第13話
今回も無理やり系の表現が入っているため苦手な方はご遠慮ください。
昨晩はお楽しみでしたね。
えっ、何があったのかって?ナニがあっただけです。
眷属は主である魔王には逆らえないというのを心身共に理解してもらっただけです。
具体的な手段がナニかは言わないがな!その時の状況を表したりもしないけどな!語らないが故に妄想の余地があるのだよ!
と、いかんいかん。二人が殺気全開のジト目でこちらを見ている。
「コホン。さてお前たちにはそれぞれこれからやってもらうことがある。」
「いつか絶対に殺してやる…。」
「イチコ。その時は一緒にやりましょう…。」
ふう。これが俗に言うヤンデレか(違います)
「まずはリョウ。」
「何かしら。」
「お前はこれから家に戻って世界各地のダンジョン関連の情報を探ってこい。」
「どうして?」
「俺はダンジョン作成に一年間外部と完全に隔絶されていたからな。その上今も情報がほとんど入ってこない立場だ。だからお前の家の力を使ってもでも情報を集める必要がある。
ああ、正体がバレない様に気をつけろよ。今のお前は間違いなく魔性に分類される存在だからな。バレればほぼ間違いなく殺されるぞ?」
「っつ!そんなこと…分かっています…。」
「まっ、可能なら魔性の中でも友好的な存在は外に出れるように色々と努力してみるのもありだわな。上手くいくかは知らんけど。」
俺の言葉にリョウは真剣に悩んでいる。まっ自分の命と今後がかかっているのだから当たり前だな。
と、一応釘も刺しておくか。
「ああ、そうだ。お前らが通った裏口や俺との関係、俺の情報なんかは絶対に流すなよ?」
「チッ。」
おいおい、お嬢様が舌打ちするなよ。情報を制する者が戦いを制するのだからこれぐらいは当たり前だろうが。
ちなみにリョウは表口から外に出す。設定?そりゃあ…
「で、イチコ。お前は死んだ事にするから。」
「なっ!?」
こういう方向にするべきだわな。
「だってこのまま戻してもお前は任務を果たせなかったとして護衛から外されるだろうし。いざとなった時の後ろ盾も弱いだろ?それならリョウを守って死んだ事にした方がいいだろ。」
「だが私は…!」
「ああそうだ。俺に一矢報いたいならそのためにちょっとした助言をくれてやる。」
「何!?」
さて、ここからがイチコにやってもらいたいことだ。
「お前らはレベルが上がる条件を知っているか?」
「知らないわ。」「知りませんわね。」
「なら教えておこう。レベルを上げるためには敵を倒して経験値を得る必要があるんだが、この敵というのが人間の場合は魔性なら何でもいいんだが、俺たち魔性の場合は人間もしくは自分とは違うダンジョンに所属する魔性なのさ。」
「それが…。」
どうしたってか?いやー、すげえ重要なんだぜ。これ?
「つまりだ。このダンジョンの南に別のダンジョンがあるが、そのダンジョンのモンスターを倒してもお前らに経験値は入るんだよ。」
「なるほどね。つまり貴方はイチコにそのダンジョンでモンスターと戦ってほしい。と、」
「そういうこった。ちなみにお前が取得した経験値はお前には直接入らずにまずは俺の元に集められて50%程俺の方でピンハネされる。で、その後にお前に渡る形式になっているからな。」
「なっ!?」
「ちなみにこれは俺が決めたんじゃなくて元からある仕様だ。他のモンスターたちもそういう条件で経験値を稼いでる。ついでに一度俺に集められる関係でイチコが得た経験値の一部をリョウに流したりもできるからお嬢様の力にもなるぞ?」
おお、悩んでる悩んでる。やっぱりコイツにとって最重要なのはお嬢様みたいだな。
ちなみに経験値関連に付け加えて言うとしたらダンジョン外で倒すと取得経験値が激減するという仕様も重要なのはそこがダンジョンであるか否かであり、所属は問われないそうだ。
極論を言えば迷宮Aの魔性が、迷宮Bで迷宮Cの魔性を倒しても得られる経験値は減らない。ということである。
「ついでにもう一つ。恐らくだが霧人はレベルが上がればその内ランクアップで魔王化するぞ。そうなれば俺の眷属の枠から外れて俺を傷つけられるようになるぞ。」
「!?」
俺の言葉を受けてイチコの目にやる気の炎が一気に灯る。
と、リョウが静かに挙手する。
「一ついいかしら。」
「なんだリョウ?愛でて欲しいならまた愛でるけど。」
「そちらはお断りです。あなたの言う南のダンジョンというのは私たちが言うところのX-J1ですわよね。そこを襲う理由などはあるのですか?」
「強い理由はねえよ。ただ、あれのやり口だとその内…そうだな後2,3カ月ほどで落とされるしな。なら落ちる前に稼げるだけ稼いでおくってのが効率のいいやり口だろ?」
「同じ魔王を助けようとは思わないのですね…。」
「思わんよ。魔王ってのはそんなものだ。」
そう。自らの目標のためなら如何なる犠牲も厭わないしどんなものでも利用する。そして何時かは全てを蝕み霧の中に呑み込む。それが俺。蝕む黒霧の王という魔王なのだ。フハハハハ
ああ、うん。すごく三下っぽいからこれ以上は止めておこう。
「まっ、そんなわけだから二人とも頑張って自分の役割を果たしてくれ。ああそうだ、サボったり、正体がバレたりしてお仕置きが必要だと判断したら強制呼び出しするからそこら辺は理解しておけよ。」
その言葉に二人は微妙に体を震わせた。
うーむ。すこしやり過ぎたか?
現在二人の好感度はマイナス方向に振り切れています。
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