エクストラエピソード:元メイドの結婚式
おひさしぶりです。皆様お元気でしたか? 私は元気です。
このたび「メイドさん」の書籍化が決まりましたので、せっかくだからエクストラエピソードを書いて告知したいなーっと思い、こうして筆を執りました。
詳細はあとがきにて。
「えぇーっ!? なによこれ、全然残ってないじゃん!」
悲鳴のような声が上がったのはとある田舎町の一軒家だった。
大きな旅行鞄をドサリと足元に置いた彼女は、ちょうど長旅からこの家に帰ってきたところだった——帰省は何度かしていたが、本格的な帰郷は5年振りだ。
「しょうがないでしょ、モナ。お父さんが調子悪くてさ……」
「そうだ。大体、お前が送ってきた金はこの家のもんだ。俺がなにに使おうと自由だろうが」
モナ——マークウッド伯爵邸で働いていたメイドであり、今回、ようやく結婚式を挙げるために実家に戻ってきた彼女は天を仰いで額に手を当てた。
「あきれた……。あたしの稼ぎって、そりゃまぁ大金を稼いでたってわけじゃないけど、毎月送ってた仕送りはそんなに小さいものじゃなかったと思うんだけど?」
確かにモナの稼ぎは一般的なメイドか、それより少し高いくらいだった。
だが5年も続けた仕送りは、積み重ねれば結構な金額になったはずだ。
そう、このガタガタのテーブルを買い換えたり、ギィギィうるさいドアを交換するくらいには。
家の中を見回す。
町の金物店として生計を立てているこの家は、モナが出ていったときよりもきっちり5年分老朽化が進んでおり、うっすらとした汚れがあちこちに溜まっていた。
なにも新しいものはなかった。
ガタガタのテーブルに載った壺―― 一家のお金を入れておく壺に、申し訳程度の銀貨が何枚か入っている程度。
自分が今年帰ってきて、結婚式を挙げることは当然両親は知っている。
「……ちょっとくらい、結婚式のお金をとっておいてくれてるんじゃないかとか、考えたあたしがバカだったよ」
「おい、モナ。お前勘違いするんじゃないぞ! 帰ってきた以上はこの家で暮らし、働くんだ! 穀潰しはお前なんだからな!」
「ちょっとお父さん」
「家の掃除して、洗濯して、それだけしか能がないお前に飯を食わせてやるのも俺なんだよ!」
「お父さんってば!」
「――出てくる。あたしの荷物に触らないでよね」
「待って、モナ!」
父を放っておいてモナは家を出た。
今まで何度か帰省していたのに、そのときお金の話をしなかった自分が悪いのかもしれない。
だがここまで両親が無計画だとは思いもしなかった。
「はあ……」
クレセンテ王国の首都、三日月都を思えば信じがたいほどにひなびた町だ。
道行く人たちは土埃で汚れているし、家々もくたびれている。
それでも、付近に散らばるいくつかの農村をつなぐ
「モナ姉ちゃん! 帰ってきたのか?」
やってきたのは数人の子どもたち。みんな汚れていて、ほつれた服を着ているが誰も気にしていない。
そのうちのふたりは弟だ。
しばらく見ない間にあっという間に大きくなるが、子どもたちを引き連れて遊び回っているところはなにも変わっていない。
モナとはだいぶ年が離れている。
「そいや、ルーカスの兄ちゃんがモナ姉ちゃんに会いたがってたぞ」
「うん。ちょうど行こうと思ってたから」
「結婚すんだろ!?」
「そうよー」
「赤ちゃんできんのか!?」
「バカなこと言ってないで遊んできなさい」
「べぇーっ!」
舌をでろんと出すと子どもたちは「ワァッ」と逃げ出すように散っていった。
「なーんも変わんないわね……」
凸凹の道を歩いていくと、向こうには両替商の店舗があった。
「やあ、モナ! 帰ったのかい」
線の細い、優しそうな青年がモナに気づいてやってきた。
モナの結婚相手であり、幼いころからずっといっしょだったルーカスだ。
「帰ってきたわよ。それがさぁ――」
ふたりで町を歩きながら話す。
モナは仕送りしておいたお金がなくなっていたことを話した。
「もう、ひどくない? いくらなんでもちょっとくらいは娘のために使おうって思うのが親心でしょ?」
「いやーははは……僕が家を継げればよかったんだけど」
ルーカスは次男なので、結婚とともに家を出る。
そこでモナの家の金物店を継ぐことになっていた。
なので、モナの両親からすると一気にふたりも、養わなければいけない人間が増えるというわけである。
「それはそうだけどさ……。まあ、こんなこともあろうかと多少のお金は持って帰ってきたんだけどね。お父さんに見つからないようにしなきゃ」
「……モナ、たくましくなったね」
「え!? べ、別に腕とか太くなってないと思うけど!?」
「そうじゃなくてさ。この町にいたときには大人しくて、こんな僕でも君を守らなきゃいけなかったのに……町を出てメイドになったら、どんどん強くなったなって」
「ああ……まあね」
メイドの世界は厳しい。
狭いお屋敷の中で人間関係が作られる。
そこでおどおどしていたらツライ仕事を任されるだけだったし、言わなければいけないことは口にしなければならなかった。
そしてそれだけではなかった。
「……あたしにも後輩ができてさ。ま、その後輩にはすぐに追い抜かされちゃったんだけど。それでも、形だけはその子の『先輩』だったから、あたしも背伸びしてがんばったのよ」
モナは思い返す。
小さいながらもすさまじいメイドのスキルでお屋敷をぴかぴかにしていった少女のことを。
彼女は、ニナは今ごろどこにいるだろう?
「ん……? そうか。家が汚いならあたしががんばればいいんだ!」
「え?」
「くっくっく……あたしが掃除と洗濯しか能がないとか言いやがったな……? そのスキルだって極めればとんでもないってことを教えてやるんだ!」
「モナ!? なんか雰囲気ほんと変わったね!?」
腕まくりして燃えに燃えたモナは大急ぎで家へと帰った。
それからのモナは鬼のように家中を掃除した。「そんなことやめろ」だの「ホコリが立ってかなわん」だの「うるさい」だの言う父親を最初は無視していたが、次第にうるさくなってきたので、
「アァ!? あたしがここに住むんだよ! 汚いところで暮らしたくないっつーの!」
にらんだら、父はぎょっとして二度と文句を言うことはなくなった。
それからというもの、家の中は見違えるようにキレイになった。
「ふぁ〜。なんだこりゃ。新築みてえ」
「だなあ」
弟ふたりもその変貌振りに驚き、
「脱ぎな。次はあんたたちだよ」
「げっ」
「やだ!」
嫌がる弟たちも頭から全部洗う。
持って帰ってきた石けんが力を発揮した。
そうなると、「金物屋の連中がこぎれいになってるぞ」というウワサが町に立つ。
父親はムスッとしたままだが、母親はうれしいらしく――石けんを借りて自分も身ぎれいにしたのだ――井戸端会議で自分が話題の中心になって生き生きする。
「次は……店ね」
モナは金物が並んでいる店へと入っていく。店番をしていた父が、
「なっ!? なんだモナ! お前!」
「……しばらく出てって」
「は?」
「あたしが掃除するっつってんのよ! 外で時間つぶしてて!」
「お前、父親にそんな口利いて――」
「はいこれお小遣い。じゃーね!」
父親に銀貨を1枚握らせると、店から追い出した。
「…………」
狐につままれたような顔で父は外の往来に呆然と突っ立っていた。
店がキレイになった。
ピカピカだ。
同じ売り物を並べていても、品質がよく見えるらしく、売上が伸びている。
「お父さん、メイドってのはすごいんだねえ。モナが来てからおうちはキレイになって、売上は増えて……」
「…………」
「そろそろ話したらどうです? お父さん、モナからの仕送りを結婚式にも使えるような服を買うのに貯めてたってこと」
「……言えるか、そんなこと。大金払った店が夜逃げして、なんも残らなかったってことまで言わなきゃいけねえんだぞ」
父はムスッとした顔でテーブルに銀貨を置いた。
モナから手渡された銀貨だ。
使わずに残している。
「――あー、なるほどね。騙されたっていうほんとのこと言うのが情けなくて、それで強気で押し通そうとしてたってわけか」
「モナ!?」
手に雑巾を持ったモナが陰から現れた。
「お父さん、バカだね」
「〜〜〜〜!」
父の顔が真っ赤になって震える。
だがその腕に、モナがそっと手を添えた。
「……ありがと。気持ちはうれしいよ」
「モナ……」
「でもどうせ『ふだんなら絶対手に入らないような布が今ならこの金額で!』みたいに騙されたんだろ?」
「!??!?!??!?! どうしてそれを!?」
「このバカ父ぃ! うまい話にゃ裏があるってことくらい、長年商売やってたらわかるでしょーがっ!」
「バッ、あ、アイツはな、古くからの付き合いで、俺を騙すなんてことは今までなかったんだっ!」
「その人が借金に苦しんでたとかあったんじゃないの?」
「うぐっ……」
ぱくぱくと父は口を動かしていると、表で「ごめんください」という声がする。
「きゃ、客だ! 仕事だ! いってくる!」
肩を怒らせてのしのしと歩み去った。
「……ったく、しょうがないなあ。そんなんで虎の子の貯金を使うなよ……」
「モナ、そう言わないでよ。お父さんはあれでもお前のためを思って……」
「そーやってお母さんが甘やかすから、お父さんはダメなままなんでしょ!」
「うう」
痛いところを突かれた母親は狼狽するが、
「そ、それにしても都会のメイドってのはすごいんだねえ! 見違えるほど家の中がキレイになったよ!」
「…………」
「ん? モナ?」
「……あたしなんてまだまださ」
前に比べれば見違えるほどキレイになった。
でも、もっとキレイになる。
それをモナは知っている——実際に、信じがたいほど美しくしていったメイドを知っているからだ。
がらーん……がらーん……と教会の鐘が鳴る。
町の人々が集まってくる。
今日はルーカスとモナの結婚式だ。
「よかったなあ、ルーカス。働き者の嫁になって帰ってきて」
「尻に敷かれるなよぉ」
「おいおい、とっくに尻に敷かれてるお前が言うのか?」
「あっはっは、違いねえ」
訪問客を相手にしているのは新郎のルーカスだ。
貸服店でいつもよりずっとマシな服を着ている。
その代金もモナが出してくれた。
「はあ……」
確かに、モナは働き者だ。
金物店が清潔で美しくなり、繁盛し始めたのを見ためざとい商店主が数人、モナに「うちも掃除してくれ」と頼んでいる。
そこがキレイになるとそこも売上が伸び、モナに依頼をする商店主がどんどん増えており、モナは毎日忙しく働いていた。
今や稼ぎ頭だ。
「おいおい、新郎がシケた顔すんなよ! あっちのバーベキュー行ったか? 美味い飯をこんなに用意しやがって。嫁さんに感謝だな!」
「あ、ああ……いや、まだですね。バーベキューなんて用意してたっけ?」
「おお、魔物肉だったがそれをさばいて焼いて配ってるぞ。子どもが大喜びだ」
頭の中に「?」が浮かぶ。
魔物肉? そんなもの頼んでないはずだが……。
「嫁さんはどうしてるんだ?」
「え? あ、えーと、今準備中ですね。あと30分もすれば出てきます」
「そうかそうか」
ルーカスは空を見上げた。太陽が高いところに上がっている。
結婚式を挙げるなら今日だろう、というほどに快晴だった。
教会の中庭はごったがえしていた。
両替商や金物店とあまり交流のない人々も集まっている。
「うまっ、うまっ」
「がっつきすぎだぞー」
子どもたちが大喜びで肉をほおばっている。
こんなに豪勢に肉が振る舞われることはめったにない。
ここぞとばかりに――それこそ1年分の肉を食おうとしているかのようだ。
「……どういうことだろう? モナが手配したのかな?」
ルーカスは首をかしげる。
こんなことをするなんていう話は聞いていなかった。
でも、モナなら――三日月都でメイドとして働いてきた、都会を知る彼女ならやりかねないと思った。
「――こっちはもう焼けたのです」
「――それじゃ持っていって! アストリッド! 次のお肉!」
「――わかっているよ。しかしこの魔物肉っていうのは筋が多いなぁ。ロイさん、どうにかならないんですか?」
「――しょうがねえな、下ごしらえは俺と代われ」
バーベキューを取り仕切っているらしいのはひとりの料理人と、3人の少女だった。
ルーカスは彼女たちに、この肉はどこから持ってきたのかを問おうとして――止めた。
そろそろモナの支度が終わるころだ。
「ふんふんふ〜ん」
「あら、ご機嫌じゃないの、モナったら」
「そりゃあそうよ。一生に一度しかないのよ、結婚式って。今日に浮かれないでいつ浮かれるのよ?」
「はいはい。――あ、そうだ。あたしはアンタんとこのお父ちゃんたちを呼んでくるからここで待ってな。顔は洗っときなよ?」
「はーい」
結婚式の手伝いをしてくれているお隣のオバチャンが出ていくと、モナはたらいに張ったぬるま湯でばしゃばしゃと顔を洗う。
すでに肌着一枚の姿だ。
後は、今日のための外出着に袖を通し、髪を結って化粧をすれば準備は完了。
「えっと手ぬぐい手ぬぐい……」
モナがたらいのそばに手を伸ばすと、スッと横から手ぬぐい——いや、柔らかな布のタオルが出てきた。
「? なにこれ、こんなタオルあったっけ?」
そう思っていると、髪に手を当てられてスッスッと櫛が通り始める。
「あら、オバチャンったらウチの親を呼びに行ったんじゃなかったの?」
顔を拭くと、あまりの心地よさ。なんだかいい香りもする。
おかしいな? とモナは思う。こんな上等な布、ウチにはなかったはずだ。いや、それどころかこの田舎町では手に入らないだろう――そう、それこそ三日月都の貴族家くらいしか。
顔を拭いて横に目をやると、カゴに入った今日の服――外出着があるはずだった。
が、違った。
まぶしいまでの純白の布をふんだんに使ったドレスが置かれてあったのだ。
しかも一流の針子が作ったであろうレースもふんだんにあしらわれている。
「え!? なにこれ!?」
次の瞬間、モナは自分の肩に触れるふわりとした感覚に気がついた。
それが、いつもの自分のごわごわとした髪の毛だとわかるのには数秒必要だった。
あれよあれよと言う間に髪は結われ、複雑な形でアップにまとめられ、そこに生花がアクセントで付けられる。
「え!? え!? オバチャン、いったいなにが――」
「――とってもおきれいですよ、モナさん。さあ、あとはお化粧をしましょうね」
「!!」
声を聞いて、どきりとする。
いまだに幼くて、柔らかくて、人の良さがにじみ出ている声。
メイド時代に何度も自分を助けてくれ――自分のほうが先輩なのに、自分よりもずっとずっとすごかった後輩の声。
「ニナ……?」
振り返ったそこにいたのは紛れもなくメイド。
モナが生きてきた中で、最も優れて最も輝いていたメイド。
ニナだった。
「旅の途中でロイさんと偶然会って……それでモナさんの結婚式のことを聞きまして。いてもたってもいられずに来ちゃいました」
「ニナ……ニナぁぁぁぁあああああ」
両目にたっぷりと涙が浮かんだモナは、ニナに抱きついて泣き出してしまった。
「会いたかったわよぉ! 勝手に、お屋敷からいなくなっちゃってぇ……!」
「……はい、あのときはごめんなさい」
「今日はずっといるの……?」
「はい。います。何日か滞在する予定です。ロイさんも来ているんですよ? 教会で皆さんにバーベキューを振る舞ってくださっています」
「久しぶりにロイさんのご飯食べたくなっちゃった」
「わかります。わたしもです!」
ふたりは顔を見合わせると、ふふっと笑い合った。
「さあ、時間がありませんよ、
「うふふ。ニナに言われるとほんとうにお貴族様のお嬢様になった気分ね」
――その日、見違えるようなモナを見た町の人たちは向こう何年も話題にすることになる。
あれは、まるで天からやってきた貴き人のようだった、とか。
あんまりキレイで町中の女が嫉妬し、町中の男たちは恋に落ちたんだ、とか。
ルーカスが言った「僕が生まれてきた最高の幸運は君に出逢えたことだった」というセリフを吟遊詩人が耳にして、歌になっちまったんだ、とか。
そんな歯の浮くようなセリフですらみんな納得するほどキレイだった――とか。
一日にして町の主役になってしまったのは間違いない事実だった。
でもそれ以上に、主役であるモナがうれしかったのはニナと再会できたこと。
その日は新婚初夜だというのにルーカスそっちのけでモナはニナとベッドに寝転がって夜遅くまであれこれとおしゃべりをして過ごしたのだった。
「――それじゃ、またね。ケガも病気にも気をつけてね」
「はい。モナさんもお元気で……」
「次に会うころにはあたしの子どもを見せられるかもね」
「! とってもとっても楽しみです!」
モナに別れを告げ、ニナたち一行は馬車に乗った。
町の入口で、いつまでもモナは手を振っていた。
さっきはああ言ったものの、ほんとうはわかっている――ニナはメイドだ。それもすばらしい腕を持った。
だから彼女はきっとどこかのお屋敷で働くことになる。
そうしたら休みが取れるのは年に1回か2回。そのときに、こんな辺鄙な町に来ることはないだろうと。
「……きっとまた来ます」
でもニナは、そう思っていた。心の底から信じていた。
「いい先輩だったのね」
と同じ馬車に乗ったエミリが言った。
「はい。とっても……。マークウッド伯爵様のお屋敷で、モナさんだけがわたしの力を買ってくださっていた、すばらしい先輩でした」
「それはさすがに……周りの目が節穴だったんじゃないかって思うけどね」
アストリッドが苦笑すると、
「ニナももうちょっと働く場所を選ぶのです」
ティエンまでそんなことを言った。
ちなみにロイは仕事の関係でとっくに町からいなくなっているが、ロイもいたら苦笑しているか同じことを言っていただろう。
「さ、次はどこに行くんだっけ?」
気を取り直したようにエミリが言うと、
「次はまだ決まってなかったじゃないか。今日到着する宿場町がちょうど分かれ道だから、そこで決めようって話で」
「チィはニナといっしょならどこでもいいのです」
「わ、わたしも皆さんといっしょならどこでも!」
「いや、旅にでようっていう言い出しっぺのニナにそれ言われちゃうと元も子もないんだけど」
4人の旅はまだまだ続くのだった。
2022年7月15日にアーススターノベルさんから書籍化が決まりました!
イラストはキンタさん。めちゃくちゃ雰囲気あってすばらしい表紙になりましたので、このページ下部にある表紙書影も是非みてくださいませ。
これにあわせてタイトルもちょっと変わりましたが、まあ卓越したメイドスキルの前においては些細なことです。
書籍版はWeb版から結構改稿しており、なんとこのエピソードの主役であるモナがいません。でもどこかでこのモナの結婚式エピソードは書きたかったので、今回エクストラエピソードとさせていただきました。
専門店で特典エピソードがあったり、初版本にはすべて特典エピソードを封入していたりといろいろあるので、もしご興味あればお読みくださいませ。SSだけで7本書きました。2万文字以上……。
メイドさんは思いがけないほど多くの方に読んでいただけたようで、望外の喜びです。ニナの物語を書籍版でも是非お楽しみくださいませ。