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お前そういうところだぞ

悪党(ローグ)の仮面を被った、ライダー………!(非常に精神的につらい)(スクラッシュドライバー勢も強化して)


今日は更新サボるつもりだったけど推しがつらいので初投稿です

なおタイトルは書いてる時に作者が思ってたこと


「……それでですね、七体目のモンスターが人型の木のようなモンスターで」


「あー、もしかして妄執の樹魔(ルーザーズ・ウッド)ってやつ?」


「は、はい! そうです、ご存知なのですか?」


「まぁね、俺が「招待」をクリアした時のラストがそいつだったんだ。あいつは杖を強奪すれば目に見えて弱体するよ」


「成る程……試して、みます」


爆弾発言事件があったせいで色々とゴタついたものの、なんやかんや今一番力を入れているゲームという共通を持つ同士であるからして。

順調にヴァッシュが課す課題を突破している斎賀さんと登校しつつのシャンフロトーク。


「あぁそうだ、後で旅狼のグループチャットにも流すつもりだったけど拠点の目処が立った」


「そうなんですか?」


「おうとも、前々からルストモルドへの協力報酬渡すためにクランハウスの設立は急務だったからなぁ……」


ルストとか「ロボ使えるようになったら呼んで」とか言ってログイン率露骨に低いし、その代わりネフホロには確実にいるので結構な頻度でボコられている。

装備縛りが消えたからか最近は精力的に新機体を試しているようだ、次は全身武器な機体で初見殺ししてくれようか……


「えと、その……ルストさん、とはどこでお知り合いに?」


「え? あー……別のゲームでね、ネフィリムホロウってゲームなんだけど……まぁ割とマイナーゲームだったし」


「……し、知ってます。マネキンみたいなロボットに乗るゲーム、ですよね?」


「え、知ってんの?」


割とマジでビックリした。俺が驚きの目で斎賀さんを見つめると、彼女はどこか恥ずかしそうに目を逸らしつつも口を開く。


「その……操作方法に慣れることができず、ストーリーも半ばで放置してしまってるのですけど……」


「いやあれはしゃーないよ、対人のランカーとかは当たり前みたいに動いてるけどブースターの位置とか把握した上で自分の身体のように動け、ってシステム自体が人選ぶからなぁ」


新作を出すらしいけどそこら辺は改善するんだろうか、下手にプレイヤー寄りにし過ぎると世界観としての魅力が減るから1ユーザーとしては程よく動かしづらい辺りを望んじゃうな。


「あの、えと、その……もし機会がありましたら、ネフホロの操作とか教えていただけたり……」


「ん? 別に構わないけど……それならルストとかモルドの方が教師に向いてるかもしれないけど?」


最近知ったがモルドもモルドで普通にネフホロに適応したプレイヤーなんだよなぁ、本人のオペレーター適性がそれ以上ってだけで。

「久しぶりに操り手(パイロット)やるなぁ」とか言いながら新規を軽くあしらう様は強キャラ感があって凄かった、だがどうもちょっと前に俺が敢行した「対モルド封殺法」が新規の間にも広まっていたらしく、音声通信を迂闊に開いたモルドは相手プレイヤーが矢継ぎ早に繰り出すダジャレで自爆していた。


「まさかあの作戦をやってくるような奴がサンラク以外にいたとは」との弁解をルストにしていたが彼は分かっているのだろうか。

かつて無敵を誇ったルストを支える右腕を効果的に封じる手段として、ランカーの殆どがそれを実行しようとしている事実に。


「いえ、あの……そ、そう! 陽務君とはこうやって会えますから、その……予定の兼ね合いとか……」


何故か顔を背けながらそう説明する斎賀さん、まぁくしゃみとかあくびとかそういうのを見せないようにする作法的なあれそれだろう。うちの妹はそんなこと知るかと言わんばかりに堂々とくしゃみするけど。


「成る程……俺でよければ付き合う(・・・・)けど」


「つっ………………………………………ソウ、デスネ……いつか、付き合って(・・・・・)いただけましたら、その時に……」


なんだかもの凄い「間」があったが、斎賀さんって割と会話中にローディング入るしサイガ-0の時もそうだったからそういう性質のお人なのだろう。









そして俺は拘束され、連行された。


「朝練帰りの陸上部を徴兵するのは卑怯だろ!」


「彼らは志願兵(ボランティア)だからセーフ、取り調べすっぞオラァ!」


自分の席に座らされた上で囲まれた俺は、忌々しげに取調官共を睨みつける。いざという時は雑ピの最新作「ラヴィニュー・ひまわり」を朗読して反撃してくれる……!


「実際のところ、お前と斎賀さんってマジで付き合ってんの?」


「いや別に? 共通の話題があるだけだって前も言わなかったか?」


「その共通の話題ってなんだよ」


「俺はほら、プライバシーの守護者だから……」


「俺のプライバシーは守らねぇじゃねーか!」


あ? 雑菌ピアスがほざくじゃねーか。


「黙れラヴィニュー・ひまわり」


「ラヴィニュー?」


「ラヴィニュー……?」


「ばっ……おまっ、どこでそれを……!」


「お前書きかけのポエムページ開いたまんまトイレ行ってるだろ、迂闊すぎんだよ」


席の位置的にお前が離席すると思いっきり見えるんだよ。


「───きらめく太陽の光、僕は君に目を奪われたひまわり畑の一輪……」


「みんな、寄ってたかっての取り調べは人道に反すると思うんだ。このくらいにしよう」


「いいや違うぞポエマー、これは単に選手交代なだけさ……取り押さえろ!」


「な、なにぃ!?」


立場を逆転させ主導権を奪い取った俺が浮かべる笑みに顔をひきつらせる哀れな羊。さぁ、楽しい楽しい黒歴史暴露(ポエム朗読会)を始めようじゃあないか……!

とはいえスケープゴートで話を逸らすのもそろそろ限界だな……



なおポエムそのものは割と出来がいいんじゃないか、という結論になった。







「おはよう玲」


「あ、おはようございます頼花さん」


「聞いたよー? 噂の彼氏さんと一緒に登校してきたんだってぇ?」


「かっ……!? ち、違います! そんな、えと、あう、その……そう! 友達です!」


「ふぅぅん……? でももっと仲良くなりたいとか思ってるんじゃないのー?」


「それは、その………………ハイ」


「マジか……これは波乱の予感がするわね」


「波乱、だなんてそんな……」


「玲がご執心ってだけで噂の彼の注目度が上がっ……待って玲、真顔で(オーラ)を高めないで。クッ、素人でも分かる威圧感が……っ!」


「…………」








最近観察されるような視線を多く感じるなぁ、と思いつつも下校。ヒィヒィ言いながら走り込みしている陸上部(捕獲班)にもっと苦しめ……! と邪念を送りつつ歩いていると、明らかに高級そうな車が俺の隣で停車する。

ていうか左ハンドルって外車? え、なんで?


「あの、陽務君……」


「あ、斎賀さんか」


斎賀家のパワー(主にマネー的な)が物理的に顕現したかのような車に慄いていると、後部座席の窓が開いて斎賀さんの顔が出てきた。


「その、今週の土日……一緒に、シャンフロをプレイしませんか?」


「え? あぁうんそれは構わないけど……」


何を今更、割と結構な頻度でログイン時に遭遇してる気がするが……あぁ、一緒に狩りをしようとかそういう感じかな?


「うんオッケー、あーでも確か新大陸行きの調査船が出港するのが日曜だっけ……?」


「……? 新大陸調査船に乗るんですか?」


「あーうん、クエストを受けてね……レイ氏、じゃないや斎賀さんってまだ新大陸には行ってないんだっけ?」


「そう、ですね……うん、多分大丈夫です。乗員リストにねじ込める(・・・・・)ので私も、乗れます」


「へー、それは良かった」


……ん? なんか会話の流れが一瞬バグったような、気のせいか? まぁいいや。


「じゃあ土日に、事前にメールしておくよ」


「は、はい!」


しかしガチ廃人からのお誘いか……なんか散歩に行く気軽さでスローター提案してきそうだな、今のうちにライオットブラッド買っておくか?


非常に怪しい経緯で手元に届けられたもう一本のリボルブランタンはまだ飲んで(キメて)いない。

まぁそんな、クターニッドクラスの相手と戦うことなんざそうそう無いだろうしな。


水晶群蠍はなんかもう慣れた。



得間(えま) 頼花(らいか)

いわゆる「攻略対象の友達ポジションの非攻略キャラ」、塚原パイセンみたいなやつ

「皆斎賀さんばかり注目してるけど、俺はお前の魅力に気づいてるぜ……」的な人気が高く、実は潜在的な人気はヒロインちゃんより高い。ヒロインちゃんの人気が実は低い、というより20thシークレットレアが高すぎるから隣にあるシークレットレアで妥協する感じ。

理想のタイプは「俺様王子系」、金持ちならなお良し。ヒロインちゃんと噂になった主人公のことをいろいろ調べているが、闇が深いのは自分の隣にいるやつだという事実には気づいていない。



個人的にはアルティメットレアが光り方的に一番好きなんですけど亜20thシクとかお値段どうなっちゃうんですかねぇ……

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