前へ次へ
96/223

城下の死闘

今回で活動報告で書いた事が大体分かります。

 サブラアイム兵達は城下町で暴れだした。

「きゃあー!」


 女性の悲鳴が辺りに響く。

「誰でもいい、アンカーの餌食にしてやれ!」

 一人の兵士は残虐に叫び、アンカーで女性を吹き飛ばした。


 また別の兵士は別の女性の首にアンカーを絡みつけ絞め殺そうとする。

「やれ! 人間だけでなく建物もだ! 文句のある奴は遠慮なくかかって来い。サブラアイムに逆らう勇気があるならばな!」


 女性を捕らえた兵士はアンカーの遠心力で女性を投げ壁に叩きつけた。

「はーっはっは! 女や子供でも一ミリも容赦はせん!」


 更に今度は男性に火を浴びせかけた。

 悲鳴を上げる間もなく男性は炎上した。

 火に包まれた男を見て町民は恐怖した。


「待て!」

 そこにボジャック達は叫んだ。


 兵士たちは待っていたようだった。

「勇者一派か、ちょうど良い所へ」

 その間も別の兵は火炎で人を襲った。

 

 しかしジェイニーが

氷結魔法ブリザード!」

 と叫ぶと吹雪が発せられ、兵が発した炎は凍結した。


「くそ!」

 その後ジェイニーは魔法を無駄に使わない様クロスボウで応戦する。


「アンカーが使えなければこっちの物だ!」

 とボジャックは切りかかり兵を即座に倒した。


 ゾゾも

「高速移動レベル四! クリティカルアップレベル四!」

 を使いアンカーを使う前にばったばったと倒す。

 

 マークレイも圧倒的強さで兵達を二、三人と倒していく。

「高速移動と超怪力!」

 

 ボジャックは感心した。

「あいつ俺とゾゾの特性を併せ持ってるんだ」


 マリーディアはシールドブレスで相手の攻撃を撃ち返した。そして剣を向けた。

「ぐあ!」


「人を殺した罪、償いなさい」

「ひっ!」


 マリーディアは目が座っていた。

 ボジャックは言った。

「彼女久々に切れちゃった」

 マリーディアは止めを刺した。


 ミッシェルは複数の敵に囲まれていた。

「女みたいな腕とチビな体だな」


 この言葉が逆鱗に触れた。

「舐めるな!」


 狂暴性と静穏性のある動きを合わせあっという間にミッシェルは刀と超スピード、姿消しでばったばった兵士を倒した。


 アンカーを使おうとした兵には金縛りで動けなくした。

 クラビは遅れて来た。

「すまない!」


 城で『デュプスの剣、兜、鎧、盾』を受け取っていたからだった。

「よしアンカーで!」


「アンカー攻撃アップレベル3」のスキルを経て、クラビは大軍相手に更に広範囲で威力も大きいアンカー鞭を放った。

 

 立て続けに倒されて行く敵。

 そこへ一人だけ違う呪術師のような男が現れた。

「お、おのれこうなったら貴様らの信頼を失わせ悪の心を引き出してやる」  

 

 と言い呪文を唱えると一行に不思議な念がかかった。

「な、何だこれ」

「貴様らの隠れた憎しみを外に出してやる! 憎め! 憎め!」

 

 しかしボジャックやゾゾ、ジェイニーには効果がなかった。

「俺達には仲間に対する憎しみなんてない!」

「くそ、ではあいつはどうだ?」


 マークレイを見ると何か苦しんでいる。

「う、うぐぐ! 苦しい!」

「どうしたんだ!」


「に,憎い!」

「憎いって誰が!」


「クラビが憎い!」

 そう言っていきなりマークレイはクラビに飛び掛かり殴った。

「ぐあ!」


 ダウンするクラビ。

「どうなってるんだ!」

「マークレイさんが何の恨みを」


 呪術師は命令した。

「さあ今度は剣で切ってしまえ!」

「な?」


 マークレイが狂気の目でクラビに迫る。

 マークレイは内心思っていた。

 お、俺は認めたくないが、マリーディアがずっと好きだった。


 でクラビが仲良くしてるのを見て嫉妬していた。

 この気持ちを捨てたつもりだったのに……!


「よせ! 何かの間違いだ!」

 ボジャックは叫んだ。


 クラビは立った。

「俺はマークレイを信じる」


 と無防備に立っている。

 しかしマークレイが剣を上げた瞬間、それを止めた人物がいた。

 それはスタグラーだった。


「スタグラー!」

 スタグラーはマークレイを当身で気絶させた。


「スタグラー様、お戻りになられたのですね!」

 兵達は喜んだ。しかし

「勘違いするな。私は裏切って逃亡中だ。勇者を助けに来たのだ」


「くっ、裏切り者!」

 しかしスタグラーは兵達を軽くいなした。

 何とか騒ぎは収まった。


「スタグラー」

「クラビ君、久しぶりだな」

「あんた、味方なのか」


「味方だよ、そして我々ガト教の神に進化してもらう。私は母から貰った能力で君が人間でない事は知っていた。だからこれまでも手加減をして見逃して来たのだ。君はこれからアンドレイとの戦いで人間を超えた神の様な存在になるだろう。それは避けられん。その時こそ私に力を貸してもらう。母の敵討ちの為ガト教の象徴神として」


「さっきの女神の話そのままだったんだな。でも俺はこの先なにがあっても邪神なんかにならない!」


「出来るかな? それになってもらわねば神話戦争の末裔として殺された母の復讐が出来んのだよ」


「俺は貴方の気持ちや事情はよく分からないけど逆恨みなんじゃないですか?」

「低俗な逆恨みと一緒にしてもらっては困るな」


 睨み合い後、スタグラーは言った。

「おいとましようか。私は裏切って逃げているのでね」

 と言って大急ぎで去った。  

 



  


  


前へ次へ目次