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フリオンの指針

12月4日の活動報告をご覧下さい。


https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1159965/blogkey/3082268/

 色々話して一行は城を出て城下町に行った。

 すると一行の前に光が現れ、人の形になった。

「え?」


 それは女神と同じ様な格好をした少女だった。

 少女は言った。


「久しぶりねアイム。これからクラビ君達の力の引き出し方を教えるわ」

「フリオン。紹介するわ。神族の仲間のフリオンよ」  

「女神がもう一人?」

 アイムは説明した。


「紹介するわ。私の同僚フリオンよ」

「宜しく」


「女神さんってアイムって言うんだ。それに1人じゃなかったんだ」

「うん、それぞれ担当の地域や人とか役割が分担されてるの。で今日は」


 フリオンは口を開いた。

「これから貴方達がやるべき事について指針を伝えに来たわ、私はこれから同行してナビゲートするわ」


「これから、そうか、俺達これからの予定が漠然としていたな」

「王様に『一か月以内にアンドレイを倒す』って言っちゃったしこれ以上サブラアイムの暴挙が続けば戦争になりかねないし、何とか多くの人が犠牲になる事を防がないと」


 フリオンは口を開いた。

「そうね、時間がないわ。具体的に一か月でアンドレイを倒すには相当なパワーアップが必要よ。具体的に後二倍半以上に強くならなければ駄目かな」

「一か月で二倍半」


「そのためにはクラビの力をもっともっと覚醒させ、かつ記憶も取り戻す必要があるわ。記憶を戻せば力や技の使い方がもっと上手くなる。そして新しいスキルを覚えないと。その為にはノーズランド神殿に行って私達の神であるデュプス神に力を引き出して貰う必要があるわ。クラビだけでなく皆も」


「俺達も力を引き出して貰えるんだ」

「うん。そうしたら今よりずっと強くなるはずよ」


「クラビはまだまだどんどん強くなるわ。貴方は人間でなく神の手で作った『神の被造物』人形に命を吹き込んだ物なの。だから親がいないし記憶もないの」


「『神の被造物』」

「貴方は前世でアンドレイに殺された時、デュプス神様は生き返らせたのでなく新しく肉体を作ったの。だから普通の人間と違う大きな大きな力を持っている」

「じゃあクラビは戦えば戦う程無限大に強くなる?」


「それなんだけどね」

 フリオンの顔が曇った。


「クラビは人間でない、でもその体をデュプス神が作った時、部品が足りなくて邪教のガト教のパーツを使ったの。だからクラビには悪の血も流れてるの」


「え?」

「純正な『神の物』ではない悪い心がもしかしてこれから成長、覚醒するについて目覚めクラビ自身が悪、つまり魔神の様になる可能性があるの。アンドレイと戦うには余程のパワーアップが必要。でもその過程で悪の部分が覚醒し、クラビがコントロール出来なくなる可能性があるわ」


「お、俺は不安だけど、自分をコントロールして見せる」

 ボジャックは言う。

「そうならない様俺達が助けて見せる」

「頼もしい仲間を持ったわね」


 マリーディアは聞いた。

「ガト神ってデュプス神話の「デュプス、サブラアイム、ガト」の三神が争った時邪教として滅ぼされたあの?」


「そう、で貴方達と何度か戦ったスタグラーと言う指揮官、彼と母親もガト教の生き残りだったの」

「え?」

「彼の母親は邪教信者として迫害され死んだわ。その後スタグラーは多くの人間に復讐しようとアンドレイ軍に入ったけど、彼はデュプスもサブラアイムも憎んでるの。だからガト教を迫害したデュプスとサブラアイムの母親を迫害した人達に復讐する為、クラビを新しい教の象徴として使おうとしてるの。貴方がアンドレイ達との戦いで覚醒し人間を超える存在になった時貴方を新しい神としてガド信者達と共に母親の仇達を殺しガト神が統治する世界を作ろうとしてるのよ」


「だから、クラビの力を引き出すとか言ったのか」

「逆恨みの様な分かるような」


「でもやっぱりアンドレイとは違うけど悪人みたいなもんだろ」

「狂信者っぽいけど」


 その時町が騒ぎになった。

「サブラアイムの兵士達だ」


町の真ん中の時計台に手紙を付けた矢が放たれた。

「愚かなデュプス民へ、我々はもうじきデュプス侵攻を本格化させる。全面戦争ならいつでも受けて立つ」


 兵達は既に暴れだしており、アンカーの様な腕輪を付け人を攻撃していた。

「あれは神の武具?」


 フリオンは答えた。

「違う、あれは人工的に作った物よ」

「それがあんなにたくさん!」


 ボジャックは指示した。

「あいつらは火とか使って来るからそれを消すのにジェイニーは集中してくれ。マークレイやシヴァもアンカーで攻撃を防いでくれ。俺達戦士がまずあいつらを攻撃する」


 その時スタグラーは指揮官としてでなく逃げながら町の影に隠れ様子を見ていた。 


出来れば以上を踏まえて前のスタグラーの話をご覧下さい。

https://ncode.syosetu.com/n5860hw/6/

https://ncode.syosetu.com/n5860hw/8/

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