12月20日:再演・300リミット狂騒曲
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オルケストラ撃破報酬である
一つ、目に関するスキルを使うとストックされる「開眼カウンター」を使うことで次に使う目に関連するスキルの効果を上昇させる。
二つ、体力が5%以下になると「炭羽カウンター」が一つストックされる。こちらは上限五つまでストックできる、
そして三つ、炭羽カウンターを使うことで一つにつき60秒間全ステータスが1.5倍になる特殊形態「
炭羽カウンターを貯めるにはHPを5%以下と以上でシャトルランさせなければならない。その為の
ガル之瀬、奴の対人性能は高い。あんな重装甲で俺が避けきれない攻撃をちょくちょく繰り出してくるのだから……ダメージ調整にちょうどいい。体力全快したところで5%以下に持って行くリスクが高まるだけ。10〜15%のラインで三途の川をシャトルランすれば炭羽カウンターの条件を満たせる。
おっと、三途の川をシャトルランしたら死んでるか?
とはいえ五分、五分か………今は懐かしきあの時を思い出すな。
俺の方があのイビル盆栽の側に回ってる気がしなくもないが……あいにく手持ちの得物を落とした程度で泣きは入れないぜ。
「さぁて……一応要望があるなら聞くぜ?」
「……何を?」
「
虚空を蹴り、
アラドヴァルと皇金剣をガル之瀬へと叩きつける。
「斬殺は無しと言えば縛りになるか……?!」
「トドメがデコピンになるだけだァ!!」
受けるのは不味いと判断したか。二連斬りを受け止めるのではなく、バックステップで回避したガル之瀬がメイスで俺の頭を狙う。
だが残念だったな、全ステータスが1.5倍………実はこれ、
「HPMPも含まれンだよなァ!」
二連結同調「
効果はシンプル、MPを燃料に爆ぜて走る加速!!
たった一歩のバックステップ、ただそれだけのモーションに文字通りの意味で爆発的加速が乗る。爆風がガル之瀬の全身を叩き、「ステップする」と「吹き飛ばされる」という違いこそあるが、互いに後退して距離を離す。
魔法戦士とかがMP満タンの状態で使えば殺傷力も増すんだろうが、俺の「ちょっと残ったMP」ではノックバックがせいぜいか。
だがその距離があれば問題はない。軽く放り投げたアラドヴァルを
「ここからは超急戦、前のめりに加速していけ!」
回収者を射出、狙うのはまだガル之瀬に当たりもしていないアラドヴァル!
排魔加速でMPがすっからかんな以上【
アラドヴァルがガル之瀬に当たる
「く……!」
思わず、といった様子で盾を構えたガル之瀬に剣を振り上げ……
直進軌道がいきなりガル之瀬を中心とした円周軌道へと切り替わる。
この対戦の最初に試した時は肘で弾かれる、なんて超曲芸を見せつけられてしまったか……ちゃんとできるか抜き打ちテストだ。
「最初はラッキーパンチかぁ!?」
アラドヴァルで一閃、ガリガリと
だがそれでいい、アラドヴァルの能力は統合と追加を経て理想的使いやすさに到達している。
短期間で強化を重ねたが故に、使い勝手の悪化を懸念していたが(特にビィラックが作る武器は上振れ重視で使いやすさがカス、みたいな極端な性能になる
普通の強化や真化とは異なる神化であるからなのか、あるいはビィラックの設定する性能よりもアラドヴァル側が指定する性能が優先されるのか。
元々は【
「
……使いづらさは大概変わってない気もするが、まぁいいさ。
だとしても札束で
「斬れば斬るほど斬りやすく! 熱く! そして───」
ここまで面倒を見てようやくこいつは自分が「剣」であるという自覚をした。
「───「
諸事情により必殺技からゲージ技に降格した
本来届かないはずの距離から飛来した斬撃、ガードこそすれガル之瀬の挙動にノイズが走ったかのように澱みが生まれる。
【翔け刃音】の着弾分も含めて刃が纏う炎の色は赤、一番威力の低い倍率だがその分すぐに撃てる、速射に秀でる。
堅牢な盾、言い換えれば多少殴っても壊れないサンドバッグ。
「簡単に死んでくれるなよ……せっかくの五分、満喫しなきゃなァ!」
とっ散らかっていた能力の統合と調整がされ、その上で竜滅装備としての能力が追加されている
・「
厳密には【刃点火】と「焔爆」と「焔研」の統合によるパッシブスキル。
斬る度に「焔」が加算され、四段階の炎を纏う(赤→青→銀→金)。
初期段階では切れ味が極端に低いものの「焔」の段階が上がるほど刃は熱く鋭く研がれていく。
この「焔」は厳密にはアラドヴァルにストックされた魔力。
・「
燃える飛び道具、「
大体気刃斬り、ゲージを貯めてぶっ放す。
サンラクは焔研が統合されたものと勘違いしているが、厳密には既存能力三つの統合された「熾」に
・【
投げる→当たる→再起動→戻ってくる。従剣劇で使うといきなりオート操作に切り替わったりするので案外使い勝手が悪い。
・【真説解炎】:トマホーク
【竜魂解禁】と効果は同じ。要するにリミッターを解放しますよ、という宣言。今からでもファイナル・エンドってルビ振っちゃダメ?ダメか、はい。
背後に浮かぶ竜の
・【?????】
竜滅装備化した武器には基本的に二つ能力が付与される。
この竜滅装備化した際の追加能力の
アラドヴァルの場合は小技と大技。つまり
気づけば900話、ということでちょっと深く世界観について説明。
これはコミカライズ版の描写も込みで考えた設定ですが、シャンフロ(ゲーム)世界には虫とか獣とかそういう種族カテゴリとは別にもっと大カテゴリでモンスターを分けることができます。
コミカライズ版のモンスターを見てる時に「なんかこいつ画風違くない?」と感じたことはありませんか?ちょっとデフォルメが効いたモンスターと、そうじゃないモンスター、というか。
あれは種族、生物としての発生よりもさらに前の段階でカテゴリが違うのです。
原作最新話まで読んでいる読者の方々ならご存知かと思われますがこの世界は惑星のど真ん中にジュリウス君の脳みそが座薬じみてぶち込まれており、それが「思考」することでマナの動きを
ジュリ脳は始源に対する楔としての機能がメインですが、同時に「次の生態系」にも影響を与えています。ゴブリンやらデュラハンやらイエティやら、いわゆる「地球産ファンタジー」のモンスターが存在するのはジュリ脳の中にある記憶、あるいは記録が影響しているためなのです。
つまり今のシャンフロ(ゲーム)のモンスターって大体ジュリ脳から抽出されたイメージの産物なんですね。
だからドラゴンやワイバーンがいる世界観なのに恐竜なんてものがいるわけです。
一方が「ジュリウスのイメージに影響を受けたモンスター」ならもう一方は何か。言うまでもなく「そうじゃない奴ら」です。
ユニークモンスター、レイドモンスター、妄執の樹魔のような「
イメージから生まれた奴らと比べてなんかちょっと解像度というか
真なる竜種はそこらへんちょっとややこしくて、異物であるジークヴルムの要素を持つ「生態系」に属する存在、というか。厳密には「生態系」内からさらに発生した別カテゴリというか……見た目も出自も言語化の難しい面倒臭い奴らめ……
あ、人類とヴォーパルバニーは後者カテゴリだよ。バリバリの異物。