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10:永遠の黄昏、狂宴の歌ー2

 ーLHF 霧吹の黒い森ー


『良い匂いがするぜ!』『ここから漂ってきてるね』『甘くて美味しそうな匂いだよ』


 そう言いながら3匹の妖精がこちらに近づいてくる。そして、手が届くほどまで近くに来たところで…。


「かかったな!妖精共!今だムラマサ!」「おう!」


 仕掛けていた罠にまんまと引っ掛かった妖精共を、ムラマサの触手が絡めとる。


『なっ何をするだー!』『はなして!』『このっ!気持ち悪い!』


「上手くいったわ。ツクモのアイデアと技能のお陰ね!」

「ああ、いい作戦だったな。流石だな」

「ありがとう2人とも。それじゃあ此奴らから『薄暮の幻丘』への行き方を聞き出さないとね」


『お前らに話す事なんてねーぞ!』『今すぐ放せば許してやるわ!』『ベタベタする…』


「黙れ。お前たちに出来る事は『薄暮の幻丘』への行き方を喋るか、二度と喋れない体になるかの2つだけだ」


『なにい、喋れなくなったら困るのはお前らだろ!』『私達を傷付ければ精霊が黙ってないわよ!』『甘い物もはやく差し出せ』

 此奴ら元気だな。面倒だからさっさと吐いて欲しいんだけど。まあ騒ぐ元気ももうすぐ無くなるし別にいっか。


「ムラマサ、此奴らにそろそろ毒が回ったかな?」「多分大丈夫だろう」


『ど、毒!?』『この粘液ピリピリすると思ったら!』『さっさと治せ』


「煩いなぁ。お前らは後10分も保たないよ。この解毒剤を飲まなければ5分程で苦しくなり、そのまま御陀仏だ。さて、この解毒剤は1瓶しか手元に無くてね。最初に話した良い子にあげようじゃないか」


『う、嘘だそんなこと!』『絶対に話さないわ!』『……』


「嘘じゃないさ。ところで1番小さい君、何か言いたそうにしてるね。どうかしたのかい?」


『話すから私だけは助けて……』『なっ、巫山戯るな、ティゼル!』『そうよ!大精霊様の加護が無くなるのよ!』『そんなのより私が今生きるのが1番大事……。私達の住処への入り口は、2本の木が絡まって出来た空間に魔力を注げば門になる……』


 へえ。そんなファンタジーな感じになってるのか。


「それでは約束通り、この瓶は君の物だ。それじゃムラマサ、後の2匹はそのまま潰しちゃって」

「了解した。『触手技・拘束圧』」


『グ、グエエエーー…』『怨むわよ…。ティゼル……!』


『僕が生きるにはしょうがなかった…。それじゃ飲む……。ウッ』

 ティゼルとかいうらしい妖精が瓶の中の液体を嚥下すると同時に地面に落ち、苦しみだす。


『僕を…騙したな…!この下等生物が…!』


「はぁ?何言ってるんだ、この羽虫は。お前たちみたいな害虫を逃すわけないだろ?さっさとくたばって経験値になれよ」


『ク、ソ……貴様等に精霊の呪いあれ……』


 そう言い残して仲間を裏切った妖精も惨めに死んでいった。


[戦闘終了]

[経験値を獲得。それにより、職業:戦闘者のレベルアップ。職業:戦闘者がLv10になりました]

[職業:戦闘者がLvMAXになりました。下級職:剣士(ソードマン)槍士(スピアマン)斧士(アクスマン)盾士(シルドマン)槌士(ハンマーマン)が解放されました]

[ドロップ:『愚かな』フェアリーの魂、フェアリーの羽×2]


「ふーーっ、スッキリした!あいつら精神害虫過ぎるって!」「そうだな。ただ楽に倒せて情報まで手に入ったのは幸運だったな」「ねえ、2人ともー!終わったー?」


 アカツキは妖精の本性が見えてたせいで近付きたくないらしく、離れた所に居たんだった。

「終わったよー!」


「良かった〜。何事も無く終わったのかしら?」

「ああ、奴等の棲家への行き方は分かったし、特に被害もない」

「それは良かったわ!それじゃあ早速向かいましょう!」

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