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8.ビックの覚醒

淫魔が変身できることを知った俺は、ある提案を思いついたのでビック・バーラーを送り出し、自身は覚醒前のオークもどきに変身した。


「ギガメス。」


「なんじゃ?」


「俺と一緒に来てくれないか?」


ギガメスは俺が差し出した手を少し見つめた後に嬉しそうに握った。


「よかろう、留守はわらわの執事であるホワイトに任せる。」


「お任せください。魔王様。」


ギガメスも淫魔と言うことなので適当に女ヒーラーに変身させておいてビックを迎えに行った。


門番に事情を説明して道を進んでいくと、前方からたくさんの女の子を連れたオークの集団がやってきた。


ビック・バーラー率いる第8師団だ。


そして、やはり女の子たちには見知った顔がたくさんいた。


こいつらはこの間、魔王軍から助けたガルシーリ公国に住んでいた娘たちだ。


この村娘たちもほかの人間たち同様に俺を蔑み、石を投げ、挙句の果てには俺が暮らしていた王国に俺が体を要求するために魔王軍から助けた淫獣だなどと吹聴した連中だ。


「わからせなければ。」


憔悴しきっていた娘たちの表情が俺を見るなり険しくなった。


「あなた・・・。もしかしてブレイブね。」


「ん?ああ、そうだが?」


「勇者だったら助けなさいよ!」


思わず俺はずっこけそうになった。


分かってはいたが、あさましすぎるにもほどがあるだろこいつら?!


「そうよ!そうよ!早くしなさいよこのノロマ!化け物、オークもどき!デブ!悪臭製造魔法拾得者!」


「いやいや、お前ら・・・人に助けてもらう態度じゃねえだろ?」


俺に罵声を浴びせる少女たちにオークたちの表情はみるみる暗くなっていった。


多分彼らも似たようなことを道中言われ続けたのだろう。


「聞いたかビック、これこそお前が一度助けようとした娘たちの本性だ。不細工な化け物である俺たちがいくら愛そうとしても無駄なんだ。」


思い当たる節があるのかビックはうつむいて黙ったままだった。


ビックはうつむいたまま何かを決心した表情でつぶやいた。


「お、俺が間違っていた。俺はこの娘たちが可愛そうだからって逃がそうとした。だが、この娘たちは襲われるだの臭いだの気持ち悪いだの言って差し伸べた手を何度もどかそうとした。」


「・・・・。」


「俺は、いや俺たちは・・・。」


オークたちの顔が徐々に獣欲にまみれた表情になっていく。


「そんな、恩知らずなメス豚どもを今ここでわからせたい!彼女たちのあどけなさが残る体と俺たちのガチムチな肉体でわからせたい!」


「了解した。ギガメスもそれでいいか?」


途端に娘たちはこの世の終わりを見るかのような顔で青ざめた。


「うむ。もとよりそいつらにはいろいろ利用させてもらうつもりじゃ、多少汚れても文句は言われんじゃろ。」


「ってわけで・・・無属性魔法オリジナルマジック時限拘束リミテッドホールド。」


俺が魔法を唱えると一斉に娘たちが騒ぎ出した。


「な、何?体の自由が利かない!?」


「そいつは一時間程動けなくする魔法だ。逃げようとしても無駄だぜ。ひっひっひ・・・。」


「助けてお母さーん!」


「ビック、もう鍵を開けても縄を解いてもそいつらは逃げられないぜ。存分に楽しむがいい。」


「感謝します。ブレイク殿下!」


ビックは俺に一礼すると奴隷商から盗んだ鍵を取り出して鍵を開けた。


ビックが檻を開けて中に入ると娘たちが泣きながら俺に助けを乞いた。


「お、お願いします聡明で勇敢で健全な勇者様!どうか、どうか私たちにお慈悲を~!」


「やだね。だって俺、もう勇者じゃないもん。」


ビックが開けた檻に続々とオークたちが入っていった。


しばらく、オークと少女の行為を見届けた後、俺は満足げな顔でギガメスと一緒に魔王城へと戻っていった。


後ろからは、しばらく娘たちの叫び声が道中に響き渡った。


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