前編のあらすじと登場人物
前編のあらすじ
魔王は勇者に倒された。
魂を過去に飛ばす魔法を使ったが、未完成だったため、勇者の姉として転生してしまう。
フォルフォスという名を与えられた魔王は、勇者として生きることにした。
そして自分の正体がバレないようにするため、先生からの授業を受けながら本物の勇者である妹エクテを甘やかす。
しかし愛を受け取りすぎた妹は、姉に歪な感情を抱いてしまったようだ。
幼年期、フォルフォスはペイラーの街でモレーノという先生の弟子と出会った。隣にいた声を出さない少女、不思議に思いながらも任務に向かう。
目標である魔物の赤竜が進化する、少女の力が暴走するなど予想外の出来事があったが、無事任務を達成した。
最後に判明した事実、少女は神族の細胞を埋め込まれた聖女クレリクスだった。
フォルフォスの知らないところで、エクテはオスカルという姉を崇拝する組織を作っていた。その組織の最終目標は、世界征服だ。
時は進み、フォルフォスは学園に入ることになった。
フォルフォスの見た目は幼年期から変わっていない。赤竜と戦った時に、魔王の力を使ってしまったため、不変と不老が発動してしまったのだ。
学園でつまらなそうにしているとカスタという少女が近づいてきた。
カスタはヴィオレンティア商会の会長の娘だと名乗っていたが、実態はオスカルから派遣された調味料だった。ソーセズとは、オスカルの構成員である娘の中でも特別な力を持った者だ。
カスタからエクテのことを聞いて、満足する日々。
そんな毎日だったが、学園祭というイベントが行われる。
小国エクエスの皇女エリナベラと仲良くなり、交流戦を楽しんだが、離れ離れになってしまう。
その裏ではエクテがエリナベラに国を差し出すように提案していた。
そしてオスカルについて判明する事実。オスカルの娘たちは全員、勇者病という名の勇者だった。
学園生活も終盤、卒業旅行という名の研修に向かうフォルフォスだったが、そこはやばい少女(男)プエッラの村だった。
どうしてもフォルフォスと魔法少女として活動がしたいプエッラ。
そんな彼の言葉を躱しながら、村での修行に挑む。
修行の内容は、仮想世界で魔王を倒す事だった。
案内役だと思われるリゴレットから説明を受け、なぜかパーティーメンバーになったソーセズのレートと共に、目的を果たす。
仮想世界から帰ろうとした時、リゴレットがすでに死んでいて、魔導具の中に魂を閉じ込められていることが分かる。
フォルフォスはレートと協力して、リゴレットを助け出すことに成功した。
一件落着かと思われたが、村に戻ったフォルフォスを迎えたのは謎の女性と感謝祭という名の羞恥イベントだった。
やけくそになってやり遂げたフォルフォスは、この記憶を消そうと決めた。
事が終わった後、プエッラに依頼を出していた先生は語る。今後、オスカル、帝国、エルフを巻き込んだ戦争が起こると。
学園での生活も終わり、ついに魔王討伐となった。
フォルフォスは聖剣を受け取り、滅びたはずの神族と出会う。
聖剣の真の力を引き出したフォルフォスは、難なく魔王の元に辿り着いたのだが……
フォルフォスが勇者としての旅を行っている時、エクテは魔王の腹心であるソキウスと対峙していた。
未来が見えるソキウス、そんな彼を倒したエクテの額にあったのは、第三の目だった。
ついに魔王を吸収したフォルフォス。
勇者としての責務を終え、野望である”平和主義の世界征服”のために動き出す──
登場人物紹介
・物語の主人公
フォルフォス・サストレ
魔王であり、姉。
勇者に倒されてしまい、過去に魂を飛ばすが、未完成の魔法により勇者の”双子の姉”として転生する。
魔王の呪いによって成長することがなくなった。純白の髪に、緋色の瞳。
エクテ・サストレ
勇者であり、妹。
甘やかされ過ぎた結果、姉に歪な感情を抱いた。
フォルフォスを崇拝する組織”神の槍”を作り、暗躍している。
発育が良い。漆黒の髪に、緋色の瞳。
・教会
先生
名を忘れた元王国最強の騎士。
フォルフォスの教育を担当していた不器用な男。
傷だらけの体に、いつも死んだ顔をしている。
モレーノ・カルゴ
先生の弟子。フォルフォスの姉弟子。
聖眼を移植された斧使い。
青色の髪を背中でまとめ、日に焼けた肌をしている。
・魔王討伐パーティー
クレリクス
神族の細胞を移植された聖女。
教会の最高戦力であり、魔王の脅威となるほどの聖属性を持つ。
銀色の長髪に、パツパツの職服といった見た目。
ユウェネス・マニュス・レグヌム
レグヌム王国の皇太子。
フォルフォスと共に行動することが多かった、気さくな騎士。
恋心が空回りしてしまっている。
金色の短髪に青い目で、整った顔をしている。
プエッラ・ケイオス
戦闘一族ケイオスの長。
元王国最強の魔法使い。
フォルフォスと魔法少女をしたいが、避けられている。
ピンク色の髪にゴスロリ服という珍妙な格好だが、男。
・神の槍
ラルウァ
エクテとフォルフォスの姉妹愛を見守る事に全力を捧げるエルフ。
空間魔法を自在に操ることができる。
黒に近い肌色に、左の耳が半分に切れているといった特徴がある女性。
カスタ・ヴィオレンティア
オスカルのソーセズ、経済担当。
商会の会長であり、頭のリミッターが外れている娘。
頭のアホ毛を揺らせ、周りからは戦闘狂だと言われている。
部下に獣人で元傭兵のバーリィとウィートがいる。
レート・ファスキナティオ
オスカルのソーセズ、魔術担当。
魔法が視える。
ツインテールで、無自覚にツッコミをしてしまう。
クリム
オスカルのソーセズ、魔導具担当。
エクテの誕生と共に現れた”勇者病”と呼ばれる魔力の暴走について調べている。
いつも目元を黒くさせている生粋のオタク気質。
ラメル
オスカルのソーセズ、調査担当。
帝国とエルフについて調べている。
シュガ
オスカルのソーセズ、?担当。
存在していて、存在していない。
万物の元である魔力が揺らいでいる娘。
やっとのことで”自分”を安定させることができてきた。
・物語を支える人
ヒューリ
元王国最強の剣士。
先生とプエッラの旧友で、オスカルと協力関係にある。
つば広の帽子を深く被っている。
エリナベラ・ピエタ・エクエス
エクエス国の皇女。
学園祭での一件後、オスカルの娘となった。
フォルフォスの友達で、対の通信魔導具を持っている。
金髪縦ロールで気品あふれた姿。
リゴレット・ケイオス
プエッラの弟。
死後、魂を魔導具に移されていたが、フォルフォスによって青いプルプルへと憑依することができた。
戦闘一族の村には、トゲトゲしたアグハやカタコトなシークなど個性豊かな村人がいる。
ソキウス
一を聞いて百を察する男。魔王の腹心であり、腐れ縁。
真実を見るといわれている眼を持つ。
赤い短髪に眠そうな顔をしている。
女神
聖剣の正体。
フォルフォスの物語を楽しんでいる。
魔王の初めての友達
クレリクスの暴走時に、フォルフォスの脳裏に浮かんだ人間の子供。
姉の行動原理に大きく関わっている。