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SS ハロウィン

スランプからのリハビリで番外SSです

季節外れですがハロウィンネタをどうぞ

「Trick or Treat.」


 夕食後テレビを見ながらまったりしていると、魔女のコスプレをしたリサがそんなことを言いながらリビングにやって来た。

 そういや、今日は10月31日──ハロウィンか。


「お菓子はいらないのでイタズラさせてください」


「……『お菓子をくれなきゃイタズラするぞ』じゃなかったか?」


 明らかに日本語訳がおかしいよな。


「お菓子なんかより兄さんにイタズラしたいです」


「いや、したいですとか言われても困るんだが」

「……仕方ありませんね、兄さんを困らせるのは不本意なのでTake2です」

「いや、やり直さんでも……」

「それじゃあ待ってくださいね」


 引き止めようとするも、リサはそれを遮りリビングを後にする。

 …………遊んで欲しいのか?







「Trick or Treat.」


 五分後、今度は露出が高めな吸血鬼のコスプレをしたリサが再びリビングにやって来て……


「お菓子をあげますので、イタズラしてください」


「さっきよりおかしくなってるよな!

 お菓子をあげる側になってる上にイタズラされる側になってるぞ。しかもなんでお願い……つーか、懇願になってんだよ!」


「いえ、『したい』がダメなので『されたい』ならいいのかな……と。私自身どちらかと言うと『されたい』側ですし」


「なんでそうなるよ」

 そんなカミングアウトは要らんよ……。


「むぅ……仕方ありません、Take3です」





「Trick or Treat.」


 更に五分後、今度は猫耳としっぽを付けたリサが水着姿で三度リビングにやって来て……


「お菓子をくれなきゃイタズラします……」


 今度は普通に……


「と、言いますか、お菓子をくれなかったのでイタズラします!」


 言ってきたと思ったら、にじり寄りながら高らかにイタズラ宣言してきた。


「待て待て『くれなかった』って『お菓子をくれなきゃイタズラする』はつい今しがた言っただけだろ!」


「何を言っているんですか? 最初からずっと『Trick or Treat.』といい続けてましたよ。最初に言ってから10分以上も経っているんですら充分待ちましたよ」


「しまった、罠か!」


 コスプレ衣装替えも時間稼ぎだったのか。


「さあ、兄さん。夜も長いですからたっぷりイタズラしますね」


「ちょっ、まっ……あ────────!」

リサちゃんはイタズラを『したい側』ではなく『されたい側』ですが、頭に『どちらかと言うと』という言葉がつきます


リンがナニをされたかはご想像におまかせします

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