14、円盤投げ(石板ですが)
シュッ バキン!
シュッ バキン!
シュッ バキン!
「どうも石工の投神です!
ガンガン石を割ってます!
大きな石板を手に持てるサイズに割るだけの簡単なお仕事です。
だんだん面倒臭くなってきて、30cmほどの四角の石板を量産しております。
これぐらいがちょうど良いんですよ?
投げるのも良し、積み上げてマイホームを作るのも良し。
片手で難なく扱える最大サイズではないでしょうか?
えー、それではここで実際に投げてみましょう。
私、こう見えて円盤投げの中学生記録保持者なんですよ。
中学生のときに、槍投げ、円盤投げ、砲丸投げ、ハンマー投げの種目をやりまして、何と全ての競技で新記録を打ち立てました。
その中でも一番力を入れてたのが円盤投げなんですよ。
大きく円を描いて、その力を最終的に円盤に伝える、この流れは天現捨投流の奥義に通じるものがあるんです。
投げをやるきっかけになった水切りにも近しいものがありますし。
さあ先ずは石板を手にとって、大きく振ってみましょう。
残念ながら円盤とは言えない四角の石板ですが、気にしないで!
下半身はしっかりと大地を踏みしめ、上半身を左右に回転させます。
指の第一関節に引っ掛けるだけ、遠心力を使って円盤が手のひらに貼り付く感じです。
大地から
そう!良いですね!
では、投げますよ~。
世界を〜投げ投げ!」
ブオンッ!ンンンンンン…
小指側から握るようにして時計回りの回転をかけられて投げられた石板は、低音のドローンを響かせてウソみたいに遠くまで飛んでいった。
「…飛び過ぎだろ」
100m以上飛んだんじゃないか、あれ。
余裕で世界記録更新だよ。
遥か遠くに着地した石板は、いつぞやの水切りのように地面をバウンドしながらさらに進んでいっている…。
徹底投擲チャンネルのノリでやってしまったが、あまりの飛距離にドン引きである。
これは命中率は低いが飛距離と威力は素晴らしい武器となるぞ。
7、80m先の的なら、まぁまぁに当てられるのではないだろうか。
円盤投げ用の四角い石板は調子にのっていっぱい作ってある。
ゴブリンが攻めてきたら投げたおしてやる!
もうゴブリンなんて怖くない!
連続で投げると目が回りそうだがな!
あとは中距離と近距離の投擲武器を作れば良いだろう。
苦無と槍、斧ぐらいか。
苦無は意外に投げるのが難しいから、投げナイフ型のほうが良いな。
石材はいっぱいある。作りましょう。
しばらく石工作業が続きそうだ。