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スキルを試そう

2023年12月4日改稿しました。


 以下追記です。

「これは格闘術でなく魔法に近いわ。魔法の様に貴方の拳と肉体を媒体にしてエネルギーの塊にして魔法の力で突進する。力が強いか弱いかは関係ないわ」

 皆は立ち止まりスキルの確認をする事になった。

 ボジャックは自分の保持スキルを説明する。


「この『超怪力』は文字通り発動によって腕の力が飛躍的に上がる。例えば大きな岩をわずかな時間の

制限付きで持ち上げられたりするようになる。さらに『効果』と組み合わせることが出来る。例えば『拳の硬化』を身に付け超怪力と同時に発動する事によって『ただ腕力が上がるだけで手の硬さはそのままだったのが硬化され硬い拳になる。これにより超怪力で硬い拳で殴ることになり、ある意味武器を持った以上の威力の拳を持つ事が出来る様になる。同様に『高速化』の効果を身に付け発動させれば速くて重い拳が得られる。それに腕が硬化されていればいざという時防具にもなる」


 ゾゾは説明した。

「じゃあ俺の保持スキルを。『高速移動』は体力消費する事で僅かな時間スピードを上げる事が出来ます。レベル一、二、三の順に効果は高くなりますがその分体力を大きく消費します。時間も短くなります」


 今度は女神が説明した。

「じゃあ、『オートガード』について。これは避けそこなったり受け損なったりした時腕が自動反射して攻撃を防ぐわ。でも発動すると受けた手のダメージは上がってしまうの」


 女神は説明を続けた。

「じゃあ次は『感知』これは強い敵と弱い敵の気配を毎回じゃないけど察知出来るようになる。これはリスクは何もなくて持っていても損はないわ」


 マリーディアは言った。

「皆スキルの身に付け方を孤児院の武術授業でアズロ先生から習ったのよね」


 ボジャックは言った。

「ああ、だから体の気功エネルギーや魔法使いなら魔力をスキル発動エネルギーにする修練をしたんだよな。それに俺の奥義もアズロ先生との訓練で身に付けたし。久しぶりに出そう!」


 ボジャックは皆と少し距離をとり息を整え構えた。

「はああ! 地剣爆斬!」

 ボジャックの奥義で激しい衝撃波が辺りに起きた。


 ゾゾが続く。

 中腰になって足腰の力を溜めた。


「かえる跳び翔斬!」

 そしてそこから高くジャンプして下から切り上げる大技を見せた。

  

 剣どうしのぶつかり合いには隙が大きくて向かないが、大きなモンスターに対して大打撃を与える大技だ。


 凄い瞬発力だな……

 クラビは関心した。


 マリーディアが言った。

「じゃあ次は私」

 マリーディアも距離を取り構えた。


「はああ! 流麗なる剣の舞!」

 マリーディアの体から美しい舞うような太刀筋の奥義が繰り出された。


「やりますねマリーディアさん」

「ありがとう。あとマークレイも技あるよね」

「ファントム・0だろ? あれはすごいぜ」


「クラビさんは?」

「特にない……」


 女神は言った。

「いいえ、クラビの体には人間でいう気功や魔力のような力、『勇者の魂』があふれてるの」

「『勇者の魂』?」


「そうよ。神の作った人間であるクラビが使う力、これを使って勇者にしか出せない技が出せるわ」

「え?」


「魔法のように力をコントロールして出すのよ。精神と力を集中して」

「あ、ああ」


「『勇者の魂・火炎撃』よ。それこそ火の魔法の様に火を出すの」

「はあ!」


「もっと強く、叫んで!」

「『勇者の魂・火炎撃』!」

「まだまだ!」

「はあ、あっ!」


 クラビの構えた手先から現代で言う線香花火の様な火がわずかに出た。

「その調子よ! 色々な技が使えるようになればアンカーに頼ることなく真に強い勇者になれるわ! 次はザーゴンやスタグラーに見せた『勇者の魂・怒りの鉄拳』よ!」


 クラビはスタグラーと戦った時の事を思い出し静かに精神集中した。

 そして静かな中から体を温めるように燃やそうとする。

 あの時と同じ状態に。


「これは格闘術でなく魔法に近いわ。魔法の様に貴方の拳と肉体を媒体にしてエネルギーの塊にして魔法の力で突進する。力が強いか弱いかは関係ないわ」


 クラビの体にまばゆい光が集まるのが皆にも感じられた。

「すごいぞ!」


「はあ、はあ、うおおお!」

 と言いクラビはパンチを出した。

 しかしスピードがいまいちだった。


 女神は言った。

「スピードだけじゃなく威力と気迫も前より落ちちゃってる。これじゃ勝てないかな。もう一回出来る?」

「よし! うおおお!」


 今度もいまいちだった。

「本番で試すのが一番力出るタイプなのかも」


「でもぶっつけ本番は危険だよ。だから出せるようもっと練習する」

 と言いクラビは何回も繰り返していく。


 ボジャックは言った。

「俺が相手してやろか?」

 そうしてこつこつ少し不器用にクラビの訓練は続いた。


「やっぱり感情と状況がキーなのかしら。でもすぐじゃなく、だんだん出来れば」

「はっはっ」

 クラビは諦めず続け、皆もそれに付き合った。


 

 


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