前へ次へ
71/223

ミッシェルの秘密とマークレイの秘技

2023年12月18日改稿しました。

マークレイは叫んだ。

「平和な世の中になったら今度こそ役者を目指す!」

 一方、ミッシェルも大勢の兵と戦う所だった。

 それにしてもミッシェルは重い鎧も盾も付けていない。

 

 動きやすい軽装だ。

 明らかにスピード重視。

 

 無防備と言われても仕方ない。

 しかしこの軽装は舐められ易さにも繋がる。


 兵は笑った。

「あいつあんな軽装備で鎧を着た俺達と戦うつもりなのか?」

 しかしミッシェルは余裕の態度を崩さなかった。


 ブロキアは戸惑った。

「何だあいつの雰囲気は……どこかで見た雰囲気だ。いずれにせよただのガキではない」


 と言う言葉を尻目に兵達はミッシェルめがけ突っ込んだ。

「うおおお‼」

 ところが。


「はい」

「え?」


 場が騒然となった。

 皆何が起きたのかを理解していない。

 

 ミッシェルはまるで水の様な動きで一瞬で兵の背後に回り込み首への当身一発で気絶させて見せた。

「え?」

「な、何者だ?」


 兵は怯えを隠さない。

「構わんやっちまえ!」

 兵は次々ミッシェルに襲い掛かる。

 

 余裕の表情ですいすいと剣攻撃をかわしていく。

 当たる確率〇のように。

 そして懐から出した小刀で戦う。


 僅かな動きのみで三人の兵士を小刀のみでさらっと倒して見せた。

 ミッシェルは汗一つかいていない。


 流石に兵達はたじろいだ。

 ブロキアは言った。


「こいつは只者ではない! 下がれ! 俺が相手をする!」

 ブロキアは前に出て来た。


 睨むブロキアに対しにやにやしたミッシェル。

「貴様、忍者か」

「当たりだ」


「忍者は少数の部族が生き残ってると聞いたが噂は本当だったか」

「そう、育ての親が忍者で鍛えられてるのさ。そして孤児院に送り込まれた」


 ボジャックは聞いた。

「何で孤児院に来たんですか?」


「実は育ての親の友人にすごい預言者がいて、あの孤児院には勇者の様な素質のある少年がたくさんいるから彼らと一緒に強くなりやがてアンドレイに立ち向かえと言われた」


 場がシーンとした。

 ボジャックは思った。

 な、何て人だ。同じ年なのにとても同じ世界を生きている様には思えない。


 ブロキアは言った。

「ところで忍者だけあって大した動きだがパワーはそれほどでもなさそうだな」

「試してみるか?」


「ふん、そんな細腕でか? さらに言えば声も女みたいだが」

「あ?」


 戦慄が走った。

 ミッシェルの血管がぴくぴくしている。


「誰が女みたいだこらあああ!!!!!」

 絶叫と共にミッシェルはパンチでブロキアを吹っ飛ばした。


「ええええ!」

「パンチであいつを!」


 一方マークレイは破竹の勢いで兵達を倒していた。

 女神は言った。

「あの子凄い才能の持ち主よ。神様から貰ったスキルを上手く使いこなしてる」


 そして止められてはいたがクラビとマリーディアも戦いに加わった。

「よし、全員倒したな!」


 マークレイは言った。

「あいつは俺に任してくれ」

「でも」


 マリーディアは少し心配した。

 クラビは言った。


「危なくなったら助けに入る」

「大丈夫だ」 


「ふん」

 とドードリアスはマークレイと向き合った。

「はああ!」


 大剣とマークレイの剣が激しくぶつかる。

 一歩も引けは取らなかった。


「うおおおお!」

 さらに気合を込めるマークレイ。


 しかし大剣の方が重くリーチもある。

 マークレイが振りかぶり切りに来た時に横切で剣を払われ落としてしまった。


「あっ!」

「隙ありだ!」


「はっ!」

 マークレイはバク転三連発で距離を取った。


「素早いやつめ!」

「よし、俺の特殊能力を」


 と言い腕輪を見せた。

「あれは神の武具? あいつも?」


 マークレイが精神を集中すると何と路地の岩や石などが浮遊して集まって来た。

 そして巨大なこん棒の形になった。


「神にもらった俺の特殊能力、岩を集め武器の形にする」

「『武器生成術』! あれ相当高度なスキルよ! どんな修練をしたのか」


「こん棒で剣に勝てるか!」

「うおおおお!」


 大剣とこん棒がぶつかり合いり両方が跳ね飛んだ。

「二人共丸腰に!」

「今だ! はあああ」


 マークレイは空いた右手にエネルギーを集め光らせた。

「光閃掌!」


 女神は叫んだ。

「あれは非常に高度な素手格闘術!」


 マークレイはアピールした。

「見たか! 俺はアズロ様に『戦いの天才』と評価を受けた男なんだ! 基礎を学んでから独学で身に付けたんだ!」


 女神は言った。

「あれは掌にエネルギーを集めてる」   

「今度はこん棒じゃないぞ。ぶっつけ本番の武器生成だ!」

 するとさっきと同じように石が集まったが、今度は何と大きな鎌になった。


 女神は驚いた。

「こん棒だけでも相当高度なのにその上鎌を。あの子すごいわ!」


 マークレイは叫んだ。

「平和な世の中になったら今度こそ役者を目指す!」

マークレイの技に少し裏付けがなかったように感じるので直すかも知れません。

前へ次へ目次