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8:待ち人来たり

 ーLHF 平原の街ドレイフー


 [メールが届きました]


「え、メール?誰からだろう」

 メールの通知をタップすると、メニュー画面が開き自動でメールの本文が表示される。


 [from:アカツキ

 件名:チュートリアル終わった?

 本文:白、チュートリアルが終わったらこのメールに返信しなさい。私達は東門の広場の噴水前で待っているわ。]


「あー、2人と遊ぶ約束だったっけ。すっかり忘れてた。すっぽかしたら光がキレてただろうしメールくれて助かったー」

 東門は……標識を見る限りあっちかな。ひとまず急ぎつつメールも送っとこう。今から向かう。っと、これでよし。


 〜少女 移動中〜


「えっと噴水の前……あっ、あの2人組か、な……」

 んー??えっと噴水前に2人だと思わしき人達は居るんだけど……。今からあの2人に話しかけないといけないの?マジで??


「えっと、2人はアカツキとムラマサで合ってる?」

「ええ。いつもと同じ名前が取れて良かったわ。ツクモもちゃんと取れたみたいだし幸先良いわね」

「直ぐに全員合流も出来たしな」

「えっと、その格好は何…?凄い近寄り難かったんだけど…」

 そう、2人の見た目を説明すると、アカツキは真っ白な髪と肌に、眼が白目と黒目の色が反転してる上に、背中から真っ黒な羽まで生えた堕天使スタイルであり、ムラマサの方は四肢が金属質になっている上に、頭からは2本の角が伸び、肩には左右合わせて6本の触手が生えているという化け物の様な姿をしていた。


「2人ともなかなかに攻めたキャラメイクをしたんだね……」

「このゲームの売りの1つは自由なキャラメイクなのよ。折角だから色々試してみるってあの後話してたのだけど……、ツクモは興奮し過ぎて聞こえてなかったみたいね」

「その悪癖は早く治せと言っているだろう」


 これ、僕が100%悪かったやつだな。

「あははは……。ご、ごめんなさい」

「まあ今回はいいわ。別に被害も出てないしね」

「そうだな。互いの能力確認を済ませて早めに狩りに行こう」


「私の当たった魂は希少級でランク3の『賢い』ライトウィスプと、普通級でランク2のオオガラスとプリーストだったわ。主に光魔術と、法術という支援特化の魔術みたいなのを使うわ」

「俺は希少級でランク3の『器用な』ポイズンテンタクルに、『勇ましき』カエンギュウ。それと普通級のランク2のグラップラーだったな。基本的に前衛として戦うことになるな」

「僕は希少級でランク3の『大きな』ミミックと、普通級のトレジャーハンター、劣悪級でランク2の『臆病な』ウサギだったよ。多分やるのは不意打ちや感知とかの斥候系かな」


「なんか偶然バランス良く揃ってるんじゃない?」

「そうね。それぞれの性格にも合ってる気もするしラッキーね」

「それどころかアバターにも合ってるとかどんな偶然だ?」

「案外人外アバターには、形に合わせた魂が出やすい補正でもかかってるんじゃない?」

「それは……有り得るな。人外アバターの動かし方を学ぶためにも、多少なりとも出やすくなっている可能性はあるな…」

「まあ、考察はここまでにして狩りに行きましょう?」

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