12月20日:快刀乱麻を断つ
やっぱGP会場の床はよく馴染むぜェ〜〜!!(出かけた先の床で書くのが一番捗る)
規格外武装:太刀型【ハービンジャー】。
墓守のウェザエモン撃破報酬であり、彼がその墓守の終わりまで振るった名刀【ヴァンガード】の兄弟
尤も、最早それ以上の何かと化していた【ヴァンガード】とは別物、というよりも"別物と化す"前の弟機と同型、が正しいのだが。
「世界は広いよ王認勇士! 城一番の力自慢じゃ老後の自慢にもなりはしないってね!」
戦術機用の武装を可能な限り生身で扱う
【ハービンジャー】は「ウェザエモン」という強化装甲による運用を前提としたもの。当然生身の……際立って長身というわけでもないペンシルゴンではその長さを大きく持て余す。
だが、
「重い………?!」
されど、あくまでも振るのはアーサー・ペンシルゴン。彼女自身の膂力に依存するはず。
開拓者の見た目とその身に秘めた力が釣り合っているとは限らない。だがそれを差し引いても自分が押し込まれている、という事実にアルブレヒトの眉が顰められる。
事実、ペンシルゴンのSTRは高レベルプレイヤーとして相応の数値ではある。だがシステム的にはアルブレヒトのパラメータはそれを上回っている……では何故。
◇
人が怪物と戦う時代。
それはシャングリラ・フロンティアの世界観においてはSF的文明を擁していた神代であっても古代、現代と共通していた。
だがその全てが現代で言う「始源」に縁ある存在であった神代において、その実力差はあまりにも大きく開いていた。
そんな中で、神代最強の一個人たるウェザエモン・天津気を一騎当千とさせる上で設計された様々なコンセプト・ウェポン。
画一的な規格とは異なる特注品であるが故の"規格外"……【ハービンジャー】もその一つである。
規格外武装:太刀型【ハービンジャー】。
刀身を形成する蒼はある"
端的に言えば。
【ハービンジャー】は固体と液体、二つの性質を両立させているのだ。
液体を切り裂いたとて、二つに分たれた水溜りは触れ合えばまた一つとなるように。
極めて強固な固体が、如何なる衝撃に対しても決してへこたれることのないように。
柔よく剛を制し、剛を以て柔を伏す。故に【ハービンジャー】は決して打ち負けない刀となった。
固体であることと、液体であることを両立させる認識付与。神代においてただ一人「この矛盾はこの星において矛盾たり得ない」と理解できていた
そして、「決して打ち負けない刀」となった【ハービンジャー】はもう一つある性質を持つ。
打ち負けない、すなわちぶつかり合った時に
人類の勝利の"先触れ"となりし刀は、使い手が地に足つけて踏ん張る限り……前へと進み続けるのだ。
◇
一定以下のノックバックの無効化、それが【ハービンジャー】に備わったもう一つの能力。
システム的に言えば「プレイヤーの身体が地面から浮かないノックバック」を全て無効化する。
そしてこのノックバックはよろめく、倒れる、怯むなどもモーションだけではなく……例えばそう、「鍔迫り合い」もまた力負けすればじりじりと
「くっ………!」
「どしたのアルブレヒト! これじゃあ追い込んでっ! あとは落ちるだけだよ……崖の底へっ!!」
天下無双の剛力を持って押し込めども、相手が退かないならば壁を手押しするに等しく。そしてアルブレヒト自身のスタミナも無尽無限ではないが故に、ジリジリとアルブレヒトが膂力で数段劣る筈のペンシルゴンに押し込まれていく。
『アルブレヒト!』
騎士の側に立つ乙女、ジゼルの声に焦りが混じる。
ジゼルは英雄を見送る者の、しかし共にありたいと願う想いの結晶。後者故に共にあり、そして前者故にジゼル自身から直接敵に干渉する術を持たない。
ジゼルが外部に干渉するためには、アルブレヒトという変換器が必要不可欠なのだ。
金属と金属が軋み、しかし決して敵の
実のところを言えば、【ハービンジャー】のノックバック無効化の攻略法は実にシンプルである。使い手の総重量を地面から離す膂力で吹き飛ばせばいい。
極論、生身で無理矢理【ハービンジャー】を運用するペンシルゴンにタックルでもして転倒させればいいのだ。
だが、それはあくまでも客観的に全ての情報を把握していればこそできる対応。NPCであろうと知らない情報を持ち得ない、持たせないシャンフロにおいては最強の
そして、騎士道精神も紳士的精神も持ち合わせていないペンシルゴンである。
にやり、と笑う顔は優勢を誇るものだろうか。
否、
(───勝機)
ハービンジャー、強いんだか強くないんだかって感じだけど生身での運用がそもそもイレギュラーですからね
本来は戦術機運用想定なわけで
つまり地盤ごと抉って吹き飛ばすような攻撃でもなければウェザエモンが絶対倒れず後退しない恐るべき刀
偉業ゆえの追加効果