第6話 忠告
☆
「ぐぬぬぬぬ……」
「なあ。……何で問題無いはずなのに恨めしい視線を受けにゃならんのだ」
「私に振らないでください」
建設的な意見を求めてみたが、隣に座る片桐からは事も無げにあしらわれてしまった。
放課後の生徒会館会議室。
本日の議題は、2回目の提出である企画書の審査。明日の文化祭実行委員会での前準備だ。企画書は3回目の提出を以って本決まりとなる。その為、今回の企画書案にてほぼ全容が見えてなければいけないわけだ。
が。
「うん。別に問題無いんじゃないかな。具体的な間取りやメニューも書かれている。それにメニューについても痛みそうな食材・調理法を極力避けているようだね。問題問題と言われていたが、むしろ模範的な喫茶店と言えそうだ」
会長の総評に、副会長を除く生徒会役員が頷く。
そう。
我がクラスの出し物は未だにボロを出していなかった。『決められた制服を着用し』という文言はそのまま使用されている。おそらく3回目、後には退けないタイミングでお披露目する気なのだろう。料理のメニューにおいても無難な軽食を多く取り入れており、隙が無い。これは修平の入れ知恵で、いつも通りのノリで好き勝手しようとしていた将人を宥めたのだ。
『やめとけやめとけ。聖夜の話じゃ、既に十分すぎるほど目を付けられてるんだろう? これ以上生徒会を刺激するのは危険だ』
この発言が満場一致で可決され、我がクラスのグレーゾーンはメイド服のみとなった。……いっその事、滅茶苦茶しまくった挙句当日謹慎処分にされてしまえば良かったものを。修平め、余計な事をしてくれた。
ただ、これによって助かった部分もある。生徒会に無用な刺激を与えないようにと、出し物のタイトルも変更となった。
『星の隠れ家』。
大した面白味も無いネーミングだが、『喫茶SEIYA』とかいう頭に蛆が這いずり回っているような看板を掲げられるよりはよっぽど良い。
「ぐぬぬぅぅ……」
副会長はと言えば、2年A組の企画書をまるで親の敵とでも言わんばかりの喰い付きで凝視していた。どうやら一字一句逃さず読み込み反論の余地を探しているようだ。
「ゆ、紫? そろそろ次へ行きたいんだけど?」
「ぐぬぬぬぬぬ……」
「ふぅ……。それじゃあ、俺たちは先へ進もうか」
何を言っても無駄だと判断したのか、会長は副会長から目を離してそう言う。それは特に反論される事無く、未だに唸り続ける副会長を脇に会議は再開された。
☆
「……ん?」
恒例となっていた夜の幽霊探索を終え、シャワーを浴び頭を拭いていたところで携帯電話が光っている事に気が付いた。チカチカと点滅する携帯電話を拾い上げる。着信履歴は……。
「師匠?」
画面には登録はされていないが見知った電話番号が表示されていた。着信があったのはつい先ほど。視線を上げ時計に目を向ける。そこで向こうとは時差がある事に気が付いた。通話ボタンを押す。
瞬間。
『遅いっ』
「出るの早っ!?」
コール音聞こえなかったぞ。
『私からの着信にはこのくらいのスピードで出なさい』
「無理です」
即答しておく。ずっと携帯電話とにらめっこしてろってか。
「……とりあえず、相変わらずのようで安心しました」
『無難な返しって意外と腹立つのよね』
無理難題を平然と押し付けてくるアンタが言うな。
『まあいいわ』
ふう、とまるで俺が悪いとでも言わんばかりのため息を吐きつつ師匠はこの話題を打ち切った。何だろう、この釈然としない感じは。
「それで、いったい何の用です?」
『いや、そっちの様子はどうかと思って』
「は?」
予想外の話題に面食らってしまう。
『そっちの様子はどうかと思って』
同じ事を二度言われてしまった。
「……珍しいですね、師匠がそんな理由で電話をかけてくるなんて」
口から出たのは率直な感想だった。もともと世間話を電話でするような間柄ではない。
『美麗から軽くだけど話は聞いてるから』
「何のです?」
『幽霊の』
……。
まさかの内容。と言うか、謎のシスターといい美麗さんといい、もう割り切ったのか関係を隠すつもりもないようだ。
「まさか師匠。本当に幽霊の仕業だと?」
『馬鹿言ってんじゃないわよ。貴方、平和な学園生活に浸って思考回路が錆びついてるんじゃないの?』
「そこまで言われると、流石にイラッとくるわけです」
『つまりそれだけ図星ってことよ』
いちいち癪に障る女だ。
ただ、同時に安心もする。ここまで断言されると幽霊の存在に対する「もしや」という気持ちも吹き飛ぶというものだ。
『何? 本当に怒ったの?』
無言になったのを気にしたのか、師匠がそう聞いてくる。
「まあ、それなりには」
『はぁ……』
なぜか、またもやため息を吐かれてしまった。
『まあ、今のは確かに私の言い方がストレート過ぎたってのもあるけどさ。“魔法使いたるもの何時如何なるときも冷静さを見失うな”、ってのは鉄則よ? 試験に合格したのがつい最近とはいえ、貴方は魔法使いの証を既に授与されてる。それも「B」を。周りのガキとは違うんだから、そろそろその豊か過ぎる感情表現を何とかしなさい』
「う……」
自覚している内容をズバリ言い当てられ言葉に詰まる。
『まさかとは思うけど……。貴方、特異体質を理由に喧嘩したりしてないでしょうね』
的確に急所を狙うその鋭利な質問に冷や汗が流れた。
「は、はは。まさかそんなこと――」
『美麗の話じゃ、貴方“青藍の2番手”になったそうじゃない。おめでとう』
「え」
悪意しか感じられぬ話題変換にしか聞こえないのだが。
『呪文詠唱無しの身体強化魔法の披露だけじゃその地位は掴めないはずよ。きっかけは?』
「……」
『しかも美麗の話じゃ、生徒会役員にまでなったとか。おめでとう』
「……」
『これも多少の成績の良さじゃ抜擢されないはずよ。“青藍の2番手”だからって理由でも無いはず。じゃあどうやったの?』
「……」
『……ふふふ』
「は、ははは」
『ふふふふふ』
「ははははは」
『……』
「ははは、はは……」
『……約束の泉』
「知ってるな!? 知ってるよな全部!? 分かっててやってるだろ!!」
沈黙の後ぽつりと呟かれたその一言は、間違いの無い答えを示していた。
『貴方のその喧嘩っ早い思考回路は前々から危惧していた事ではあったんだけど……。まさか本当にこうなるとはねぇ。分かってる? 図式的にはプロが一般学生に手をあげたって事なんだからね』
「……う」
分かっていたつもりではあったが、そう改めて言われてしまうと相当まずい事をした気になってくる。手をあげたどころかボコボコにしているのだ(同じくらいボコボコにされてるけど)。考えてみるまでも無くアウトだろう。
『んー、確かにあの“装甲者”を一般生徒ってカテゴライズするのにも多少の違和感は感じるけどさ』
「師匠、……豪徳寺大和の事知ってるんですか?」
『青藍の誇る無系統能力保持者くらいは把握してるわよ。もともと貴方の任務先に指定していた場所なんだし』
下調べくらいはしていたということか。
『ま、正直そこらへんはどうでもいいわ』
自分で話題振ってきたくせに、思わず賛辞を送りたくなるくらいのぶった切りだった。
『そろそろなんでしょ』
「何がです?」
『文化祭』
……。
まさかの話題チョイス。
俺とあんたの間でその話題に広がりはあるのか。
「そうですけど」
『気を付けなさい』
「は?」
予想外の忠告に目が点になった。
『学園の防護結界、緩むでしょ。青藍の下に刺客が送られる可能性がある』
「……目的は?」
『学園の崩壊か、優秀な卵の略奪・殺害か』
「穏やかじゃないですね」
『青藍・紅赤・黄黄。青藍はその国スリートップの機関よ。1つが止まるだけで日本に与える被害は相当なものになる』
「でも、所詮は学生ですよ?」
魔法レベルも一部を除いてたかが知れている。
いや、待て。
「この間死んだ男と何か関係があるんですか?」
可憐の誘拐を企てた長髪の男。魔法警察に突き出したはいいが、どうやら警察管轄の牢獄で何者かに殺害されたらしい。施設内に何者かが侵入した形跡は無し。魔法警察は、内部犯である可能性も視野に入れ、現在その手口を追っているようだが。
『……さあ。私はその男を直接見たわけじゃないし』
そりゃそうか。
『けど、気を付けなさい聖夜。仮にその犯行に及んだ人間が相手なら、これまで貴方が相手にしてきた魔法使いとは次元が違うわよ』
「……分かりました」
準備に追われ青春を謳歌している気になっていたが、残念ながら文化祭も手放しで楽しむ事はできないらしい。
『こちらの案件を片付けたら、私もそちらに行くから』
「は?」
『こちらの案件を片付けたら、私もそちらに行くから』
またもや同じ事を二度言われた。
「……わざわざ師匠が出張るほどの事ですか?」
『嫌な予感がするのよ。……嫌な、ね』
こちらの反応を待たずして、通話はそれで途切れた。
☆
「可憐」
「はい?」
1時限目の授業が終わった休み時間。次の授業の準備を始めていた可憐に声をかけた。
「少しだけ時間をくれないか」
「え、ええ。構いませんけど」
きょとんとする可憐を廊下へと連れ出す。
深夜に告げられた師匠の予感が外れるに越した事はない。が、あの師匠が曖昧な状態でも注意を促してくるほどだ。万が一の事態が発生した場合、洒落にならない展開を迎える可能性が極めて高い。
「それで、何の用事でしょう」
教室内で気軽に口にできない用件だと悟ったのか、周囲の目を気にしながら真面目な表情でそう問うてくる。こちらも長引かせるつもりは無い。
用件のみ。端的に伝える事にした。
「美麗さんと話がしたい。あの人の空いている時間って分かるか?」
「……お母様の?」
可憐の表情が一気に怪訝なものへと変わる。
「それはどういった用件で、ですか? ……まさか、また物騒なお話が――」
「いやいや、そういうわけじゃない」
可憐がそのセリフを言い切る前に否定の言葉を挟んだ。前回の誘拐騒動の件で身に染みて理解している。可憐と舞、この2人に情報を吹き込んだら碌な事にならない。
「では、なぜ?」
もっともな質問だとは思う。いきなり自分の母親に会わせろと言われているのだから。だからこそ、あらかじめ用意しておいた回答を口にする。
「文化祭期間中は学園のセキュリティが緩むだろ? 防護結界はそのままだとしても、正門が一般客に解放されるんだから。一度お前の誘拐未遂に携わってる身としては、学園がどういう対応を取るのか気になってな」
間違ってはいない。確かに質問しておきたい用件でもある。
「……それならお父様にお聞きしては? 毎日、というわけではございませんが……、お父様は理事長ですから学園にはいらしてますよ」
「これは差別する意図があってする発言ではないから気を悪くしないで欲しいんだが……、姫百合泰造さんは魔法使いじゃないだろう? 魔法使いとしての意見が欲しいんだ」
「それは……、そうですよね……」
可憐が少し考える素振りを見せた。
「文化祭じゃ、俺も結構忙しくなりそうだからさ。いらない不安の芽は少しでも摘んでおきたいわけだ」
「……。……分かりました。お母様に確認しておきます」
間を空けた後、可憐が頷きながらそう口にする。
「ありがとう。手間を掛けさせて悪いな」
「いいえ。中条さんが仰ることはもっともですし……。それに、一度救って頂いた身としてはこの程度請け負う義務があると思いますので」
チャイムが鳴る。
可憐を促し教室へと戻る。
意外にも返事は直ぐにきた。昼休み、可憐から時間と場所を告げられる。
――――22時。青藍魔法学園内の教会にて。
☆
「よっ」
「……神に仕えし淑女の挨拶とは思えない」
「神様に親近感湧くでしょ」
頭痛がしてきた。フランクすぎて逆にお近づきになりたくないわ。
「ま、とにかく入りなさいよ」
「お邪魔します」
深夜、教会へと足を踏み入れる。我ながら「お邪魔します」はどうかと思ったが、目の前のシスターがまるで自分の家に招き入れるかのように振舞っているのだから仕方が無い。
2人分の足音をBGMに祭壇の前を横切る。脇にひっそりと備え付けてある木製の扉を、シスターは躊躇いなく押し開けた。その先には生活スペース。細長い廊下を渡り居間である一室に通される。
そして。
その人は既にそこにいた。
「お久しぶりね。聖夜君」
日本の誇る五大名家が一。姫百合家現当主。“氷の女王”姫百合美麗。
流れるような黒髪に美しい白い肌。可憐がもう少し成長したら、このような人になるのだろう。そう思わせるような風貌。しかし、目の前の女性が持つ存在感は娘の比では無い。
「お久しぶりです、姫百合美麗さん。急なお呼び立てで――」
「美麗」
「え」
「フルネームで呼ばれるのは、嫌なの。前もそうお話したはずよ?」
一瞬、何を言われたのか分からなかった。が、すぐに思い至る。
「……美麗、さん」
「お義母様でも構いませんよ」
「可憐が泣きそうになると思うので遠慮しておきます」
お茶目なところは相変わらずのようだ。
「なになに。チミは姫百合家に婿入りでもするわけ?」
「そんなわけないでしょう」
後ろからひょこりと顔を出してきたシスターの質問を一蹴する。
「あら、それは残念」
本当に残念そうな表情をしながら肩を竦めるのはやめて欲しい。この人の本心が見えないと本気で思った。
「とりあえず座んなさいよ。突っ立ったまま話すわけじゃないでしょ」
シスターに促され、テーブル席に着く。対面に美麗さんが腰を落ち着けた。そしてどこから持ってきたのか、シスターはガタガタ音を鳴らしながらパイプ椅子を広げて座る。
「粗茶ですが」
そう言いつつ足元から拾い上げたそれをテーブルの上へと置くシスター。500mlペットボトルのお茶だった。……本当に粗茶だった。
「では、話を伺いましょうか」
促されるまま封を開け一口お茶を含んだところで、美麗さんが切り出してくる。多忙の身だ。こちらもそうそう時間を掛けるつもりはない。
「いくつか確認させて頂きたい事があります」
俺の前置きに、美麗さんは無言で1つ頷いた。
「文化祭でのセキュリティ対策はどうなっているのですか」
「あら。呼び出す為の方便ではなく、本当に疑問に思っていたのね」
美麗さんが意外そうな顔をする。
「まあいいでしょう。文化祭を開催するとはいえ、学園を守護する防護結界を解くわけではないわ。ただ、一般客への学園開放が目的の1つでもあるわけだから、穴が開くとしたらそこかしら」
「学園の正門ですか」
「そうね。他からの侵入は不可能。仮に強引に防護結界を抜けたとしても、その形跡は当然私たちに伝わるわ」
「そもそもこの学園へ何の心配事があるってのさ。やるのはただのお祭り騒ぎ。戦争しようってんじゃないんだから」
美麗さんに納得いかない表情をしていた俺が気になったのか、シスターが口を尖らせた。
「……まあ、そうですよね」
そう答える他無い。確証が無い以上、師匠の忠告については触れない方が良いだろう。それにこの2人も師匠とは知らぬ仲ではないようだし、本当に必要だと思ったら本人同士でどうにかするはずだ。
「まあまあメリッサ、落ち着きなさい。聖夜君には一度娘たちを守ってもらった前例がありますから。学園が開放される事について違和感を持つのは何ら不思議ではないわ」
「あぁ、そんなこともあったわねぇ」
「……と言うよりも、そもそも俺はその為にこの学園へ来たわけですが」
何とも言えぬ脱力感に苛まれる。一応その情報は門外不出であるはずだが、このシスターならもうどうでもいいかという境地に達してしまった。美麗さんの方から話を振ったわけだし、師匠とも謎のつながりがあるようだ。問題は無いのだろう。
「入場の際、簡単ではありますが手荷物検査等は行う予定です。現段階の対策としては、この程度かしら」
「分かりました」
当日はそれなりに気を引き締めておいた方がいいだろう。取り越し苦労で済むのならそれに越した事は無い。
「では、次の質問に参りましょうか?」
美麗さんが自ら先を促してくれる。どう切り出すかについて悩んでいたが、これで踏ん切りがついた。
「御堂縁のことで」
その名前を出した瞬間。
ほんの少し。
ほんの少しだけ。
それでも明確に分かるほど。
美麗さんの表情が強張った。
「……」
いくら生徒会長という立場であるとはいえ、学園の一生徒の名前に対してこの反応は少々過敏すぎる。これを確認できただけでも、今日美麗さんに会えた目的は十分に達する事ができた。
逆に。
「なぁんでこのタイミングでその男の名が出るのかな。私ゃそっちの方が気になるわ」
シスター・メリッサ。彼女の笑みが一層濃くなる。
「いえ、深い意味は。幽霊騒動の件で会長に相談した際、会長と美麗さんは知り合いだと聞かされまして。それでちょっと気になっただけですよ」
「へぇ……」
俺のセリフを聞いて、シスターが意外そうな顔をした。美麗さんも眉間に若干しわを寄せ、頬に手を当てる。
「……そう、御堂君がそんなことを」
「ま、例えそれがあいつの口から本当に漏れた言葉だろうが、チミが話を盛っていようがどっちでもいいわ」
シスターから向けられる人の悪い笑みには苦笑いで返さざるを得ない。多少は訝しまれるとは思っていたが、ここまですっぱり切られるとは思っていなかった。
「聖夜君、感心しませんね」
「すみません」
やや遅れて真意に気付いた美麗さんからの非難を甘んじて頂戴する。シスターはパイプ椅子を揺らしながらケタケタと笑った。
「今のは簡単に引っかかった美麗の方が悪いと思う」
「余計なお世話です」
つーん、という効果音が聞こえてきそうな素振りで、美麗さんがそっぽを向く。シスターはそれを見て肩を竦めた後、改めて俺の方へと視線をずらした。
「安心しなよ。別にあいつはチミの敵ってわけじゃない」
シスターは懐から一枚の紙を取り出し、こちらへ放る。受け取ったそれはやや乱雑に折りたたまれたものであり中身を窺い知る事はできない。放られたことからある程度確信はしていたが、念のためシスターに目線を送った。即座に頷かれる。
「チミも当事者。知っといた方がいいよ」
「もちろん、それが杞憂で終わって欲しいと切に願いますけどね」
シスターに同調するように美麗さんが呟く。
開かれた紙にはこう書かれていた。
紅赤魔法学園
1番手:山田太郎
2番手:白岡紗雪
3番手:白岡美雪
4番手:武藤勉
5番手:倉持健太郎
青藍魔法学園
1番手:御堂縁
2番手:中条聖夜
3番手:蔵屋敷鈴音
4番手:豪徳寺大和
5番手:安楽淘汰
黄黄魔法学園
1番手:岩舟禊
2番手:秋山千紗
3番手:二階堂菫
4番手:風見桃花
5番手:菅野宮平次
「あいつも色々と心配しているわけよ。青藍の不安要素であるチミが、文化祭にいったい何を持ち込んで来るのかってさ」
そう言うと、シスターは噛み殺したような笑みを漏らした。