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第18話 アギルメスタ01 ⑥

☆テレポーターの簡単復習講座☆

〇完全詠唱:詠唱を省略することなく唱えきること。

〇詠唱破棄(直接詠唱):部分的に詠唱を破棄し、短くする技術。最後の一音のみで発現したものを直接詠唱という。

〇無詠唱:全ての詠唱を破棄した上で魔法を発現させる高等技術。

〇魔力容量:自らの身体に宿す魔力の絶対容量のこと。自分が持ちうる魔力の量、その器の大きさ。

〇発現量:一度の魔法発現の際に、開放できる魔力の放出量のこと。

〇発現濃度:発現された魔法に宿る魔力の密度のこと。

〇Rank:魔法の難易度をRank〇と表現する。Rankは下から順に『F』『E』『D』『C』『B』『A』『S』『M』となる。


☆強弱関係早見表☆

 【無】と【非】、【幻血】に強弱無し。※強弱は無いが相性はある。

 【火】→【風】→【雷】→【土】→【水】(→【火】~)

 【光】⇔【闇】




『ふ、再び、睨み合いの時間となったようですが……』


『RankCの「火の球(ファイン)」や「雷の球(ボルティ)」じゃあ、メイカー選手の不可思議な魔法によって撃ち落とされて終わりだからね。余計な魔力は使いたくない。でも、メイカー選手に効きそうな魔法は詠唱が必要。詠唱をするためにはメイカー選手をどうにかしないといけない。アリサ選手と龍選手、そろそろ手札が尽きたかもしれないね~』


 マリオの言葉に続けるようにして、カルティが解説を入れる。唸るようにしてマークが繋げた。


『メイカー選手の魔法技能はこういった大会にはうってつけなんだよな。制限された空間の中で行われる戦闘では、敵から身を隠すことが困難。つまり、詠唱するためには自分で何とかして時間を稼がなくちゃならない。そんな中、メイカー選手は無詠唱で大魔法が発現できてしまう。こりゃ反則級のハンデ戦だ』


 カルティが頷く。


『そうなんだよね。驚くべきことに、メイカー選手はここまで一度も呪文詠唱をしてないんだよ。「インビジブル」という単語が直接詠唱に該当しているのかどうかについても、専門家がモニター解析を進めているみたいだけど……』


『それがフェイクで詠唱無しで発現されているんだとしたら、呪文詠唱無しでアギルメスタ杯本戦を渡り合える前代未聞の豪傑ってことになるよな……。“旋律”リナリー・エヴァンスは恐ろしい隠し玉を投下してきたもんだ――、おっ!?』


 突如。

 決戦フィールドで、動きがあった。







「……まりか様」


 試合が進むにつれ、徐々に表情を険しくするまりかへ、唯が恐る恐る声をかける。まりかは険しくした表情をそのままに、視線だけを唯に向けた。


「なに」


「いえ……」


 短い一言を聞き「さわらぬ神に祟りなし」と判断した唯が、視線を決戦フィールドへと戻す。まりかは鼻を鳴らしてから口を開いた。


「想像以上に使いこなしてるね、T・メイカーは。こりゃもう完全に別物だ」


 萎縮した従者への配慮か、まりかはやや大袈裟に肩を竦めながらそう評価する。


「それは私も感じました。あれは、……もはや『天』を真似ただけのまがい物ではございません」


「うん。よくもまぁ、当代のエースがこんな見世物でこの技術を乱発することを許可したもんだね」


 信じられない、と言わんばかりにまりかは首を振った。


「果たして、本当に許可をしたのでしょうか。私には信じられないのですが……」


「エースがこの事態を知らないということはあり得ない。なにせ最後のスペシャルマッチの出場者だからね。本心はどうあれ、エースはこの事態を傍観せざるを得ない状況にいるということになる」


「それはつまり……」


 唯の言葉に、まりかが頷く。


「そう。エースにここまで強制力を持った口出しができる人間は少ない。王族は除くとして、『トランプ』序列3位までと、後は“旋律(メロディア)”くらいか。T・メイカーが『黄金色の旋律』のメンバーであるということは、間違いないと判断していいかな。それに、この試合を見てもうひとつ気になることが……」


 そこまで口にした直後、決戦フィールドで動きがあった。まりかが思わず立ち上がる。

 そして。


「やっぱり、消えてるっ!?」







「いいの?」


「いいの、とは? 何の話かしら」


 ルーナの短い問いではその内容が伝わらず、リナリーが問い返す。


「いままでは、かくしてつかえっていってた」


「あぁ……」


 そこまで言われて、リナリーは質問の意図を理解した。ルーナへと向けていた視線を、決戦フィールドへと戻す。


「問題ないわ」


「で、でもっ」


 リナリーの断言に、ルーナではなく美月が身を乗り出すようにして食いついた。


「聖夜君言ってましたよ? 聖夜君が使う転移魔法は、お師匠サマから使用を制限されてるって。どうしてもって時は、バレないように使わなきゃいけないって」


「それがそもそもの間違いなのよね」


「え?」


 リナリーは、深くため息を吐く。


「私は、転移魔法がバレることは懸念していない。むしろ、聖夜の能力に注目してくる輩には、『あの子が使えるのは転移魔法である』と理解してもらいたいと思っている」


「え、……え?」


 理解が追いついていないためか、美月が思わず言葉に詰まった。


「これ以上を語る気はないわ。ほら、試合が動くわよ」


 リナリーは強引にその話を打ち切った。

 その視線の先では――――。







「マリーゴールド」


 攻めあぐねているのか。アリサ・フェミルナーと龍は、じりじりと距離を詰めるだけで他の動きを見せない。2人を視界から外さないように注意しながら、横にいるマリーゴールドを呼ぶ。


「は、はい」


「全身強化魔法は使えるか?」


「えっと、はい。闇と毒、それから土が使えます」


 幻血も含めて3属性か。多彩だな。

 全身強化魔法なら無詠唱で5属性イケる俺が言うと、嫌味になるから口にはしないが。


「発現できるだけの魔力は残っているか?」


「ま、まだ大丈夫です。全然イケますっ!!」


 握りこぶしで力説してくる。


「なるほど。なら、闇だな。闇属性の全身強化魔法を発現しろ」


「で、でも、王子様。私は王子様のように無詠唱で発現することが……」


「その間の時間は、俺が稼ぐ」


 2対1だ。アリサ・フェミルナーと龍、どちらかに時間を稼がれると向こうも全身強化魔法を発現されてしまうかもしれないが、無防備なマリーゴールドを遊ばせておくよりかはマシだろう。


「わ、分かりました」


「それから、詠唱中は目を閉じておけ」


「め、目を、ですか?」


 途中で迎撃が間に合わなくなった場合、“神の書き換え作業術(リライト)”で逃がす可能性もある。急激に視界が変わる感覚に慣れないこいつだと、詠唱が中断されてしまうだろう。

 理由を説明する気はないが。


「それだけ俺を頼れってことだ。お前は詠唱が完了するまではそれだけに集中しろ」


「は……、はいっ!! 分かりましたっ!! 私、王子様のこと信じてますからっ!!」


 なんというちょろさ。

 本当にそれでいいのかちょろ子。

 俺は、じりじりと距離を詰めてくる2人のうち、龍へとおもむろに手のひらを向けた。


 ――――“神の書き換え作業術(リライト)”、発現。


 龍の座標を書き換える。

 書き換える場所は。







 T・メイカーと龍。

 確かに離れていたはずの2人の距離。


 気がついたら。

 対峙していたはずの龍は、その場から姿を消していて。

 その龍の襟首を、メイカーの左手が握りしめていて。

 右の掌底が、龍を地面へと叩き付けていた。


「がっ、あっ!?」


 地面が隆起し、龍の身体がめり込む。

 そのすぐ後方で。

 メイカーの言葉を信じ、その他一切に意識を向けず、マリーゴールドが詠唱を開始する。


「『万象(ばんしょう)(つらぬ)破滅(はめつ)(おう)よ』!! 『(われ)(いにしえ)契約(けいやく)を』!!」


 メイカーは龍へ追撃を加えようとして、右拳を振りかぶった。その肩に、アリサの『雷の身体強化(ボルティ)』を纏った左足が乗る。


「がっ!?」


 メイカーがそれを認識して払いのける動作に移るよりも早く、アリサの右脚が振り抜かれた。顎を打ち抜かれたメイカーが仰け反る。アリサは、そのままメイカーの肩に乗せていた左足を浮かせ、空中で回転しながら回し蹴りを放った。

 メイカーが、横っ飛びに吹き飛んだ。


「『万物(ばんぶつ)()()原初(げんしょ)(やみ)よ』!! 『(つかさど)精霊(せいれい)よ』!!」


 マリーゴールドは契約詠唱を止めることなく唱え続ける。アリサは、メイカーからマリーゴールドへと標的を変えた。

 それとほぼ同時。


「『獄炎(ごくえん)()(いか)りの(おう)よ』!! 『(われ)(いにしえ)契約(けいやく)を』!!」


 龍が身体を起こしながら、契約詠唱を始める。


「させるか!!」


 地面を転がっていたメイカーが“神の書き換え作業術(リライト)”を発現。瞬く間に龍の元へと到達する。

 そこを、カウンターでアリサに狙われた。


「ぐぷっ!?」


 アリサの回し蹴りが、メイカーの腹を穿つ。仮面の下からメイカーのくぐもった声が響いた。


 膝へと魔力の全てを集中させることで。

 属性優劣の壁を越えて。

 発現量、発現濃度の壁を越えて。

 メイカーへと、確かなダメージを与える。


 本気。

 そこには確かに、『断罪者(エクスキューショナー)』三番隊隊長としての、アリサ・フェミルナーの本気があった。


 メイカーが腹を押さえ、後ずさる。それを確認する間も惜しんで、アリサが『雷の球(ボルティ)』を放った。

 標的は、目を閉じ隙を曝け出しているマリーゴールド。その数は10。目にも留まらぬ速度で射出されたそれは、マリーゴールドへと一直線に向かう。

 メイカーが視線だけを動かした。


 瞬間。

 マリーゴールドは、既にそこにはいなかった。


 何もない、ただの瓦礫と化した決戦フィールドに、『雷の球(ボルティ)』が着弾し更なる破壊をもたらす。その結果に、アリサが訳が分からないと咆哮した。

 その間にも、事態は進む。


「『追従(ついじゅう)招来(しょうらい)(われ)(みちび)け』!!」


「『万物(ばんぶつ)()やす原初(げんしょ)()よ』!!」


 メイカーが手のひらを龍へと向けた。その動向を察知したアリサが、『迅雷の壁(スピルピーナ)』3枚を無詠唱で龍の前へと展開する。


「『(つかさど)精霊せいれいよ』!!」


 タイミングとしては、龍がそのキーを口にした直後だった。


「がっ!? っ、っ、っ!?」


 アリサの顎が、メイカーの“不可視の弾丸インビジブル・バレット”によって撃ち抜かれた。それは、手をかざす対象と実際に攻撃する対象を入れ替えるという、単純なトリック。しかし、これまでのメイカーの行動全てがこのトリックの布石となり、いとも簡単にアリサがその術中に嵌った。膝へと魔力を集中していたこともあり、無防備な急所を撃ち抜かれたアリサが膝を折る。


 膝を折ったアリサの元へと跳躍したメイカーが、拳を振りかぶった。ヌンチャクを振るう龍が割り込む。


「『平伏(へいふく)灰塵(かいじん)(はな)(てん)支配(しはい)(てき)(ほろ)ぼせ』!!」


 魔力が込められたメイカーの拳を、龍のヌンチャクが払う。追撃を仕掛けようとしたメイカーの動きが、龍の詠唱する呪文の内容を聞いて僅かに硬直した。


「『混沌の型(ブラック・アルマ)』!!」


 まずは、先手を打って詠唱をしていたマリーゴールド。

 闇属性の全身強化魔法、『混沌の型(ブラック・アルマ)』が発現した。どす黒い魔力がマリーゴールドの身体へと纏わりつく。


「『業火の天蓋(イクスギャルティア)』!!」


 龍が最後の一音を詠唱し終えた。3人の頭上に、真っ赤な線で幾何学模様が描かれた天蓋魔法が発現する。メイカーの放つ“不可視の砲弾インビジブル・バースト”をその身に受けても、嘲りを含んだ笑みは崩れない。


 そこへ、マリーゴールドが突っ込んだ。

 闇属性の付加能力は、吸収。龍の身体強化魔法の機能を奪おうと、マリーゴールドがその手を伸ばす。


「下がれっ!! マリーゴールド!!」


 メイカーが咆哮した。

 しかし、もう間に合わない。龍へと伸ばされたマリーゴールドの手は、先ほどアリサが展開していた『迅雷の壁(スピルピーナ)』が割り込み弾かれる。障壁は魔力を吸われてすぐに破壊されたが、腕を弾かれたことでマリーゴールドの身体に硬直が発生した。


 龍が、吹き飛ばされたまま腕を振り下ろす。

 天蓋魔法が呼応する。

 紅蓮の炎が降り注ぐ。


「エル・ライクネルティ・コーク・ウェルスラー!!」


 アリサが自らの『始動キー』を唱えるタイミングとほぼ同じくして、マリーゴールドの姿が紅蓮の雨の中から消えた。


「きゃああっ!?」


 咄嗟の“神の書き換え作業術(リライト)”の発現。そのため、座標演算に狂いが生じた。その結果、『業火の天蓋(イクスギャルティア)』の集中砲火からは外れたもののいきなり空中へとマリーゴールドが放られる。

 メイカーが舌打ちした。


「ヴァリアース・『迅雷の型(イエロー・アルマ)』!!」


 アリサの全身から、凄まじい勢いで稲妻が迸る。

 雷属性の全身強化魔法、『迅雷の型(イエロー・アルマ)』の発現。決戦フィールドが更に隆起し、足場をますます悪くしていく。


「『獄炎(ごくえん)()(いか)りの(おう)よ』!! 『(われ)(いにしえ)契約(けいやく)を』!!」


 不意を突かれたものの見事に体勢を整えたマリーゴールドが、着地した瞬間に跳躍した。メイカーとほぼ同時に龍の元へと辿り着く。


「『万物(ばんぶつ)()やす原初(げんしょ)()よ』!!」


 龍は迫りくる2人を目にしても詠唱を止めない。そこへ、雷を全身に纏ったアリサが乱入した。


「『(つかさど)精霊せいれいよ』!!」


「これがっ!! 私の本気だぁぁぁぁ!!!!」


 拳を。

 肘を。

 膝を。

 足を。


 龍へと迫る全ての脅威を、メイカーとマリーゴールド相手にアリサが1人で迎撃する。


 闇属性の付加能力は、吸収。

 マリーゴールドの一手は、必ずアリサと接触した部分の魔力を吸い取っている。にも拘わらず、アリサの全身強化魔法は崩れない。吸い取られた分だけ、アリサはすぐに魔力をその箇所へと補充しているのだ。


 それは極めて単純で力任せの対処法。

 長期戦にもつれ込めば、必ず負ける諸刃の剣。


 それでも。

 短期間の時間稼ぎという目的に絞って考えれば、この上ない対処法。

 それができるだけの魔力容量と発現量、そして技量を有したアリサの作戦勝ちだった。


 そして。

 この時点で、マリーゴールドは直感した。


 龍の契約詠唱を止めることはできない、と。

 ならば。


「『万象(ばんしょう)(つらぬ)破滅(はめつ)(おう)よ』!!」


 攻撃の手は緩めない。

 それでも、マリーゴールドはその呪文を紡ぐ。


「『(われ)(いにしえ)契約(けいやく)を』!!」


「『追従(ついじゅう)(ほむら)(われ)(みちび)け』!!」


 龍の詠唱は止まらない。

 メイカーの“不可視の弾丸インビジブル・バレット”が、アリサが無詠唱で発現した『迅雷の壁(スピルピーナ)』に防がれた。そこへ天蓋魔法『業火の天蓋(イクスギャルティア)』か炎の雨が降り注ぎ、3人の距離が空く。


「『業火の型(レッド・アルマ)』!!」


「『万物(ばんぶつ)()()原初(げんしょ)(やみ)よ』!! 『(つかさど)精霊(せいれい)よ』!!」


 龍の火属性の全身強化魔法、『業火の型(レッド・アルマ)』が発現された。『業火の天蓋(イクスギャルティア)』によって空いていた距離を、真っ先にアリサが詰める。

 対象は。


「『平伏(へいふく)魔王(まおう)(はな)――」


 当然、契約詠唱中のマリーゴールド。

 その隣にいたメイカーは、迎撃という手段を取らなかった。咄嗟にマリーゴールドを抱き寄せ、その手でマリーゴールドの両目を塞ぐ。


 次の瞬間、メイカーとその腕に抱かれたマリーゴールドは、まったく別の場所にいた。アリサの手刀が何もない場所を切る。


「――て、――んを支配(しはい)(てき)(ほろ)ぼせ』!!」


 メイカーから突然抱き寄せられたことで僅かに硬直したマリーゴールドだったが、詠唱は辛うじて繋ぎ留めた。

 消えたメイカーとマリーゴールドの居場所を即座に感知した龍が、『業火の天蓋(イクスギャルティア)』の照準を変更する。

 しかし。


「『混沌の天蓋(ヴェノメーター)』!!」


 それよりも早く、マリーゴールドの契約詠唱が完了した。

 闇属性の天蓋魔法、『混沌の天蓋(ヴェノメーター)』。


 エルトクリア大闘技場。

 決戦フィールドの上空に浮かぶ、2つの天蓋魔法。

 両者は、地面と垂直に描かれたその幾何学模様の面を、僅かに相手の天蓋魔法の方角へと向けた。


 龍の天蓋魔法からは、全てを燃やし尽くさんとする紅蓮の炎が。

 マリーゴールドの天蓋魔法からは、全てを喰らい尽くさんとする漆黒の闇が。


 相手方の領土を蹂躙せんと、唸りを上げて猛威を振るい始める。


 全身強化魔法は、メイカーの『疾風の型(グリーン・アルマ)』、マリーゴールドの『混沌の型(ブラック・アルマ)』、アリサの『迅雷の型(イエロー・アルマ)』、そして龍の『業火の型(レッド・アルマ)』。

 天蓋魔法は、マリーゴールドの『混沌の天蓋(ヴェノメーター)』と龍の『業火の天蓋(イクスギャルティア)』。


 下準備は、全て終わった。

 アギルメスタ杯本戦第一試合、レッドグループ。

 T・メイカー&マリーゴールド・ジーザ・ガルガンテッラvsアリサ・フェミルナー&龍。

 バトルロイヤルでありながら、変則的なチーム戦となった試合。


 今。

 最後の激突が始まる――――。

次回の更新予定日は、3月14日(土)です。

次回の更新で『スペードからの挑戦状編〈中〉』はおしまいです。

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