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14.ギルドへ (2019/10/26)



 宿に着くと早速お風呂に入った。とりあえず血で汚れた服をその場で洗い後始末をしっかりとしてから風魔法を使って服を乾かした。それから体を洗いお風呂に浸かる。いろいろなことがあって疲れたけど、お風呂に入っていると疲れもある程度取れて楽になった気がする。


 お風呂を出ると新しい服といつもの上着を着る。穴が空いているけど上着は、これしか持っていないため仕方ない。明日直すにしても、今度服屋さんに行ったときに予備を調達しよう。と思いながら部屋へと向かう。部屋に着くとそのままベッドに寝転がると余程疲れていたのか直ぐに眠りについた。




 翌日、目が覚めて外を見ると、太陽が大分高い所まで昇っていた。


「もしかして大分寝過ごしちゃったかな?」


 昨夜のことでかなり疲れたからかな? とそんなこと思いながら朝食を食べに食堂へと向かった。


 食堂では、遅いながらも朝食をもらって食べた。そして食べ終えると部屋に戻って服の修繕をした。昔からよく服の修繕をしていたからこういう作業は割と得意。針でチクチクと縫っていたらすぐ終わったのでギルドに行くことにした。




 そうしてギルドに着いて中に入るとお昼過ぎということもあって人がほとんどいなかった。まぁ、普通の人なら今仕事をしている時間なのかな? と思いながらエレナさんの元へ向かう。するとエレナさんは私が近づいてくることに気付いて声を掛けてきた。


「レーナさん、今日はどうしましたか?」


「依頼の報告と素材売却に来ました」


「わかりました。こちらに出してください」


 エレナさんがそう言ったので私は昨日倒してきたゴブリンとウルフの魔石が入った袋と薬草、ギルドカードを出した。


「今回は、新しくウルフですか……。他の素材はどうしました?」


 確かに他の素材もあるけど毛皮とかは、自分で使いたいし、お肉は、持っていたい。そうなると爪ぐらいなら出してもいいかな?


「少しは、あるけど自分でも使いたいから爪なら……」


 そう言ってウルフの爪を出した。


「わかりました。少しお待ちください」


 エレナさんは、そう言うと素材の確認作業を始めた。




 それからしばらくすると鑑定作業が終わったようだ。


「鑑定が終わりました。清算の結果ですがゴブリンの魔石が5個で銀貨1枚と銅貨5枚、薬草が5束で銀貨1枚と銅貨5枚、ウルフの魔石が3個で銀貨1枚と銅貨5枚、ウルフの爪は、品質が非常にいいため15個で銀貨4枚と銅貨5枚、合計で銀貨9枚になります」


 そう言ってエレナさんがお金とギルドカードが渡されたのでそれを受け取った。それから昨夜たくさん斃したバットのことをエレナさんに聞いてみた。


「少し聞きたいことがあるのだけどいいですか?」


「構いませんが何でしょうか?」


「これについてだけど」


 そう言って昨日倒したバットをカウンターの上に置いた。


「これは、バットですが、何を聞きたいのですか?」


「どこの素材が売れるかわからなくて……」


 そう言うとエレナさんが何か納得したような表情をしていた。


「そうですか。この魔物は魔石以外には爪が売れる素材となります」


「わかりました。ありがとうございます」


「仕事ですのでお気になさらないでください。……それにしてもレーナさんはバットと戦ったのですか?」


「そうだけど?」


 エレナさんが恐る恐る聞いて来たのでそう答えるとエレナさんは心配そうな顔を見せた。今度は、どうしたのかな?


「バットの集団に襲われませんでしたか?」


「確かに襲われたけど?」


 そう言うとエレナさんが少し驚いた表情をした。


「よく無事でしたね。(あの魔物は、あまり強くないですが集団で襲い掛かるととても厄介な魔物ですが……)」


エレナさんはそう言うと何か呟いていたけどエレナさんが何を呟いているかは聞き取れなかった。それからしばらくすると私の方に向き直って来た。


「レーナさんは単独行動をしているので危険も多いと思いますが気を付けてくださいね?」


「今後は、なるべく気をつけます」


 そう言ってエレナさんとの話を終えてギルドを後にした。


 そうしてギルドを出た私はバットの素材について聞けたので街の外で解体作業をしようと思い東門へと向かって歩き出した。




 東門を出ると山の中へと入り川のある方面に向かって歩き出した。そして川がある場所に着くと辺りに人がいないか確認してからバットを取り出して魔石と爪を剥ぎ取る作業を始めた。その作業は、皮とかを剥ぎ取るわけじゃないからざっくりとした作業で終わるため思っていたよりも早く作業を終えたけどいくつかの魔石が割れていた。まぁ、戦っているときは魔石のことを気にするほど余裕が無かったから仕方ないか……。


 そんなことを思いながら不要な部分は、処分して素材を洗っていた。ついでにウルフの毛皮も綺麗に洗っておいた。そうしてそれらの作業が終わると片付けて素材を売るためにギルドへと向かった。



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