反応があった。まだ距離はあるけど、私達のいる方に進んで来ているようだ。一応、ユアにも教えようと思って声を掛けようとしたらユアから声を掛けられた。


「何か来るかも?」


 ユアに魔物を来ていることを教えようと思ったら、ユアがそのことを先に言ってきて少し驚いた。


「分かるの?」


「一応、何かが近づいて来ているから」


「どの方向からか分かる?」


 そうユアに聞くと『多分こっち』と言って指を指した方角は、私が把握した魔物がいる方向と同じ場所を指した。


「確かにいるわね……」


 私がそう言うとユアは、驚いた顔をして私に聞いてきた。


「レーナちゃんも分かるの?」


「まぁね? それでどうするの? 戦う?」


「……どれだけいるか分からないから離れた方がいいかな? と思うけど……」


「数が分かれば戦うの?」


「……少ないのなら」


 そう言ったので一応確認すると反応が3つあった。


「……敵の数は3かな? 多分ゴブリンだと思うけど」


「え? レーナちゃんはどれだけの敵がいるのか分かるの? それに魔物まで……」


「一応ね? ただゴブリンだと思ったのは、動きがそこまで速くなかったからそう思っただけだから。……それでどうするの?」


「……2匹ぐらいなら何とかなるから1匹はレーナちゃんに任せてもいいかな?」


「いいよ」


「それじゃあ、お願いね?」


「うん」


 そう言うと私達はその魔物が出てくるだろうと思われるところで待ち伏せをした。



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