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7:始まりの武具

 ーLHF 平原の街ドレイフー


  「そろそろ魂が欲しいけど、狩りの効率の為にも教えてもらった通りに、教会に装備を貰いに行こうかな」

  教会の場所は、あっちにあるみたいだね。というかこのゲームミニマップみたいなのが無いみたいだから不便だなぁ。


 〜少女 移動中〜


 ーLHF 正教会ドレイフ支部ー


  「ここが教会か、確かに装備を配布してるみたいだし貰いに並ぼう」

  なんか、まさに教会って感じの見た目だね。それにしても、正教会って名前はちょっと不味くない?まあ僕の気にすることでも無いし別にいいか。


「すみません、ここで装備を配っていらっしゃると聞いて来たのですが」

  「あら、プレイヤーの方?ええ、ここでプレイヤーの方々に装備をお配りしていますよ。欲しい装備の種類をおっしゃってください」

  この人がここの管理者の人かな?シスターって感じの服装の優しそうな人だね。ただ何か困っている感じがするけど、僕には関係ない気がするから、さっさと装備を貰ったら行こうっと。早く魂集めに行きたいし。


  「それでは、短剣と軽鎧をいただけますか?」

  「はいどうぞ。あなたのLvが5になるまでの間しか使えませんが、それまであなたを守ってくださる事でしょう」

  せっかくだから、鑑定してみようかな。


△△△△△

『始まりの短剣』武器種:短剣、位階:1、補正:ATK+5


説明:シンプルな見た目の短剣。新たなプレイヤーの為に生み出されたものであり、決して壊れず奪われることはない。


装備制限:Lv5以下

▽▽▽▽▽



△△△△△

『始まりの皮鎧』防具種:軽鎧、位階:1、補正:DEF+5


説明:シンプルな見た目の皮鎧。新たなプレイヤーの為に生み出されたものであり、決して壊れず奪われることはない。


装備制限:Lv5以下

▽▽▽▽▽


  最低限の情報は載ってるね。でも、鑑定屋の時とは違う表記だね。まあ検証しようにも、お金も無いから諦めるしかないね。Lvが上がったら使えなくなるらしいし。それに、この感じだと鑑定はLvが上がると見える情報が増えるのかな?となると最低でもランク3か4の魂を手に入れないとなぁ。


  「ありがとうございます」

  「いえいえ、いいのよ。お役目ですしね」

  そういえば、教会の人に会ったら聞きたい事があったんだった。


「その、少しお聞きしたい事が有るのですが、よろしいですか?」

  「ええ、答えられかは分からないけれど、何でも聞いてちょうだい」

  この人が優しい人で良かった。取り敢えず言ってみよう。


「魂を手に入れるのに、魔物や動物は倒せばいいのでしょうが人類種の魂を手に入れるにはどうすればいいのですか?」

「あら、知らなかったの?誰かのお願いを叶えると、報酬として魂が貰えるのよ」

  え!?魂が貰える!?どうなってるんだ、そのシステム!?


  「えーっと、それは相手が亡くなられるという事ですか?」

  「いいえ、違うわ。魔道に堕ちた者達ならともかく、人が人類種の魂を手に入れるのに相手を殺さなければならない訳がないでしょう?正神様が奇跡を起こして人類種の魂をくださるのよ」

  神様がそんなことしてるの、このゲーム。でも確か、最初に神の慈悲で魂を与えるとか言ってたっけ?それならこれも神様の仕事なのかな。この話もクエストの報酬で貰えることの仕組みの設定かな?それと聞き流したけれども、魔道に堕ちるってなんのことだろう?


「今、魔道に堕ちると言われましたが、どういう事なのでしょうか?」

「魔道とは、魔物達とそれを従える魔神達の仲間になる、という意味ですよ。人類種を襲う様になり、魔物に協力して人類種を苦しませるの。貴方は、まさか堕ちないわよね?」

  と、突然圧が増して怖い、めっちゃ怖いよこの人!!!この人狂信者だったって事!?だから神の使いみたいなプレイヤーに優しかったのか!取り敢えず返事しないと!


  「もちろんです。魔道に堕ちたりしませんよ」

  「ええ、ですよね。よかったわ、貴女を消さずに済んで。まさか嘘ではないでしょうし」

  怖っ、やっぱ怖いよこの人。今後教会には近づかない様にしよう。というか、もしかしてこの人滅茶苦茶強い?

 

  ま、まあ気を取り直して、ようやく魂集めが出来る。待ってろよ、僕のコレクション!

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