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シヴァの強さ

興味のある方はこちらをご覧ください

63話以降について書いてあります。

https://ncode.syosetu.com/n0414in/10/

 シヴァはおもむろに手首のブレスレットを見せた。

 それを見た皆が大きくどよめく。

 何をどよめいているのかと猜疑の目で見るブロキア。


 そしてシヴァは皆が驚く中、クラビのようにブレスレットにカードを入れた。

「おおおっ!」 

 ボジャックが叫ぶ。


 すると神の武具から猛烈な勢いで火炎が噴出されブロキアに襲い掛かる。

「ぬぐっ!」


 とブロキアは驚きながらも反応しサイドジャンプで咄嗟にかわした。

 しかし動揺は隠せない。


  どういうやつだ、とシヴァを探り怪しむブロキア。

「貴様も神の武具を持っているのか」

「……」


 こいつ一体……

 不審がり苛立つブロキア。

 ボジャックも呆然と見つめた。


 それに対して

「俺を甘くみるなよ」 

 と答えるシヴァの姿は確かな存在感があった。


 そしてシヴァは自信が行動を裏付ける様に皆の戸惑いを無視し言った。

「次はこれだ」


 とシヴァは静かに言うとカードを入れ替え、今度は電撃を神の武具から出した。

「ぬう!」


 鋭い電撃が襲いかかる。

 ブロキアは予想外の攻撃ながらこれもすれすれで何とかかわした。

 

 慌てながらも強がりを言った。

「そんな小細工で俺が倒せるか」

 

 しかしブロキアがそう言った瞬間だった。

 シヴァは低い体勢から突如凄いスピードでブロキアの懐に走り込んで来た。

 

 ブロキアは意表を突かれた。

 かつブロキアを驚愕させるにふさわしいシヴァのスピードだった。


「ぬ!?」

「小細工だけじゃない所を見せてやろう」

 と低い体勢から確かな自信のある声で言った。


 そして凄い瞬発力で踏み込み剣を繰り出した。

 そのスピードたるやブロキアの予想の遥か上を行っていた。

 度肝を抜くほどに。


 ボジャック達もシヴァの自分達より遥か上のスピードに驚いた。

 呆然と見ているだけだった。

 シヴァは気迫を込め叫ぶ。


「はああ!」

「ぬくっ!」


 スピードだけではない。

 戦法転換の早さにブロキアはさっき初めてアンカーを使った時以上に驚いた。

「貴様……」


 ブロキアは何とか反応してぎりぎりで槍で攻撃を防いだものの、シヴァの突然の出現と強さに驚き心底動揺した。

 怒りと苛立ちもある。


 そして、ブロキアが間合いをあけた隙を突き、シヴァはマリーディアに傷薬をあげた。

「これを付けるんだ」

「シヴァ……」


 ジェイニーはボジャックに聞いた。

「あの人一体? 孤児院の人でしょ?」


「ああ、マークレイの子分で強いんだけどいつもあまりしゃべらずマークレイの後をくっ付いて歩く人だった。クールで朴訥で、激しさもあるんだけど」


 ジェイニーは言う。

「クールでかっこいい顔だけど、意外と朴訥にしゃべる人ね。大きな声出さなそう。でも確かにときどき声が強くなる。でもそれ以前に強さとあの神の武具が」


 女神は説明した。

「私が担当じゃないけど、神様が武具をあげた人なのよ。クラビやマリーディアと同じ様に」


 ボジャックは言った。

「選ばれた人って事か。でもあいつがあんなとんでもなく強くなるとは、何があったんだ一体、相手はサブラアイムの司令官だぞ」


 そしてシヴァが間合いに飛び込み、二人はお互いに剣と槍をぶつけ合う。

 一進一退、一歩も引けを取らない戦いを見せるシヴァ。


 ブロキアは確かに疲れとダメージがある。

 それを考慮に入れても明らかにシヴァは強かった。

 

 シヴァは言った。

「どうだ? サブラアイムの司令官!」


「こいつら一体何者だ。ガキの癖にこんな力を持った奴がぞろぞろと」

 シヴァはあまりしゃべらないが、目を決してそらさず時々強くなる語気や表情が気迫負けしていない。


 確かな自信もある。

 これだけ司令官クラスと堂々と渡り合える度量を持っている。

 

 どこか余裕も感じさせる。

 それでいて機械の様な正確無比な動きだ。


 ブロキアは

「くあ!」


 と叫ぶと、左腹、それより四十五度右上、さらに六十度右上等に高速の槍攻撃を放った。 

 それを目をそらさず防いでいくシヴァ。


 最初はシヴァは防御に重点を置いていた。

 お互い剣と槍の有利な間合いを伺う。

 そして睨み合う。


 そしてシヴァはさっきより少し遠い間合いからの一撃をバックステップしてかわした

「有利な間合いにはさせんぞ!」


 と言いさらに距離を詰めて槍を連打するブロキア。

 シヴァはその連撃を剣で防ぐと、今度はもっと大きくバックジャンプした。


 そして大きく間合いをとると再度アンカーを射出してブロキアの槍に巻きつけた。

 ブロキアはそれには動じなかった。


「巻きつけただけで勝てると思うか。それとも武器を奪うつもりか? 無駄な事を」

 動じないシヴァはズボンをスライドし足首を見せた。

 そこには金色のアンクルバンドがあった。


「何だそれは⁉️」

「『スペクトルアンクルバンド』この神の武具は俺のキック力と瞬発力を強化する」


 シヴァはアンカーロープを支えとして勢いを付け地面を蹴り大きくジャンプした。

 何とブロキアに飛び蹴りを喰らわせた。


「ええ? 蹴り⁉」

 意表を突いた肉弾技と跳躍力にジェイニーは驚いた。


シヴァは12話に出てきています。

https://ncode.syosetu.com/n5860hw/12/


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