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13:1-10

本日は土曜日なので2話更新になります。

こちらは1話目です。

「ふむ、なるほど。なるほど」

 その後、俺は休憩を挟んでMPを回復させつつ、何かが出来そうだと思った組み合わせと操作で錬金術を三度行った。

 その結果として、三つのアイテムが出来上がった。



△△△△△

ただのゴミ

レア度:1

種別:素材

耐久度:100/100

特性:プレン(特別な効果を持たない)


ただのゴミである。

何と混ぜ合わせてもゴミと混ざったものはゴミにしかならない。

それでもゴミの中から何かを得たいのであれば……ゴミの量を増やした上で抽出してみるといい

▽▽▽▽▽


△△△△△

プレンウッドボックス

レア度:1

種別:容器

容量:4(種別:素材限定)

耐久度:100/100

特性:プレン(特別な効果を持たない)


普通の木で出来た箱。

密閉性が低いので気体や液体は入れられないが、固形物ならば入れられる。

容器の中に入っている物は容器含めて一つの物として扱われる。

なお、種別:容器のアイテムは錬金レベル/10(小数点以下切り上げ)の個数しか持てない。

▽▽▽▽▽


△△△△△

プレンウッドバックラー

レア度:1

種別:武器-盾

攻撃力:25

防御力:25

耐久度:100/100

特性:プレン(特別な効果を持たない)


普通の木で出来た盾。

強度に不安は残るが、これでも身を守る事は出来るし、いざとなれば殴る事ぐらいは出来る。

手に着けるタイプでは無く腕に着けるタイプ。

▽▽▽▽▽


△△△△△

プレンウッドリング

レア度:1

種別:装飾品-指輪

耐久度:100/100

特性:プレン(特別な効果を持たない)


極々普通の樹の枝から作られた指輪。

しかし薬草の力を付与された結果として、僅かながらに癒しの力を持つようになっている。

回復力+1

▽▽▽▽▽



「ただのゴミは……まあ、ただのゴミか」

 ただのゴミは最後のタイピングを何回もミスしてみたら出来上がってしまった。

 後でもう一つわざと作って、試しに抽出してみようとは思っているが……期待はするべきではなさそうだ。


「箱は素直にありがたいな」

 プレンウッドボックスは普通の丸太を2個鍋に入れて、変形、出来上がったものである。

 色々と制限はあるようだが……素直に出来上がって嬉しいものである。

 なにせ素材しか入れられないとはいえ、実質的にこれでインベントリの容量が3増えたようなものだからだ。


「盾と指輪は……とりあえず装備だな」

 プレンウッドバックラーは普通の丸太と普通のツルを融合させたもので、見た目としては木を円形にした上でツルを取り付けただけという実に簡素な物である。

 で、装備すると左腕前腕の中ほどに固定される形で現れた。

 可動性は……左手の動きを微妙に阻害している感じもあるが、まあ悪くはないか。

 回復力+1が加わったプレンウッドリングは、最初に作ったそれに普通の薬草を付与する形で作ってみたものであり、見た目は特に変わっていない。

 左手の人差し指に装備しているが動きを邪魔する感じもない。

 説明文通りに僅かに癒しの力が加わっただけである。


「さて、もう少し頑張ってみますかね」

 既に時刻は17:00を回っている。

 初日から夜のフィールドに出るのは幾らなんでも危険すぎるので、今日はもう錬金術をしているか、掲示板を覗くかのどちらかにするべきだろうと俺は判断する。

 と言うわけで、俺はまずプレンウッドボックスをもう一つ作る事にした。



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「ふう、やっと持ち直した」

 やはり錬金レベルを上げる必要があるらしい。

 プレンウッドボックス二つを融合させてより容量の大きいプレンウッドボックスを造ろうとして失敗、ただのゴミを生み出してしまった俺の結論はそれだった。

 幸いにして失敗したのはそれだけで、その後は問題なく自分用のプレンウッドボックス一つと売却あるいは納品用のプレンウッドボックスは作れた。

 普通の丸太も一個だけになってしまったが、取り方は分かっているし、何時でも回収は出来るだろう。


「さてと。抽出の方もやってみますかね」

 俺はMPバーが十分に回復したことを確かめると、鍋の中にただのゴミを二つ投入、抽出の操作を選択、MPを消費する。

 で、法則も何も感じないタイピング作業へと移行しようとし……表示を見て首を傾げる。


『好きな言葉を入力してください』


「好きな言葉って……」

 好きな言葉……文章通りに受け取るのであれば俺の自由に文章を打ちこんでいい事になるが、あのGM(ゲームマスター)だと『好きな言葉を入力してください』と入力しなければいけないなんて言うひっかけもありそうである。

 後、突然好きな言葉と言われても思いつかない。


「んー……適当に打ちこんでみるか」

 まあ、どうせ元は錬金術のミスの結果で生まれたただのゴミである。

 抽出に失敗した所でただのゴミが二つから一つになるだけ。

 そう考えれば本当に適当に文章を打ちこんでも問題はないだろう。

 と言うわけで俺はその時頭の中に思いついた言葉を俺は打ちこむ。


『watashinonahaZotta』


 うん、ぶっちゃけただのローマ字である。

 だがそんな文章でも何の問題もないのだろう。

 通常の錬金術と同じように白い光の球が生じ、鍋に入ると同時に鍋の中の液体に変化が生じる。


「さて、何が出来た?」

 そうして出来上がったアイテムは?



△△△△△

脆い金塊

レア度:1

種別:素材

耐久度:100/100

特性:フラジル(脆く砕けやすい)


文字通りの金の塊で、売ればそれなりの金額になる。

金属としては電導性には優れているが、重い上に硬度に難があるので、武器防具に使うのは向かない。

▽▽▽▽▽



「えーと……フラジル?」

 俺を困惑させるのに十分な物だった。

リサイクルは大切

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