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穏やかな閑話




この閑話、わりと前に書いたのですが少しえてぃー内容が含まれています


今書いている話も他の作者様の作品を読んだ影響で多少えてぃな内容となっております


響さんの日常も読んで下っている方の場合余分なえてぃ成分を補給する事になるのでご注意下さい





「ライト様、朝ですよ(寝顔!寝顔だよ!ああ、VIPメイドやってて良かった!)」


「…………」


……………。


「起きないとその可愛いお乳様を触っちゃいますよ?いいんですか〜?」


「…………」


………ん……ぁ?


「それっ♪」


「…ぅ…ぁぅ………」


…なんだか気持ち良い。なんだろう…?凄く安らぐ感じだ…


「(も、もしかして感じてる!?し、仕方ありませんね!こうなったら収まるまでしてあげないと!)」


さわ…さわ…さ…さわ…


「…うぅ……んっ…」


良い匂いもするな…

誰かが近くにいるのかな?

…しかしなんだ?さっきから変な声が出てる気がするぞ?


…まさかいやらしい夢でも見てるのかオレは?

そうだとしたら実に素晴らしいが、生憎オレにはもう欲望を吐き出す器官が無いんだよ


「ああもう可愛いんだからっ♪」


今まで『そういう夢』なんて見た事ないのに…。神様ってのはどうしてこんなに理不尽なんだ…


しかし何故だか相手の女性はオレの事を可愛いって言ってるぞ?

攻められるゲームなんてやった事ないから初体験だな…。いや、オレはマゾじゃないぞ!?


ムニュッ


「ひゃっ…」


…!?なんだ!?なんだかビリリってしたぞ!?


「(見た目は10才ってところなのにAはありますね…。わりと発育はいいのかな?)」


ムニュムニュッ


「んあぁ…!」


な、なんだこれ…

嫌な予感がする。起きないと…!


「(VIPのテクニックを堪能下さい!ってね♪)」


ムニュッムニュムニュッ


「やぁぁ…ん…ふぁ…」


起きなきゃ起きなきゃ起きなきゃ!

起きてくれー!


「(あと一押し…ですかね)」


さわさわさわさわさわ


「んんんんんっ!…あぅあああ…」


やばいやばいなにか来る!


あ、そうだ!目を開ければいいんだ!


咄嗟に閃いたオレは早急に目を開くように頭へ命じた


そしたら少しずつ視界が回復してきた


「(むふふ♪これでトドメです!)」


「な、なにしてるのシェリルさん?」


お、オレを攻めていたのはシェリルさんだったのか

いや、まあこんな美人さんにしてもらえるなんて感謝感激HELL王鬼帝な訳だが


「お客様のケアです♪(あ、危ないところだった…。バレてないよね?)」


白々しいよシェリルさん!


「はぁ…はぁ…うぅ…なんだか色んな所がムズムズするよ…」


「どこかお痒い所でも?手の届かない所があればお手伝いしますよ(達成感と罪悪感が同時に…。だけどこの罪悪感がむしろ良いスパイスになりますわぁ♪)」


…これが生殺しってヤツなのか…。うぅ…辛い…

なんかこう重ったるい…


ああ…二度寝したいダルさってヤツだよ…


「大丈夫、痒い所は無いよ…。それより寒いよ…。着替えは何処?」


何故寒いのか

簡単である


オレは下半身用の下着以外何も着てないのだ


以前シェリルさんに聞いたのだが、これはサウシアの王宮の習わしらしい

だからいつもこの宮殿で起きた時にはシェリルさんによって着ていた物は既にひん剥かれている


「今日の衣装はこちらになります♪」


「こ、これは…」


シェリルさんが出した着替えはいつもオレが愛用している『なんかゆったりした黒いズボン』『黒いスポプラっぽいなんか』『なんか黒い羽織るなんか』の三点セットではなかった


「ふふふ、きっと似合いますよ♪」


『なんか白くてキラキラしててフリフリのドレス』だった


サウシア式なのかドレスといっても肩の部分がボコォってなってなくて、袖の部分が肩辺りまでしか無い感じのヤツだ


…オサレなんてした事ないから服の説明が出来ないのはもう仕方ない

というか洋服店で働いていた訳でもないのに女の子の服とかドレスの説明なんて出来るか!


「あの…シェリルさん?」


「はい、なんでしょう?」


「『いつものヤツ』は?」


「王宮住まいなんですから、いつも動きやすい服じゃ困るんですよ」


困るかなぁ


「それにしばらくは平和なんでしょう?だったらその間はライト様にも女の子らしくオシャレしてもらわないと…」


オレがオシャレ?

いやいやそんな洒落にならないオ洒落は要らないよ


……………。


…なんか、すまんかった

悪気は無かったんだ…


意味も解らないしつまらない。こりゃオレはもう精神的には50手前かもしれないな…はぁ


「そんなに落ち込まなくても大丈夫ですよ!ライト様の国の服式ではありませんがきっとライト様を可愛くしてみせます!」


…流石の察しがいいVIPメイドさんも人の心の中の下らないダジャレまでは見抜けなかったか


いや、逆に見抜いてて見抜いてないフリをしてるのかも…


…そうだとしたら超怖い


「私が手取り足取り教えてさしあげますから♪…じゅるり」


美人さんが手取り足取り!?

ああ、その響きだけで素晴らしいな…


「お、お願いします!」


ハッ!?しまった!!


「それでは早速着替えましょう♪」


「あ、いややっぱり動きやすいヤツの方が…」


「ライト様はこの国の重要な人物となりました。そういった方には発した言葉にはそれなりの責任を持って頂かないと…」


「…つまり拒否権は…」


「ありません♪」


そんなキッパリ言わなくても…


「さぁさぁ、お着替えの時間ですよ♪」


シェリルさんには敵わないなぁ…


オレは潔く諦めて彼女のレクチャーの下着替え始めたのだった




「はい、終わりました」


「…………」


無事に着替え終わったオレは部屋にある大きな鏡を見た。見てしまった


可愛い!可愛いぞ!


白くてヒラヒラしてキラキラしてフリフリしたドレスはオレをお姫様にしたようだった


やっぱりお姫様は金髪がテンプレだよね!

ルビーのような綺麗な紅い瞳ってのもポイントを上げてくれた


紅い瞳って言ったらつり目がテンプレな訳だが、鏡を見た時のオレは並行目かジト目しか見た事がない


今のオレにタイトルを付けるなら『無表情なお姫様。夏の涼しいドレスバージョン』だろうか

…センスの欠片もないな


「如何でしょうか?」


「…なんだかスースーするなぁ」


スカート状の衣類など着た事が無いオレにとって今の感覚はとても不思議な感覚だった


まぁ着た事があったらあったでヤバい話なんだが…


「ライト様はこういう服は初めてでしたか(ライトちゃんの国ではこういう服は無いのかな?)」


「…うん、オレの国は労働力でしか他国と渡り合えるものがなかったからね」


そういえば一時期の事務仕事ではなかなかの量の仕事を片付けていたなぁ…

バイトとか他はレジ打ちとか整理とかだったな


なんだかんだで肉体労働と感じる事はしてなかったなオレって


「動きやすい服装になるのは仕方の無い事でしたか…(そういえばライトちゃんは三十路前でしたっけ…。こんな小さいのに働いてたなんて…)」


「着飾る余裕は確かに無かったかもね。働いて働いて趣味に時間を投資して…。そんである程度の財産を持ってぶーらぶら」


放浪者と言えばかっこいいけど家無し、英訳でホームレスだと途端に悲しくなるな…


「そういえば旅人だって言ってましたね。どんな国に行ったんですか?」


「国を出た事は無いよ。でも、自分の国を巡る旅は終わりにして他の世界を見る事にしたんだ」


「…?どうしてですか?」


ああ、オレはなんで落ちたんだろう…

今じゃ考えられないな…

でも今じゃ考えられないのは単に…


「消えない財産を手に入れたからかな」


そう、消えない財産

神様からもらった3つの力


その3つの力はオレに再び生きる気力を与えるには十分だった


もし何も持ってなかったら、しかもこんな小さい姿だったらオレはもうあの砂漠の中で埋もれてたかもしれない。

せっかく楽になれると思ったのに再び生きる事を強いた上に砂漠で悶える運命を与えた神様を恨みながら


「消えない財産ですか…。なんだか旅人さんらしいですね。旅って見えない何かを与えるらしいですし」


オレにとってあの旅みたいなものは何を残したのかな


当時のオレはもう疲れてて何もする気力が無かった

だけど歩む事を止める事は無かった


家でだらけてのたれ死ぬよりはもっと世界の汚ない部分を見たかったのかもしれない

そう、アイツよりも汚ないものを…


でも旅人に映る世界はいつも醜い所をみんな隠した表の姿

結局何も得られなかった


「本性を暴くには旅をするより根を下ろせ」


「…?」


「旅をして気付いた事だよ。客観的に見たって着飾った所しか見えない。その国、その人の本当の姿を見るには知り合いではなくそれ以上の関係にならないといけない」


「なるほど、教訓も立派な財産ですね」


「そう…だね」


その財産は今シェリルさんが教えてくれた(気付かせてくれた)物だから本当の消えない財産はそれじゃないんだけどね


「貴重なお話ありがとうございました。経験から生まれた教訓はとても為になります(今のライトちゃんはなんだかとっても大人びて見えますね…。いつもの大人び幼びたライトちゃんとはまた違う可愛いさです♪)」


…そう、まずはこの国だ

今まさにオレは根を下ろしている


この国の腐った所、もしかしたら見えちゃうのかな?


「王様は確かゆっくりしてろって言ってたよね」


「はい、ライト様にはしばらくの休養が必要だとロイ様は仰っておりました」


「つまり自由にすごせって事だよね」


「恐らくその通りですね」


よし、つまり遊んでいいって事だよね


最近気付いたんだけどオレの身体って見た目相応に疲れが消えるのが早いんだよね


ゲームにおいて行動力を余らす事はとても勿体ない

そして現実においても体力を余らす事はとても勿体ない


体力溢れる子供はアクティブに、思うがままに動くものなのだ


まだこの国で見てない所は沢山ある

情報収集の為にもこの国を見て回らないといけない


「外へ出てもいいんだよね?」


「…むぅ(私はライトちゃんと居たかったのに…)」


あらかわいい

シェリルさんもこんな表情を見せるのか…


「わかりました。…でもお願いがあります」


「…?」


お願いってなんだろう?


「今日はこのシェリルと居てください!」


「…?いいけど…?」


あっ!?しまった!

なんかこう不可抗力でOK出しちゃったけどシェリルさんが来たらまずい


だってそうじゃん?

探索は隠密行動が一番じゃん?


いや、隠密行動なんてしたことないけどさ?


やっぱり憧れるんだよね

隠密行動しながらサササッと調査するのって


見た目に合っていないような合っているような遊びだけど気にしない


「ありがとうございます♪ではさっそく行きましょう♪」


男のロマンについて考えていたらシェリルさんに抱っこされてしまった


「わわわっ」


「さぁ、まずはお顔を洗ってそれから食事。そして私とデ…出かけましょう!」


そしてそのまま車イスみたいなものに乗せられた


「あの、オレ歩けますよ?」


「いいんですいいんです。今日は私だけのプリンセスですから。遠慮なさらないでください♪」


「そ、そう?」


オレが姫でシェリルさんが専属の従者だとすると従者の顔を立たせるのは主であるオレの役目じゃ

よってオレが単に優しくされたいからという訳ではないのじゃぞ?勘違いするでないぞ!?


ってなに乗せられてんだよオレは…





その後はシェリルさんとデ…出掛けた


買い物をしたりお店でなにか食べたりと車イスに乗せられる以外は普通だった


夕方には帰ってきて、そのままシェリルさんと風呂に入る事になった


も、もちろん最初は盛大にお断りしようと思ったのだが


『今ここで床を濡らしたいんですか?ふふふ♪』


と黒シェリルさんを目の当たりにし、無謀だと分かりながら逃げたら案の定すぐ捕まった



まあそんなこんなで今は寝床にいる訳だが…


「お前達の間では5日以上会ってない時は久し振りというのだったな」


「うん、久し振り」


なんとオッチャンがやって来ていた










エロスをくれエロスを!

なんて叫んでいた訳ですが、最近無駄にエロスシーンが増えたような…

しかもレズぃ…


いや、そう簡単にヒロインの花を散らすのもアレなのですが、いや、いやまぁ…はい…


たまには公式に出してない妄想話でもぶちまけたいなぁ…って(^^;




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