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【AIOライト 16日目 19:03 (半月・晴れ) 漁村ハナサキ】


「さて、飯も食い終ったし、さくさくっと作るべきものを作ってしまいますかね」

「作るべきもの……ですか?」

「ああ」

 食事が終わった後。

 休憩を十分に取った俺は、錬金鍋の前に立っていた。


「さっき回収してきた普通の白砂でガラス……それも出来れば瓶が造れないか試してみる」

「瓶……もしかしなくても今後の為ですか?」

「もしかしなくても今後の為だな」

 作ろうと思っているのはガラスの瓶。

 割れる危険性はありそうだが、液体状の物を入れるにあたってはこれ以上の物はないだろうと思えるアイテムである。

 そして、携帯錬金炉を自作しようと思った場合、最低でも一つ、場合によっては五つぐらい用意しておくべきであろうアイテムである。


「じゃ、早速始めるか。シアはそこで見ておいてくれ」

「はい」

 と言うわけで、俺は錬金鍋の前で半透明の画面の操作を始め、普通の白砂を投入しようとする。


【錬金レベルが足りません。別の素材を使ってください】

「あ」

「?」

 が、弾かれてしまった。

 どうやらレア度:2の方の普通の白砂を使おうとしてしまったらしい。

 うん、間違えた間違えた。


「コホン……と」

 俺はきちんとレア度を確かめてから、改めて普通の白砂を錬金鍋に投入する。

 操作は合成。

 魔力の注ぎ込みは十分。

 タイピングは……


『glasshAN0kotaiDeal SonotAme naGaitimede HenceiSuru』

「んー、まあ、このぐらいなら大丈夫だな」

 数個打ち間違いはあったが、概ね間違いなし。

 うん、これならいけるな。


「よし」

「おめでとうございます」

 と言うわけで、無事に完成したものがこれである。



△△△△△

プレングラスボトル

レア度:1

種別:容器

容量:1(液体状の物限定)

耐久度:100/100

特性:プレン(特別な効果を持たない)


普通のガラスで出来た小瓶。

少量ではあるが、中に液体を入れて持ち運ぶことが出来る。

容器の中に入っている物は容器含めて一つの物として扱われる。

割れやすいので、取扱には注意が必要。

なお、種別:容器のアイテムは錬金レベル/10(小数点以下切り上げ)の個数しか持てない。

▽▽▽▽▽



 うん、これならば、俺の思うとおりの働きをしてくれるだろう。


「じゃ、ちょっと量産するか」

「はい」

 一個出来たならば、予備も含めて作れるだけ作っておくべき。

 そう判断した俺は、レア度:1の白砂を使ってプレングラスボトルを量産していく。

 そうして、レア度:1の白砂を使い切った所だった。


【ゾッタの錬金レベルが10に上昇した。錬金ステータスの中から上げたい項目を一つ選んでください】

「お、来たか」

 俺の錬金レベルが上昇、防具類を1上昇させる。

 うん、これでようやく錬金レベルが二ケタに突入である。



△△△△△

ゾッタ レベル7/10


戦闘ステータス

肉体-生命力13・攻撃力10・防御力10・持久力9・瞬発力10・体幹力10

精神-魔法力10・撃魔力10・抗魔力7・回復力19+2・感知力10・精神力11


錬金ステータス

属性-火属性10・水属性10・風属性10+1・地属性10・光属性7・闇属性10

分類-武器類13・防具類13・装飾品13・助道具13・撃道具10・素材類13

▽▽▽▽▽



「ああ、折角だし試してみるか」

「試す?」

「10でキリも良いから、レア度:2のが使えるようになっていないかってな」

 俺はシアにそう言うと、レア度:2の白砂を錬金鍋に投入できるかどうか試してみる。

 すると先程は出たメッセージは出なかった。

 どうやら、錬金レベル10からはレア度:2の素材も扱えるようになるらしい。

 なので俺は早速錬金を試みる。


「さて、どうなる?」

 レア度が上がっても、操作で選べる内容や魔力の注入量に変化は見られない。

 後の問題はタイピングだが……。


『gLassha HannowSein1 TovoshiI DakaraUtuwAni teKitowNanoda』

「大丈夫。これぐらいなら大丈夫」

 うん、これぐらいなら問題はない。

 多少は手間取るが、多少手間取るだけとも言える。

 そうして出来上がったのは?



△△△△△

プレングラスボトル

レア度:2

種別:容器

容量:1(液体状の物限定)

耐久度:100/100

特性:プレン(特別な効果を持たない)


普通のガラスで出来た小瓶。

少量ではあるが、中に液体を入れて持ち運ぶことが出来る。

容器の中に入っている物は容器含めて一つの物として扱われる。

割れやすいので、取扱には注意が必要。

なお、種別:容器のアイテムは錬金レベル/10(小数点以下切り上げ)の個数しか持てない。

▽▽▽▽▽



「ふうむ……」

「レア度が変わっただけですね」

 シアの言うとおり、レア度が変わっただけのプレングラスボトルだ。

 試しに両方とも実体化もさせてみたが、違いのようなものは見受けられない。

 後考えられるのは耐久性や中に入れられるものの種類に、入れたものの劣化を抑える力など、使ってみなければどうなるか分からない部分ぐらいか。

 んー……まあ、その辺りは色々と試してみるしかないな。


「と、そう言えばシアって容器系統のアイテムは持てるのか?」

「えーと、一個だけなら持てるみたいです」

「なるほど。じゃあ、こっち(レア度:1)のプレングラスボトルを持っておいてくれ。俺はそっち(レア度:2)のを持っておくから」

「分かりました」

 いずれにしても今日確かめる事ではない。

 と言うわけで、俺はプレンメディパウダーのような回復アイテムを幾つか作ると、今日の作業を終わりにするのだった。

レア度:2の扱い始まりました。

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