<< 前へ次へ >>  更新
287/909

エピローグ 広がる竜災戦禍

設定特盛りダイナマイッ(断末魔)


書きたいこと多すぎて咽び泣いていたのですが心の中のアーノルド・シュワルツェネッガー(コマンドー)が「だったら全部書けばいいだろ!」と激励してくれたので全部書きました。

・赤竜は舞う、舞い上がる木っ端の輝きも知らず



「───救援要請(へるぷみー)……第二百三十二試行、失敗。送信装置の破損は確定的であるとする」


人形は表情を変えない。己の声が届かないのであれば、上ではなく己自身を見るしかない。


───過剰衝撃による右腕部の欠損


───想定されてない使用法による左手部の磨耗


───耐久超過加圧による両脚部の粉砕


───想定外遭遇への対処による武装の破損


───回収目標……損傷無し


なんて事はない、満身創痍(至急修復の必要あり)な現状がより詳しく分かっただけであり、人形は無表情のままさてどうしたものかと思案する。

人形は己が存在する理由を果たすべく稼働していた所を紅蓮の炎の如き赤い(・・)竜……共有データベースを参照した結果、個体名称「ドゥーレッドハウル」と遭遇、ある理由から全力を出せなかった人形は四肢の欠損、武装の散逸を代償としてなんとか生存に成功していた。


大質量の「尾」による衝撃より吹き飛んだ右腕。超重量の「足」によって踏み潰された両脚、武装は「鱗」を穿つために失われ、「息吹」から逃れる為に崖から飛び降り……人形ともう一人分(・・・・・)を支えた左手は岩肌を無理やり掴もうとして削れ切ってしまった。


そして見方を変えれば、人形に命を助けられたとも言える回収目標(ターゲット)はと言えば。


「い、いいかげんはなしなさいよおっ! ううっ、なんでわたしまでこんなぁ……」


回収目標(ターゲット)重要度(ランク)総動員級(フルスクランブル)」、もし貴女が当機(ワタシ)との言語的相互理解を許容するだけの理性レベルを持ち合わせているのならばこの場から動かない事を推奨いたします」


「いやよ!こんなところに、ながいなんてしたくないわっ!」


こんなところ(・・・・・・)だからです。ここは……」


次の瞬間、土砂崩れのような音と轟音が響く。だがそれは崩落の音ではない、それは進撃(・・)である。

太陽の輝きを受け、青と緑を混ぜ合わせたような色に輝く水晶の大地、夜になれば月の輝きを受けて炎と見間違うばかりの鮮烈な赤い輝きを放つ場所へとその姿を変える神秘的な台地……の、下。


宝玉の大地を囲うように抉られたドーナツ状の渓谷。既に抉られきったその場所を更に掘り起こしてやる、と言わんばかりの大質量による蹂躙が渓谷と大地の境界に出来た僅かな窪みの中にいる人形と回収目標の前を通過する。


「ここは地形名称「シグモニア前線渓谷(フロントライン)」、大地を穿つ大砲百足()の巣です」


「ぴょあぁ………!?」


ゲームとして設定されたその名はトレイノル・センチピード・グスタフ。

魔境たる深海にてそこそこの強さを誇るアルクトゥス・レガレクスに匹敵する巨体で大地を爆走するその様は、まさしく線路という枷から逃れて暴れ狂う暴走特急と呼ぶべき猛威である。

その背部の甲殻から突き出した明らかに砲撃(・・)を想定した筒状の突起だけが通常の百足と大きく異なる姿を形成していた。


だが、中央に宝玉を戴くこの円形渓谷において、トレイノル・センチピード・グスタフは頂点を独占する存在ではない。





「警告します、どうやら開戦(・・)したようですね……要塞蜘蛛です」


宙を切り裂き飛翔する砲弾(・・)、着弾と同時に強い粘着性を持つ糸を固めた弾丸に張り付いた子蜘蛛が一斉に爆裂し、トレイノル・センチピード・グスタフの甲殻に衝撃を走らせる。


大百足と対峙する姿はその名が示す通りに巨躯を誇り、全身に張り巡らされた微細な毛(とはいえサイズ比的に人の腕ほどの太さはある)に幾百、いや幾千もの子蜘蛛を張り巡らせたそのモンスターの名はフォルトレス・ガルガンチュラ。

己の子を、番いのオスを「兵士」として……時に「武器」として用いる事で生物としては最高クラスの肉体という武器を持ちながら、さらなる武装(・・)を自らに施す性質を持つ要塞の如き蜘蛛である。


共に虫、言葉はなく咆哮もない。

ただ関節から過密なまでに搭載された質量を軋ませ、ギチギチと音を立てながら蜘蛛と百足が相対する。


見上げるばかりに巨大なそれら二体と比べれば、余りに矮小な人形と回収目標が見守る中、二体は激と




「……ねぇ、もっとおおきなくもとむかでにふみつぶされてるんだけど」


「───回答。要塞蜘蛛の女王個体(・・・・)、及び大砲百足の牝個体(・・・)と推測……当機は現時点を以って継続的稼働を困難と断定、他機(しすたー)達への情報継承プロセスを開始……ピーガガー」


「ねぇちょっといろいろあきらめてない!? いやぁぁぁしにたくなぁぁあい!!」


ここはシグモニア前線渓谷(フロントライン)、フォルトレス・ガルガンチュラとトレイノル・センチピードが熾烈な縄張り争いを続ける新大陸屈指の危険地帯。





そして


渓谷の中心に戴かれし帝宝石(・・・)の王冠より、「蠍」はそれらを睥睨する───












・青竜は晒す、その身は死して糧となる



新大陸、誰も知らない海岸にそれは打ち上げられていた。

スレーギヴン・キャリアングラーの眷属に全身を食い千切られ、アーコリウム・ハーミットが生成した己にのみ致命の効果を発揮する毒性生物を撃ち込まれ、そしてアトランティクス・レプノルカによって命を刈り取られたその姿は無残の一言に尽きる。


その屍の名はエルドランザ、かつて我こそが大海の覇者と唱えたドラゴンの成れの果てであった。

このシャングリラ・フロンティアにおいて深海エリアとはまごう事なき魔境である。ある人物によって明らかに偏ったバランス調整を施された三種類のモンスターは、それこそ海底でありながら地上であるかのように動ける場所でなければまず勝てない……そんな性能をしたモンスターが密やかに、だが確実に潜んでいる。


そしてエルドランザは己の高慢に目を曇らせ、それら三種に一度に喧嘩を売るという愚を犯してしまった。


その成れの果てが海岸に打ち上げられた。だが、この場所を知る者はいない。それは地形的な理由であり……



同時に、知った者が(・・・・・)生きていない(・・・・・・)という理由もあった。



ジジジ、ジジジジジジッ、ジジッ



───それ(・・)は、酷く飢えていた。


空腹であるとか、栄養が不足しているとか、そういった生易しいものではない。

体積が足りない、容積が足りない、己を構成する何もかもが足りていない。

たまに迷い込む餌ではあまりに少なすぎる。身を切り詰め、かろうじて「己」を繋いできたが、もはやそれも限界だ。



ブブブブブブブブブブブ……



───それ(・・)は、酷く恐れていた。

それに感情と呼べるものはない、それに生物としての規定値に達するような意思もない。

だがそれは、己の存在意義を心得ている。生きる(・・・)というあまりに当たり前な存在意義が、それに恐怖をもたらすのだ。



ぐち、ぐちぐちぐちぐち……



───それ(・・)は、食事を見つけた。

かつてエルドランザと名乗っていたモノにそれは牙を突き立てる。腐り落ちた肉を嚥下し、穢れた汁を啜る。人間の掌ほどの大きさにも満たない小さな身体に確かな質量が入っていく。



ぶぢゅり、と。



まるでそれ(・・)が潰れてしまったのかと勘違いするような音を立てて……それが「分裂」した。

一は二へ、二は四へ、四は八へ。増え続けるそれ(・・)はエルドランザの屍を貪り尽くすと、増えた己すらも喰らいながら増殖と結合を繰り返し……


「Quwrrrrrrrrrooooooo……」


いつしかそこには、全身を「赤」に置換したエルドランザの形をした何かが立っていた。

だがそれは全盛の姿ではなく、死したその時をそのまま再現したもの。死体が立ち上がっているかのようなその姿は極めてシンプルな嫌悪感を周囲に撒き散らすも、それを感じ取る生物はこの場にはいない。



───それ(・・)の名を知る者は、ここにはいない。

だがそれをデザインした者と、この世界を運営する者達はそれの名を知っている。


「貪る大赤依(ダイセキイ)」……深淵の底に封じられた「狂える大群青」が捕食と増殖を繰り返し、無機物に寄生する微生物であると言うのならばこれはある意味逆の性質を持つ。


───それ(・・)は、貪り喰らった有機物に自らを「置換」する飛蝗(・・)である。



───それ(・・)は血である。


───それ(・・)は肉である。


───それ(・・)は…………






・緑竜は目覚める、無法の居候を蹴散らして



その開拓者(プレイヤー)、名をトットリ・ザ・シマーネと言う。

クラン「N.M.M.」……「ネイキッド」「マッピング」「マーケット」の頭文字で構成される、誰よりも先んじて未踏エリアに飛び込みその全貌を明かす事に熱意を傾ける……「ライブラリ」とも懇意であるクランに所属するその男は、「誤射から始まるエルフ達の英雄生活」などと本のタイトルになりそうな紆余曲折を経て、何故か森人族(エルフ)達に英雄として担ぎ上げられていた。


そんなある日、


「うおおっ! なんだなんだ……地震!?」


「トットリ様! 逃げます!!」


「相変わらずの負け犬根性だ……てかエリナ! 一体何が起きてんだよ!?」


「その、ヘーシュ様が居を構えた大樹が……!」


高位森人族(ハイエルフ)、と呼ばれる森人族の上位種が存在する。魔力に秀でた森人族たるハイエルフや強化森人族(ダークエルフ)は負け犬根性が種族レベルで染み付いた森人族の中では比較的プライドが残っている部類である。


「あのツンデレエルフか……! で、その木がどうしたって……」


『だぁれの許しを得て吾輩の背に棲み着いたぁぁあ!!』


轟音。岩を砕く亀裂が走ったようなそれは確かに明確な意味を持つ言葉としてトットリは認識した。


「……なんか、おおよそ把握できたけどヤバい?」


「緑竜ブロッケントリード……勝つとか負けるとか、そういう話しではありません!」


地鳴りは止まず、気を抜けば木の上に組み上げられた即席の家屋の上ですら倒れてしまいそうなほどに揺れが激しくなる。


「非常に、残念ですが……ヘーシュ様には……」


「囮か……」


トットリのパーティに加入しているエルフと共に家屋の外に出ると、トットリは注意深く……主に自分が木の上から落ちないよう細心の注意を払いながら、ウッドハウスを折り畳む(・・・・)その姿をしげしげと見つめる。


(やっぱこれ、スキルか何かっぽいんだよな……太い幹を持つ木と素材さえあればどこでもセーブポイント設置できるスキル……習得したいけど、種族系スキルだったらやっぱり改宗(コンバージョン)案件なのか?)


竜もどき達に抗う術すら持たぬ彷徨える種族「森人族(エルフ)」は、その逃亡と放浪の歴史の中で迅速に夜逃げするためのスキルを磨き上げてきたらしい。

辺りを見れば、至る所で家屋を折り畳んで逃げ出すエルフ達を確認できる。


だがこの場で一番注目するべきはやはりあれ(・・)だろう。


『臭う、臭うぞぉお……忌々しい、同胞(はらから)のぉ……そしてぇ……黄金の臭いがぁぁぁあ……!』


「ひっ……だ、誰か助け……」


脚を折ったのか、女性としての柔らかさを加味しても明らかにおかしな方向に曲がったエルフが今にも失禁しそうな程に怯えながらそれを見上げていた。


飛翔機能を捨てた代わりに、鈍器のような打撃を主としたハンマーの如き翼腕。全身からは木の根を彷彿とさせる毛が生えており、それらはまるで一本一本が生き物であるかのようにひとりでに動いては地面に突き立てられている。


翼のような腕が生えた牛頭の亀、というよく分からない例えをトットリは頭に浮かべつつも、苦笑いを浮かべながら走り出す。


「おっと牛亀、悪いがちょっと通らせてもらうぜ?」


『ぬぅうぅん……?』


「あ、アンタは……」


「まだアンタのデレ期を見てないんだ、死なれちゃエルフスレのブラザー達に叱られる……エリナ、悪いが引きずって行ってくれ」


他の森人族と比べて耳が長く大きいヘーシュを慌てて付いてきたエリナへと預け、トットリは弓を構える。


「トットリ様は……」


「囮は、俺がやる」


どこでも設置できるセーブポイント、という特大の情報を獲得する為に森人族の信頼を得る事はトットリにとって最重要事項である。

故にこそ、トットリが森人族の英雄として迎えられた日から何度か変わった指導者の中で現状最も長く指導者を続けているヘーシュの好感度を上げる事はこの場で危険を担うに足る事だろう……と理知的に振る舞いつつトットリは録画アイテムを起動する。


と、ふと考える。


「あれ、直近のセーブポイント畳まれちゃったけど、これ俺のリスポーンどこになるんだ?」


確か、セーブポイントが破壊された場合はその前にセーブした無事なポイントでリスポーンするはず、と。

そして新大陸調査船で目覚めたなら、常に住処を変え続けるエルフに再度合流するのは非常に困難では、と。


『虫めがぁぁぁあああ!』


「あ、やっべぇぇぇぇえ!?」






・白竜は怒り狂う、終わりなき闘争を知るは今は朽ちた鋼


彼らは、強靭な肉体を持つ。

彼らは、大きな身体を持つ。

彼らは、常に武器と共に在る。

彼らは、巨人族(キガント)と呼ばれる。


そして彼らは……竜殺し(ドラゴンスレイ)の種族である。




『またしても愛しい我が子をォオ……! 許さない、許さないぞ独活(ウド)共めぇぇぇえ!!』


「げははははは! うぞうぞと虫のように湧き出てくる蛆を叩き潰して何が悪い!」


「応とも! よう言うた剛鉄拳の! あんな煮ても焼いても食えん子竜など、潰して地の肥やし(・・・)にする以外に価値などなかろうて!」


人と比べてなお巨大な者が、己の背丈ほどもある大剣を振り回したのならばどうなるか? それが今実演されている。

二人の巨人と一体の竜。双方の間には純然たる殺意が激突し、純白の竜の足元から無尽蔵に這い出る白竜をダウンサイジングしたような小さな竜が次々と巨人達へ襲いかかる。


「友よ刮目せよ! この「クレイモアのバルドン」と相棒の生き様をおおぉぉぉぉぁぁぁぁ!!」


「応とも! しかとこの「剛鉄拳のアンベレッグ」の目に焼き付けるぞぉぉぉおおお!」


本能のままに飛びかかる純白の子竜を薙ぎ払う大剣。切断という言葉すら生ぬるい様子で爆ぜる我が子の姿に白竜ブライレイニェゴは苛立ちを隠そうともせずに喚き散らす。


『何をしているのです我が子達よ! お前達の兄弟の仇を取るのです!』


「ぐぁっはっはっは! そうやって貴様はいつも後ろでビクビクと震えているだけか!」


「しかしクレイモアの! 流石に我らだけでは厳しくはないか!」


「おう、丁度そう考えていたところでなぁ! ううむ、やはり英雄の振るいし武器には未だ至らぬなぁ……では逃げるとするか!」


多勢に無勢、そもそも巨人達が白竜を倒す手段を持っていない以上、この結末は必然であったのだがそれを知っていてなお巨人達の闘志が曇る事はない。


「よし来た! ではまた来るぞ! ブラ………ブラブラネコネコ!」


『逃すなあぁぁあ! 殺せぇえぇえぇえぇ!!』


今日も今日とて、そして明日も竜と巨人の戦いは続く。それは遠き日の約束を果たす為、それとは別に彼らは戦いの中でこそ己を実感できるから。





・黒竜は待望する、それこそが己の証明であるが故に




「くっ……やべーぞこのままじゃ突破される!」


「畜生ボスキャラムーブしてるくせにやり口がみみっちいんだよあのドラゴン!」


「増援来るぞ! って、げぇっ! ケルベロスティラノだぁぁっ!!」


防衛線を構築するタンク達が吹き飛ばされる。それを成した三つの首を持つティラノサウルスを彷彿とさせるモンスターが、体勢を立て直したプレイヤー達の集中砲火を受けて悲鳴を上げる。

だがその程度で三つ首の亜竜は……ドラクルス・ディノサーベラスは止まらない。かつて編成された大規模討伐パーティすらも打ち倒したその威は翳りなく発揮される。


「なぁにが『我が爪を振るうまでもない』だあの黒トカゲ!」


「モンスターがモンスタートレインするとかみみっちすぎるでしょ!?」


『ほう、よく吠えた。我直々に踏み潰してくれよう』


開拓者達の前線基地として着々と設備が整えられていた沿岸の町が壊されていく。

それは黒竜ノワルリンドがけしかけたモンスター達によるものであり、そして気まぐれにプレイヤー達を蹂躙しながらその脆弱さを嘲笑う黒いドラゴンによるものである。


『ふん……弱い弱い、貴様らのような脆弱な虫共は黙って我に隷属すれば良いものを』


「エネミー風情が生意気言ってるんじゃないわよっ! 【フレイムブラ……きゃああ!?」


あるいはノワルリンドただ一体のみの襲撃であればプレイヤー達として拮抗できたかもしれない。

だがノワルリンドによって暴走状態で嗾けられたモンスター達に対応しながら、拠点を守り、そしてノワルリンドと戦う……第一陣のプレイヤーだけではあまりに手が足りなかった。


『貴様らの寄る辺はその巣穴(・・)か? であればそれを壊せば貴様らはどうなるであろうなぁ……?』


「やっば……船が狙われてんぞ! 誰でもいいからヘイト奪い取れぇぇえ!!」


黒竜の口に力が集まる。それはかつてとあるプレイヤーを跡形もなく消し飛ばした竜の息吹、いくら頑丈な船とて無防備な横腹に受ければ致命傷は免れない破滅の一撃。


ノワルリンドの注意を引きつけんとしたプレイヤーが横から飛び出してきた馬のようなフォルムの亜竜(トリケラトプス)に撥ねられる。


そして、ノワルリンドの放った漆黒のブレスが一直線に新大陸調査船へと……




『幾星霜にも満たぬ相対であるが、しつこさだけは一級よな……ノワルリンド』



届かない。

命中の寸前、船とブレスとの間に降り立った黄金(・・)がその翼を広げた瞬間、プレイヤー数十人を消し炭にしてなお釣りが出るだろう威力を秘めた漆黒の息吹がまるで煙を散らすかのように雲散霧消したのだ。


『おぉ……おぉお……! その黄金、その姿……忘れもしない、忘れてなるものか、貴様から受けた屈辱、幾度となく蘇れど決して忘れはせぬ……!』


『ふん、世界に寄生する胞子の怪が上等をほざくではないか』


ジークヴルム(・・・・・・)ゥゥゥ!!』


半壊した人の拠点、それは偶然かあるいは慈悲か。

開拓者達の寄る辺たる調査船(セーブポイント)を守るように黄金の龍王が漆黒の竜と対峙する。







・そして黄金龍王は高らかに謳う。人よ、我を越えてみよ……と


『ユニークシナリオEX「来たれ英傑、我が宿命は幾星霜を越えて」が開始されました』

『新大陸エリアのプレイヤーは自動的に当シナリオに参加されます』

ユニークシナリオEX「来たれ英傑、我が宿命は幾星霜を越えて」クリア条件……ユニークモンスター「天覇のジークヴルム」の打倒、もしくは「赤竜ドゥーレッドハウル」「緑竜ブロッケントリード」「白竜ブライレイニェゴ」「黒竜ノワルリンド」「青竜エルドランザ(討伐済)」の討伐



───────────────


これにて四章の〆とさせていただきます

明確に「いつ再開するか」を設定すると投稿したくなる病に罹患していることが発覚したので「更新不定期期間突入」とさせていただきます



解説したいこと多すぎたので要約(これでも二割くらいにまで軽量化した結果)

・トレイノル・センチピードは「グスタフ」が牡個体、「ドーラ」が牝個体……何、ドーラのサイズ? 全高(・・)は大体グスタフの五倍

・蠍ィィィィィィィ! いや、別に蠍はそこまで好きじゃないんですけどね?

・ややこしいけど人形と[───]を吹っ飛ばした「赤」とイキリ青ドラゴンをムシャッた「赤」は別物。後者の方がヤバい……「管理人!管理人!」とは鳴かないけど似たようなもん、つまり超アグレッシブドッペルゲンガー

・勇者鳥取島根は「ヴォーパルバニーにとってのサンラク」のエルフ版と言えば大体どういうプレイしてるかわかると思います。常に拠点を変えるため常駐しているトットリは全国三千万のエルフスキー達の期待を背負っている

・森人族はクソザコランチパックですが木と幾つかの素材さえあればどこでもセーブポイント設置可能、というクソ便利スキルが使えます。まぁセーブポイントごとぶっ壊されますが

・ブライレイニェゴちゃんは子供と言ってるが実際は自身から生物的プロセスを経て増殖したクローンなので「ミニ自分」にママみを見せるやべーやつ、あとちょいちょい自宅凸される

・巨人族は薩摩的ミームがインストールされている

・なお前線拠点強襲イベント時、キルスコア一位は笑みリアさん。苦労して広げてきた拠点を破壊され堪忍袋の緒がダイナマイトに直結した上で点火された模様


<< 前へ次へ >>目次  更新