前へ次へ
55/134

オマケ・次回作について2

引き続き、次回作についての概要です。

先述した通り、あくまでこれは現在の予定なので、投稿する際には何かしら変更が加わる可能性があると思ってください。

日本、異界の地で桜と出会う

あらすじ……

 ――2030年、オリンピックと万博を無事に終えた日本はデフレ状態に陥っていた。

 そんな中、帰化外国人を除いた外国人及び在日米軍の人員が全て消滅した日本は、異世界へ転移していることに気付く。

 その中で台湾、イギリス、カナダ、オーストラリア、北欧諸国、そして中東諸国とは連絡が取れたものの、それ以外の国とは連絡が取れないことに気付く。

 衛星の情報を探したところ、日本の衛星に加えて連絡の取れていた国家の打ち上げた衛星(この場合は英国、カナダなど)

 幸い食糧の多いカナダやオーストラリア、そして石油資源の豊富な中東諸国がいたことで当面の危機は免れると内閣がホッとしたのも束の間、国交相に対して警察庁から連絡が入る。

『福岡県博多警察署より緊急連絡! 剣と弓、原始的銃火器で武装した2万人以上のテロリストが突如博多港より上陸! 市民の殺戮を始めました‼ また、港湾部では木造船50隻近くが砲撃を行なっております‼ 砲弾の爆発により、建造物に被害多数発生中‼』

 日本の平和は一方的に、戦後85年にして打ち破られる。

 その世界で日本は、自国の過去と言ってもよい存在に出会う……

 日本の行く先や如何に。



登場人物

太山陽斗(たやま・はると)

25歳 身長178cm

職業・日本国陸上自衛隊福岡駐屯地所属3等陸尉

 本作の主人公。

 まだ入隊して3年の新米幹部自衛官だが、実家が北海道の農家と猟師という環境で育ってきたため、都会よりも野山の中にいるほうが、勘が鋭い。

 苗字の頭文字と名前の頭文字を取って『太陽君』とよく呼ばれる。

 『博多事変』の際に初陣を飾り、後で博多に強襲をかけてきた国、『チェインスネイク王国』を調査する偵察小隊の隊長に任命され、小隊50人と共に『チェインスネイク王国』の存在する西の大陸へ渡る。

 そこで彼と同じくチェインスネイク王国を偵察に来た沖縄の200km東の海域に『元々』存在していた『咲桜皇国(サクサクラスメラギノ国)』こと、サクオウ皇国の第5武士団団長、本多輝夜と出会う。

 彼女を仲介に日本とサクオウ皇国、ひいてはサクオウ皇国の宗主国であるレアウェポン帝国と出会うことになる。

 基本的には輝夜の第5武士団と自身の率いる小隊で行動を共にするようになり、輝夜と心を通わせ、恋仲になる。

 しかし、彼女の兵器マニアぶりとその思考回路の英国面ぶりには若干辟易している。

 ちなみに彼の小隊は偵察小隊とは言うが、本拠地にしている街に『16式機動戦闘車』と『87式偵察警戒車』を備えているため、ちょっとした戦争ができるレベル。



本多輝夜(ほんだ・かぐや)

20歳 身長164cm

職業・咲桜皇国第5武士団団長

 本作のヒロイン。

 サクオウ皇国に20ある武士団の第5武士団団長を任せられている茶髪の狐系亜人の女性で、サクオウ皇国軍事老中(日本で言う所の防衛大臣クラス)、本多正景の1人娘。

 卓越した武芸の腕前を持っており、コルト・ピースメーカーに酷似したリボルバー拳銃と日本刀によく似た刀を持ち歩いている。

 陰陽術という魔法に似た術を使い、身体強化術の『加速思考』を用いることで1度に10秒間だけだが距離150m前後のフリントロック式マスケット銃程度なら避ける、或いは刀で叩き落とすことができるほどの反応速度で動くことができる。

 見た目はハイカラさんといった風情だが、下着は動きやすさを重視してなのか、宗主国であるレアウェポン帝国の影響なのか、褌とサラシではなく西洋的な下着(要するにブラとパンティー)を身に着けている。

 近年侵略意欲を増していたチェインスネイク王国の動向を探るべく潜入していたところで陽斗たちと出会い、行動を共にするようになる。

 陽斗から日本のことを聞いたことで興味を抱き、父である正景に連絡を取り、日本の使節団を受け入れるように進言する。

 後にチェインスネイク王国の手の者によって誘拐されてしまうが、陽斗に助けられたことで彼に好意を抱く。

 ちなみに見た目はハイカラさんだが好物は紅茶とスコーンだったりする。

それと兵器マニアの性格故か、宗主国であるレアウェポン帝国の自走車輪爆弾(パンジャンドラム)や各種変態戦車、そして氷山空母(ハボクック)と木製戦闘機が好きという英国面的思想に堕ちている。

後に日本に渡り、『F―2』(対艦ミサイル4発積める変態)や『10式戦車』(スラローム射撃可能な変態戦車)、そして自衛隊の異常な練度(習志野の第1空挺団)を見て目を輝かせるなど、若干おかしな一面がある。


登場国家

チェインスネイク王国

 日本が転移直後に強襲してきた、近世中国に近い武装・能力を持った国家。人種としてはアジア系に酷似している顔立ちの鱗人族が支配している。蛇やトカゲに近い鱗が特徴。

 日本から見て西の大陸の、日本に一番近い国家で人口は1億5千万人。国土面積は現実中国の半分ほど。

 主産業は農業だが、北部には鉱山地帯もあり、そこで鉄鉱石や石炭などが産出する。

江戸時代の清王朝に近い能力を持つ。常備兵力100万人、予備役50万人という膨大な『数』を誇る。

 火薬の使い方を分かっており、日本の火縄銃に近い能力の銃砲火器を保有する。

 艦隊は戦列艦で、船に多数積んだ魔導炸裂式大砲で対艦戦闘も行える。大砲はカルバリン砲に酷似した性能で炸裂砲弾を持つ。

 この世界最強の国・『リングラド帝国』の保護国である『ガンジスト王国』……が保護している保護国である。

 ガンジスト王国から支援を受けているため魔導工業生産力(日本はもちろん、産業革命が起きているサクオウ皇国からしても原始的なモノだが)はそれなりにあり、常に戦列艦300隻以上を保有している。

 砲の射程が2kmしかないにもかかわらず、数が多いことと、『四神法術』と呼ばれる術で水と風を操り、船を木造船ながら15ノット前後まで加速させることが可能で、機動力がそれなりに高いためサクオウ皇国からは厄介扱いされている。

 さらに種族的特徴として亜竜族こと爬虫類系の魔獣を使役することが可能で、日本で言えばシーサーペントレベルの大きさを持つ大蛇や、リントヴルムと呼ぶべき装甲竜、そしてワイバーンというべき飛竜を使役する。

 大蛇は毒性の液体を吐くことが可能で、浴びせた生物の視力を奪う。また泳ぐ速度がそれなりに早く、水上戦力としても使役される。その速度は最大で20ノット。

 装甲竜はマスケット銃程度なら受け付けない防御力を誇り、口から爆裂魔導弾を発射する。この爆発弾は装甲貫徹能力こそほとんどないものの、威力だけならば幕末のアームストロング砲並みの威力を誇るため、王国軍の陸上戦力としては切り札に等しい。

 飛竜は最大速度180km、巡航速度150kmと戦闘ヘリより鈍足だが、文明水準から考えると貴重な航空戦力。攻撃手段は射程30mの火炎放射と魔導火炎弾。



 サクオウ皇国(サクサクラスメラギの国)

 日本が転移してから初めて平和的に接触できた国家で、日本の本州並みの面積を持つ島嶼国家。

 日本の南東部200kmと非常に近い距離にあり、チェインスネイク王国の例から接触を控えていたにもかかわらず、太山陽斗がそこの重要人物と接触したことで日本と会談する。

 人口は4千万人で常備兵力は18万人、予備役は9万人と国土面積の割にそれなりの人数を確保している。

 人種としては日本人に似た顔立ちと同じような命名法則の獣人族が支配している。キツネや犬、猫やクマなどの哺乳類系の耳や尻尾を持つことが特徴。

 列強国であるレアウェポン帝国の保護と、この世界では絶大な力を持つ神龍族の加護を受けており、本来であれば文明圏外国家だがその能力も相まって準列強国と言われている。

 この世界ではレアウェポン帝国に並んで珍しい科学を用いる国家で日本の明治時代後期から大正時代並みの能力を保有しており、『香取』型前弩級戦艦に酷似した船と、『鳳翔』型航空母艦に酷似した船舶を保有する。

 魔法とは異なるが『陰陽術』という術を操り、身体強化や地水炎風に関わる術を発動できる存在がいる。

 いわば『武士が支配したまま明治時代になった日本』のようなイメージで、主産業は米・野菜を中心とした農業と漁業、そして絹糸産業。

 こだわって作られた絹糸の質の高さは世界的にも評価が高く、この国の有力な輸出品となっている。

 兵士たちは『武士』という名前のままで、士農工商の階級に基づいて、しかし史実の日本よりは少々緩やかに支配体制が敷かれている。

 商人の力は意外と弱く、国営の兵器開発局や技術者がいることで商人の発展を抑えている。

 また、神龍族の眷属である炎龍、水龍、風龍、地龍、闇龍、光龍と呼ばれる属性龍たちが様々な形で協力しているため、航空戦力も充実している。

 有事の際は属性龍たちを空母に乗せ、運用することができる。



レアウェポン帝国

 イギリスと北欧諸国が転移後初めて接触した国家で、大陸の西側に位置するオーストラリアの4分の1ほどの面積を持つ大型島嶼国家。

 イギリスが偵察のために『P―8』対潜哨戒機を飛ばしたことで発見された。

 この世界第2位の列強国で、魔法と科学を融合させた『魔法科学融合学』と呼ばれる独特の技術を保有している。基本的には科学を用いるが、一部に魔法を用いることで兵器が一部地球基準で『あり得ない』能力を発揮している。

 人口は5千万人で常備兵力は45万人、予備役は20万人とこちらもサクオウ皇国同様に兵力が多い。

 人種は普通の人間種とドワーフ、エルフの3種が多い。

 世界第2位の列強国であるというプライドよりも面白いものが大好きで、技術開発と兵器発明に心血を注ぐ国民気質で、常に色々な発明をしている。

 その結果、一部の技術は第二次世界大戦を超えたモノとなっている。その代わり、その技術のほとんどは理解されない。

 各国からは『よく分からない珍兵器大国』と言われており、逆に皆手を出したがらない。

 海軍の主力兵器は魔素の溢れる超巨大氷山から切り出して削り上げた超巨大な『氷山空母(しかもスキージャンプ甲板で……)』と艦載機として風・炎混合魔導空気圧縮放射エンジンで飛行する『バンパイア』もどきのジェット艦載機『ナイトローグ戦闘機』、さらに地球基準で言う超弩級戦艦や巡洋艦、駆逐艦を保有している。

 陸軍は戦車を保有しているが、それは何故か歩兵支援用に『プレイング・マンティス』もどきの『ジラフ歩兵支援車』と『インディペンデント多砲塔戦車』もどきの『ディアー多砲塔戦車』、戦車対策に『アントライオン対戦車自走砲』と『TOGⅡ』もどきの『ライノセラス重戦車』などを保有している。

 空軍は高性能のレシプロエンジンを使用していることから、主力戦闘機として『スピットファイア』と同じ構造の『木製』戦闘機を有している。しかし魔素を帯びた『金剛木』と呼ばれる木を素材としているため、軽く、足が速く、それでいてアメリカの『A―10』サンダーボルトの装甲並みの頑丈さをほぼ全体に持つという反則ぶり(ちょっとした機銃はもちろん、榴弾の破裂にすら耐える。ただし、木製で軽いので爆風で吹っ飛ばされる)。

 低空での格闘戦ならば第一世代のジェット機相手でもそれなりに立ち回れる。

 しかし現在はバンパイアを参考に陸上配備型のジェット戦闘機の開発が進められている。なぜ地上配備型を先にしなかったのかは謎。

 さらに極めつけとして魔素探知機を装備した自走車輪爆弾こと『グレイウルフ』がある。

 これはロックオンした目標の魔素反応を追跡し、炎魔石の魔導噴射エネルギーの続く限り追いかける。

 主にリングラド帝国の魔導戦車や魔導自走砲に対して用いられている。要するに用法と製造法を間違えた英国版無線式ゴリアテにして、追跡型パンジャンドラム。

 しかしパンジャンドラムその物の見た目に反し、一度目標をロックするとエネルギーが尽きるまで軌道を修正して追いかけるため、動きの鈍い戦車や自走砲、そして要塞に搭載されている大砲などを狙うと効果的に命中させられるという悪夢のような兵器。

 ただし、不整地で使用すると転ぶことが多いため、それを修正するために転んだ瞬間にロケットの噴射で姿勢制御をするというよく分からない造りになっている。

 また、氷山空母に使用されている氷は強力な魔素を帯びており、物理的な『熱』では溶かすことができない、削ることによる加工は可能だが、爆撃や雷撃などの強烈な衝撃を受けると海水を取り込んで修復するという反則性能。

 ただし、魔法によって発生する熱には弱いため、飛竜や炎龍の炎などを喰らうとあっという間に溶けてしまう。

 要するに、『英国面国家』。

 日本は唖然とし、英国は『ブラボー!』と声を上げる。やはり同志だと思ったのだろう。

 対空誘導弾は開発できているが対艦・対地誘導弾は現在開発中。



ガンジスト王国

 日本から見て西の大陸の、チェインスネイク王国の西側にある広大な森林国家。リングラド帝国の保護国でもあり、大陸の中でも中国に匹敵する国土を有する大国。

 リングラド帝国の技術提供で国家を成り立たせており、技術のほとんどを依存している。

 主力戦車が魔導エンジンで動く『T―34』と『IS―2』によく似た魔道戦車、主力戦闘機が『Mig―15』に似た魔導空気圧縮放射エンジン搭載型航空機。

 海は大陸の西側にあるため、そこに海軍がわずかに存在する。空母は保有しておらず、戦艦、巡洋艦、対空能力に特化させた軽巡洋艦と駆逐艦が存在する。



リングラド帝国

 イギリスおよびレアウェポン帝国より西に5千kmの所にある広大な大陸の大半を支配する巨大国家で、世界最強の魔導文明国家。

 大陸の大半を支配しているが、かなり強引な占領政策を行なっているため各国の評判は良くない。

 人口は2億を超え、常備兵力は100万人、予備役も30万人。

 世界最強を名乗るだけあって、性能的には冷戦過渡期のソ連に酷似した兵器を多数保有している。

 魔導鉱石を練り込んだ魔導合金を用いた軍艦や戦車を運用しており、魔法を技術体系の基本としている以外は地球国家に酷似している。

海軍の主力は誘導弾を多数搭載した『キーロフ』級巡洋戦艦に酷似している艦。ただし『キーロフ』級に比べるとステルス性に劣り(キーロフ級はかつて、NATOのレーダーで2千t前後のフリゲート程度にしか映らなかった)、普通にレーダーに映る。

主力兵装は魔導誘導弾で、対艦・対地・対空と様々な種類を運用できる。

空軍は『Mig―21(NATOレベルで『F―104』スターファイターとほぼ同じ能力)』に酷似した形状の魔導空気圧縮放射エンジン搭載型航空機が主力。

レアウェポン帝国と異なり空母はソ連の『アドミラル・クズネツォフ』に酷似した見た目の航空魔導母艦となっており、他の艦同様に魔導合金製。

戦車は『T―62』に酷似した避弾経始を砲塔に取り入れ、115mm滑腔砲を使用した戦車。





転生特典に艦隊貰ったけどクセがある奴ばっかり!

 海運会社に勤める軍艦好きのサラリーマン・大蔵旭日は、休暇で海外旅行に出たが、飛行機に乗っていた時に過労からそのまま死んでしまう。

 すると、彼は『神様』の前に立っていた。

 曰く、『本当は今死ぬはずではなかったのだが、幼い頃に命運がねじ曲がってしまっていた』ことに気付いていなかった、と告白された。

 その詫び代わりに、広い海のある世界へ、無限弾薬の加護を受けた艦隊を付けて転生させてくれるという。

 その時、たまたま飛行した経路から旧日本軍関係者の念が残っている場所でもあったため、彼らの魂もできれば連れていってほしいと頼まれる。

 大好きな軍艦に乗れて、しかも操縦ができる人までつけてくれるということで旭日は大喜びする。

 しかし、『神様』の手引きで異世界『マギカクロイツ』に転生する前に、できる改装を施そうと自分の艦隊を把握した彼は思わず叫んでいた。

「艦隊貰ったけど、クセがある奴ばっかりじゃないか―!」

 これは、人間的には問題は無く、しかし性能と艦歴的に問題のある艦隊を率いる羽目になった軍艦オタクの物語である。



人物

大蔵旭日

年齢・25歳(転生後18歳) 性別・男

好きな物・こと……カレー、ミルク、刺身、軍艦のプラモデル作り、軍港めぐり

苦手な物・こと……異様に辛い物、バス(海の上とは違った意味でやたらと揺れる)

備考・元々は海運会社に勤めている軍艦オタクのサラリーマンだった。休暇でハワイへ行こうと思い飛行機に乗ったものの、過労からそのまま死んでしまう。

 神様から転生させてもらうと同時に艦隊とそれを操ってくれる軍人、軍艦の化身を貰うが、一癖も二癖もある船ばかりで若干嘆息する。

 海と船をこよなく愛しており、何気にカレーや煮魚なども作れる料理上手。

 転生後は『大蔵艦隊(旭日艦隊だと色々引っかかるので)』を率いて世界を股にかける。

 転生後はネストハーランド王国軍総大将にして次期国王候補第1位。



エルヴィナ・ネストハーランド

年齢・16歳 性別・女

備考・本作のヒロイン。

旭日が転生してから3日後に出くわし、海賊に襲われていたところを助けられた女性。

カムチャッカ半島と朝鮮半島を足した大きさに近い広さを持つ島国・ネストハーランド王国の王女で、愛称は『エルヴィ』。

 自分を助けてくれた旭日を国に連れていき、彼を賓客として出迎える。その後、彼が活動する拠点として王国の港を与えることになる。

 旭日に好意を寄せ、旭日を将来の国王に据えようと考えている。

 ネストハーランド王家の特徴から、『エルフの美貌と魔力』、『ドワーフの腕力と酒豪』、『獣人族の身体能力』、『ダークエルフ族の頭脳とずる賢さ』、『人間の繁殖力』を全て併せ持つ『キマイラ族』となっている。

 見た目は背の高いエルフの美女で、かなりの巨乳。

 特異な能力として、地水火風闇光の精霊たちからの強い加護を受けており、ハイエルフ並みの強力な魔法と、古代龍並みの膨大な魔力を有するというチート存在。

 それ故に精霊の加護が失われた各国からは狙われている立場。



扶桑

 年齢不詳(見た目大学生くらい)

 備考・主人公の補佐役

 旭日が転生した後、彼をナビゲートしてくれる役目を担う、戦艦『扶桑』の化身。某軍艦擬人化ゲームのキャラとは異なり、大日本帝国海軍の軍服に身を包んだ、凛々しい顔立ちと長身にポニーテールといういでたち。

 戦艦『扶桑』においては艦長のような立場となっており、他の人々を指揮する立場にあるが、某軍艦擬人化ゲームのように艤装を小型化して持ち歩くことはできない。

ついでに言うと、不幸艦と言われた自身のかつての境遇を嘆くこともなく、『国名(扶桑は日本の別名)をつけていただいたことをただただ誇りに思うのみです』と言い切るなど、さっぱりした一面もある。

性格は武人気質で、航空戦よりは砲雷撃戦を好む。本人に言わせれば、『殺るか、殺られるかのヒリヒリした感覚が、生きている実感をくれる』とのこと。

妹の山城共々、砲撃が始まると若干獰猛な笑みを見せるバトルジャンキーな一面もあるが、戦った相手には敬意を表するため、戦闘が終わればきちんと救助を旭日に具申するなど、オンオフの切り替えがはっきりしている。

 旭日の秘書的存在でもあり、ネストハーランド王国に腰を落ち着けることになった彼のために、妹や巡洋艦、空母たちと共に補佐をする。

 ただし、純粋な日本軍艦であるせいか、飲み物は紅茶もコーヒーも苦手で、緑茶かほうじ茶を好む。

 そのくせ食べるものに関しては軍艦ということからカレーと肉じゃが、そして羊羹やアイスなどの甘いものを好む。

 ついでに、大和型戦艦で飲めたラムネのことは知らないらしく、『なんですかそれ?』と首を傾げた。



山城

 年齢不詳(見た目大学生くらい)

 備考・扶桑の妹

 戦艦『山城』の化身で、姉同様某軍艦擬人化ゲームのキャラとは異なり、大日本帝国海軍の軍服に身を包んだ、勝ち気な顔立ちに癖っ毛(某戦車道アニメの戦車大好きグデーリアンの髪形に酷似)の女性。

 戦艦『山城』の艦長的存在で、『山城』の乗員を指揮する立場にある。

 姉共々不幸艦と言われた過去は気にしていない。本人曰く、『幸か不幸かなんてのは、他人様に決められるものじゃねぇ!自分が満足できたかどうか、それが重要なんだよぉ‼』と笑い飛ばすタイプ。

 扶桑のことは『姉ちゃん』と呼んでいる。

 若干キレっぽい部分があるが、戦艦の艦長という立場らしく興奮していても頭の片隅に冷静さを忘れていない。

 姉同様砲雷撃戦こそが海戦の華と考えており、神界での改装で45口径41cm三連装砲になったことを非常に喜んでいる。

 姉とは異なり敵には容赦のない一面を持っており、ヴェルモント皇国の首都に攻撃する際は『どうだ! クソッタレの外道ども‼』と叫んだことも。

 若干バイセクシャルらしく、ネストハーランド王国に上陸してからはエルフや獣人族の美人をよく夕食に誘ったり、旭日を抱きしめて豊かな胸部装甲にうずめさせたりと豪快。



雲竜・葛城・天城

 年齢不詳(見た目は大学生)

備考・空母3隻の艦長的立場の化身で、雲竜がどっしりしたお姉さん、葛城はメガネが似合うオドオド系の女の子、天城は猫背気味のネガティブな女の子。

先輩である扶桑や山城によく指示されて旭日の手伝いをしている。それ以外では航空隊の指揮及び訓練が仕事。

甘いものと可愛いものに目がなく、子供たちの面倒もよく見る。



飛鷹・隼鷹

 年齢不詳(見た目は高校生)

 備考・民間船転用空母2隻の艦長的立場の化身で、飛鷹・隼鷹共に高身長でゆったりした体型の、『見た目高校生とは思えない胸部装甲』の持ち主。

 飛鷹・隼鷹はお客さんをおもてなしする『ハイカラメイドさん』的立場(彼女たちは元々客船)。

 料理を作ることとお茶を淹れることが上手で、旭日や間宮と共に幹部(この場合は艦長クラス)の厨房は彼女たちが請け負っている。



大鳳

 年齢不詳(見た目は20代の女性)

 備考・装甲空母『大鳳』の艦長的立場の化身で、見た目は経理のOLさんかと思うほどお堅そうなイメージの女性。

 日本海軍所属空母で唯一の装甲空母だったという立場から、他のメンバーとはちょっと距離を置きがち。しかし本当は仲間思いで、仲間のピンチとなれば自身の船体を盾にしてでも守りたいという熱い心を持っている。

 改装によって内部容量が増加し搭載機数が増えたのはとても嬉しいのだが、その分体重が増えたのが少し悩み。


夕張

 年齢不詳(見た目中学生)

 備考・軽巡洋艦『夕張』の艦長的立場の化身で、見た目は若干やせぎすで眠そうな目な女の子。

 服装は軍服ではなく白衣が基本。

 実験艦・試験艦に近かったという立場から、兵器の整備や開発を行なっており、ネストハーランド王国に居を構えてからは明石と共に『夕明工廠』を立ち上げてエルフやドワーフたちを集めて色々な技術革命を教えている。

 さらに艦隊の新兵器に魔法や魔法具を応用できないかと考えることも仕事で、日がな一日研究室に詰めていることも多い。

 マッドサイエンティスト的な一面があり、イ号乙無線誘導弾が完成した時には『エロ爆弾作っちゃったよぉ‼ 女湯にダイブさせないとねぇアッヒャッヒャッヒャッヒャ‼』と笑い転げる若干危ない一面も……。

 戦闘では程々に戦果を稼ぐタイプで、あまり前へ出ようとはしない。

 本人曰く、『私、撃沈したくないので』。



香取・鹿島・香椎

年齢不詳(見た目は高校生、香椎は中学生)

備考・『香取』型軽巡洋艦3隻の艦長的立場の化身で、若干寸胴なお腹周り(元が商船構造なので)の女の子。

 3人とも動くのはあまり得意ではなく、どちらかというと座学が得意なタイプ。

 ネストハーランド王国に居を構えてからは、新生王国海軍に大日本帝国海軍の教練(砲撃・雷撃・陣形など)を教える教官的立場になる。

 そのせいか、見た目に合わず大人びた態度をとることが多い。



最上・三隈・鈴谷・熊野

年齢不詳(見た目は高校生)

備考・『最上』型軽巡洋艦3隻の艦長的立場の化身で、3人とも活発なスポ根系短髪女子。

 香取型の3人とは打って変わって頭を使うよりは体を動かすほうが得意なタイプで、高速航行しながら接近して砲弾や魚雷を撃ち込むのが好み。

 ネストハーランド王国に居を構えてからは雲龍たちと一緒に子供の面倒をよく見るようになり、彼らに日本のスポーツや武道を教えている。

 スポ根だけあって血の気が多く、ヴェルモント皇国首都砲撃の際は『荒ぶる……あたしたちの魂が猛っているよぉ‼』と叫ぶことも。



北上・大井

年齢不詳(見た目は高校生)

備考・『重雷装巡洋艦』の艦長的立場の化身で、ちょっとくたびれたような感じのスレンダーな女の子。

 魚雷が重いうえに一発でも被弾すれば誘爆で轟沈間違いなしと言われる重雷装巡洋艦に改造されたことから、あまり性格は明るくない。

 特に、北上は『回天搭載母艦』に改装された経緯から『命は粗末にしたくないよぉ……』と露骨に回天を嫌っている。

その代わり、切り札である九一式酸素魚雷が命中すると、どちらもマッドな表情を見せる。

 気を遣ってくれる旭日のことを2人とも憎からず思っているが、どちらもあまり喋らないため意思も伝わりにくい。

ネストハーランド王国に居を構えてからは基本的にシーレーン防衛が仕事となる(そもそも重雷装巡洋艦が必要になる場面があまりない)。

水雷戦に関する教官にもなる。



明石

年齢不詳(見た目は高校生)

備考・『明石』型工作艦の艦長的立場の化身で、全体的に丸い少しふくよかな体形。

 おとなしそうな見た目に反して物理・化学系女子で、夕張と共に艦隊の兵器整備や新兵器開発を一手に担っている。

 『夕明工廠』を立ち上げてからはドワーフやエルフたちに現代的な鋼鉄船の作り方や港湾部の工事方法、それに伴う重機類の扱い方などを伝授していく。

 夕張共々仕事に夢中になりすぎて寝不足になることも多く、講義と研究と出撃以外で暇があれば大体寝ている。



間宮

年齢不詳(見た目は20代の女性)

備考・給糧艦『間宮』の艦長的立場の化身で、ゆったりとした穏やかなお姉さん。

 普段はニコニコしながら皆にお菓子を出す、お茶を出すという穏やかな『若女将』といった風情だが、食べ物を粗末にする輩には、普段の穏やかさが嘘のように烈火のごとく叱りつける。

 このため、『間宮お姉さんは怒らせちゃいけない』というのが大蔵艦隊の不文律。

 ネストハーランド王国に居を構えてからは王国の人々に日本食や給糧艦ならではのレシピなどを伝授していく。



足摺・塩屋

年齢不詳(見た目は中学生)

備考・空母機動部隊専門の給糧艦である『足摺』型給糧艦2隻の艦長的立場の化身で、間宮よりは明石や夕張と仲がいい。

 部品の調達やガソリンの供給など、弾薬以外の補給は彼女たちの仕事。

 ただし、本当は空母随伴型の艦だったからか、戦いの時は空母のそばにいたがる。

 ネストハーランド王国に居を構えてからは、王国軍に『補給・兵站維持がいかに大事か』を教える教官となる。



伊400・伊401・伊402

年齢不詳(見た目は大学生)

備考・『伊400』型潜水艦の艦長的立場の化身で、忍者のような恰好をしている、寸胴な女性。

 見た目はぽっちゃり系美人で、400ことシオーがお姉ちゃんらしくまとめ役で、401ことヨーイが『動けるデブ』ならぬ『動けるぽっちゃりさん』、402ことヨーツが甘えん坊と性格が分かれる。

 潜水艦という立場から、魚雷を使って戦艦を沈めることが好き。

 それとは別で、運河を見ると搭載している『晴嵐』を出したがる。元々課せられたお役目の都合上、血が騒ぐようである。



津軽

年齢不詳(見た目20代の女性)

備考・敷設艦『津軽』の艦長的立場の化身で、口数が少なく1人でいることが多い。

 仕事は主に『千鳥型水雷艇』を率いての領海警備で、いざ戦時体制となれば搭載している機雷を大量に敷設して敵の襲来に備える。

 『千鳥型水雷艇』は王国海軍の主力軍艦兼シーレーン警備用軍艦として量産されることになるため、実質津軽が警備艦隊の司令官という立場。



千鳥・真鶴・友鶴・初雁

年齢不詳(見た目小学生)

備考・千鳥型水雷艇4隻の艦長的立場の化身で、見た目は子供、頭脳は大人という風体で、普段は冷静な性格。

 ただし、水雷戦の際には雷撃バカと言われた大日本帝国海軍の血が騒ぐのか、『あいつらをサカナのエサにしてやれぇっ!』とか『痛いのをぶっ食らわせてやれぇっ‼(それあんた(水雷艇)のセリフちゃう)』とか叫ぶ、トリガーハッピーな一面もある。

 日常では近海・シーレーン警備を仕事としており、不審な輩がいると真っ先に臨検する。



あきつ丸・熊野丸

年齢不詳(見た目は大学生)

備考・陸軍輸送船の艦長的立場の化身で、基本的には陸軍兵の輸送が任務。飛行甲板を搭載してはいるが、空母的な運用をする予定はない。

 あきつ丸も熊野丸も陸軍の関係という割には冷静沈着で、理知的に作戦を考えられる。

 『陸軍は海軍の提案に反対である』なんてことも言わない。

 ただ、この世界では純粋な輸送船という立場から、物資・人員の輸送がないと暇になる。

 扶桑や山城以外で彼女たちだけが軍刀と拳銃を標準装備しており、陸戦の際には全線で指揮を執る。



登場国家

ネストハーランド王国

 カムチャッカ半島と朝鮮半島を足したくらいの面積を持つ島国で、農業・漁業・造船業・鉱山業などの各産業が非常に盛ん。

 元々は強い精霊の加護を得ていたハイエルフの初代国王『オベイロン・ネストハーランド』によって建国され、1万年を超える歴史を持つ。

 国王が変わるごとに様々な種族と婚姻を結んできたため、王家はたまに種族の特徴が交じり合った『キマイラ族』として生まれることがある。

 現国王はネストハーランド48世(ハイエルフの血が入っているために基本的に長命)。

 度々日本人の転生者(日本人のまま転生してきたわけではないが)である松永久秀や織田信長、徳川家康などが現れた結果、文明力・技術力は江戸時代初期の日本並みで、魔法を用いた文明で成り立っているものの、建築物や兵器の設計思想も日本寄りになっている。

 食文化として、この世界では珍しいコメを主食としているほか、生魚を食べる文化がある。

 住人はヒト種・エルフ種・ドワーフ種・獣人種・水棲人種などの多種族国家。

 一応大砲を備えた『鉄甲船(織田信長が九鬼義隆に作らせたと言われているアレ)を有しているが、基本平和な国だったこともあって軍の能力はさほど高くない。

 そのため友好国との関係を強化しておこうとエルヴィナ姫を近隣の友好国へのパーティーに送った帰りにその船が海賊に襲われることになった。

 それを助けてもらったことにより、旭日たちを受け入れることになる。

 国土は大きく分けて4つに分かれており、それぞれに異なった精霊の加護が宿っている。

 北東部分は鉱石と炎の精霊の加護で火山・鉱山区域となっており、アイゼンガイスト基準で世界の5指に入るレベルの大量の鉱物が出土するほか、温泉街としても有名。

 南東部分は大地と食物の精霊の加護で穀倉地帯となっており、日本的なコメから欧米的な小麦・大麦まで様々なものが育成されており、食糧自給率を130%まで引き上げる要因となっている。

北西部は樹木と水の精霊の加護で豊かな山林地帯となっており、魔力の宿る木『魔木』が育成している。こちらも精霊の加護によって樹木の生育が地球基準の10倍以上早い。

そして南西部は風と温和の精霊の加護で人々が平和かつ快適に暮らせる土地となっており、ネストハーランド王国の人口の4割がここに居住している。

これらの精霊の加護は『精霊信仰』の考えに基づくもので、ネストハーランド王国以外では世界最強と言われる列強国『アイゼンガイスト神精霊国』しか信仰していない。

しかしこの国のおかげで、ネストハーランド王国は保護国でこそないものの大切な取引相手と考えられており、弱小国でありながら世界最強国の庇護下にあると認識されている。

 また、『全ての精霊たちを統べる存在』という意味で太陽を国旗としており、それが輝くという意味で旭日旗を海軍旗に用いている。



オルファスター王国

 ネストハーランド王国とほぼ同じ大きさの国土・同じくらいの国力を持つ西の大陸沿岸部の国家で、第三大陸の列強国・ヴェルモント皇国の保護国でもある。

 君主はドワーフのオルファスター15世。子供に王女のメリア・オルファスターがいる。

 オルファスター王国は東の島嶼国家との貿易立国でもあったが、その立地故に中継地点となっているネストハーランド王国を羨んでいた。

 加えて、宗主国であるヴェルモント皇国にいい顔をしたいと考えると同時に、メリアがたまたま出入りの商人から入手した旭日の魔道写真を見せられて『この人が欲しい!』と考えるようになる。

 その結果、『ヴェルモント皇国の威を借りて王国を脅し優位に立ち、ついでに娘の要望をかなえてやろう』と考えた国王が娘を含めた使節団を派遣し、『臣従しなければ滅ぼす。臣従するならばこの地に現れた黒髪の男を引き渡せ』と要求した。

 だがネストハーランド48世が断ったことにより、ヴェルモント皇国の旧式戦列艦を含めた艦隊1千隻を送り込むが、大蔵艦隊の攻撃の前に一撃を淹れることもなく壊滅する。

 カルバリン砲に近い大砲を保有しており、ネストハーランド王国の戦列艦より射程に優れるが、砲弾は球形で破裂しない。

 いわゆる最初の敵。雑魚。



ヴェルモント皇国

 ネストハーランド王国から見て、西南にある第三大陸と呼ばれるアフリカ大陸並みの大きさを持つ大陸の西半分以上を支配する国家で、五大強国の三番手に位置する。

 君主は女帝でアミリア・ヴェルモント。

 文明レベルとしては戦列艦に鉄板を張り付けることを覚えた幕末の日本並みの能力といってよく、アームストロング砲に近い能力を有する大砲や、スペンサー銃並みの銃器、さらに手回し式で毎分200連発の魔導ガトリングガンを持つ。

 主力艦は日本基準で『迅鯨』という蒸気スクーナーにアームストロング砲を載せたような魔道機械動力戦列艦。

 ドングリ型になった砲弾の威力も強力で、鉄板を張り付けていても既存の戦列艦レベルであれば貫通し破壊することが可能。

 また、航空戦力としてエアロ・ホークと呼ばれる風の力を受けた、時速300kmで飛行できる鷹と、時速250kmで飛行するワイバーンを使役している。これらを洋上で運用するための原始的な航空母艦的な存在として、『迅鯨』に飛行甲板を取り付けたような『エアロキャリアー』という船を運用している。

 エアロ・ホークが戦闘機、ワイバーンが艦爆と艦攻に近い存在。

 保護国だったオルファスター王国が敗れたことでネストハーランド王国に対して謝罪を要求し、王女の身柄とオルファスター王国を破った艦隊の責任者を差し出すように求めてきた。

しかし、断られたので攻め込もうとした結果、圧倒的な戦力の前に敗れ去る上、沿岸部にあった自国の首都に艦砲射撃と陸軍戦車連隊及び歩兵連隊の万歳突撃を受けて首都防衛隊が甚大な被害を受ける。

 中ボス的扱い。



クレルモンド帝国

 第二大陸と呼ばれる、ロシア連邦と同じくらいの大きさの大陸の中央から半分ほどを支配する覇権国家で、五大強国の二番手に位置する。

 場所はネストハーランド王国から見て北へ1500kmと比較的近い。

 魔族の支配する国で、強大な魔法を用いる者たちが主に暮らしている。

 君主はルシファー・クレルモンド。

 文明レベルはヴェルモント皇国とほぼ同じくらいだが、兵器単体での質はこちらの方が若干上。アームストロング砲レベルの魔導砲と魔族の魔法により強化された装甲を装備した、『東』型二等戦艦に酷似した装甲艦を主力にしている。

 また、エアロ・ホークより強力な航空戦力としてダークキラーホーネットと呼ばれるスズメバチに似た生物を配備している。これはワイバーンやエアロ・ホークと異なり垂直離着陸が可能な生物で、時速400kmで飛び回ることが可能。

 木造スループの船体を流用した魔蟲母艦を運用し、一瞬にしてダークキラーホーネットを20匹以上飛翔させることが可能。

 武器は尾部の毒針と大顎、そして針から飛ばす闇属性の攻撃魔法『ダークアロー』である。

 魔力が多い魔族の力を笠に着てネストハーランド王国に対して大量の食糧と資源、さらに王女で『キマイラ族』として強い能力を持つエルヴィナ王女を『資源』として『供出』するように要求してくる。

 エルヴィナ本人が『自分は旭日と結婚してこの国を継ぐ』と断言したことでネストハーランド48世もその要求を蹴った。

 その結果、迫る艦隊を大蔵艦隊が蹴散らし、大陸南部に面している首都のクレモニアに完成したばかりの爆撃機による空爆を受ける。

 さらにその後、戦車部隊を先頭にした万歳突撃を受け、帝城が陥落、ネストハーランド王国と講和することになる。

 中ボス(上位)な相手。



アトランティス王国

 アトランティス大陸という、オーストラリア大陸とほぼ同じ面積を持つ大陸を支配している国家で、旭日たち大蔵艦隊が転移してくる数十年前に国ごと転移してきた存在。

 国王はアトランティス36世。

 位置的にはネストハーランド王国の南西3千kmの海域に存在する大陸。

 1万年以上続く大王国で、前世界では国家の併呑と列強国との小競り合いを繰り返していた。『いずれは世界を支配する』と豪語しており、本国の人間は非常に傲慢。

 転移後もその好戦的な性格から周辺の島国を次々と併呑し、その中で魔法技術を取り入れて元々保有していた科学技術と融合させた魔法科学と呼ばれる独自の文明を持つ。

 兵器、特に軍艦の設計思想はなぜか第二次世界大戦時のアメリカじみている。

前弩級戦艦を保有していたころに転移したのだが、この世界は魚雷と航空機、そして潜水艦が発達していなかった世界であったために、『強大な装甲と主砲さえあれば戦艦は沈まない』という重度の大艦巨砲主義に取りつかれている。

その結果、水雷艇が発達しなかったせいで水雷艇を駆逐するための『駆逐艦』や、航空機も存在しないために、その航空機を洋上で運用するための『航空母艦』も、そして魚雷が存在しないことで『潜水艦』も存在しない。

存在するのは、軽・重巡洋艦をまとめた『軽戦艦(しかも魚雷発射管なし)』、超弩級戦艦レベル(この場合は35.6cm砲装備の戦艦)を『中戦艦』、そしてコロラド級やノースカロライナ級を『重戦艦』、モンタナ級レベルを『超重戦艦』と呼び運用している。

要するに、大艦巨砲主義による艦隊決戦バカ国家である。

 また、大陸周辺諸国の鉱山から採掘された魔鉱石と化学物質を混合した砲弾を用いており、同年代の地球の砲より若干射程が長いうえに、発射時に爆炎が発生しにくくなっているため、相手に視認しづらくする効果がある。

 誇張抜きで対空砲と呼ばれる装備が存在せず、『超重戦艦』にもなると急降下爆撃はもちろん、『扶桑』の砲撃すらも耐えられる防御力を誇る。

 しかも、索敵に関しては第二次世界大戦より発達した対水上電探を採用しており、100kmまでの距離を探索できるうえ、それを主砲と連動したレーダー照準射撃も可能。

 戦車は『サーバル級軽戦車』として『M3スチュアート』モドキ、『ピューマ級中戦車』として『M4シャーマン』モドキ、『タイガー級重戦車』として『T―28』モドキを保有している。

 ネストハーランド王国がヴェルモント皇国との戦いに勝利した後、アイゼンガイスト神精霊帝国に招かれた時に襲撃をかけ、アイゼンガイストの艦隊に壊滅的な被害を出させる。

 それと同時に世界全土に『我らに臣従せよ』と宣言したことで旭日たちの怒りを買い、艦隊決戦に持ち込むが、航空魚雷と潜水艦の攻撃に四苦八苦し、艦隊が全滅したことで本土への上陸を許し、戦車隊や歩兵も壊滅させられたうえ、首都に『B―29』編隊の絨毯爆撃を受けるのみならず、それによって更地と化したところで魔導燃料帰化爆弾の攻撃を受けて首都機能を喪失する。

 一応ラスボス的存在。



アイゼンガイスト神精霊国

 中央大陸と呼ばれる、北アメリカ大陸とほぼ同じ面積を持つ大陸の3分の1近くを支配している国家で、五大強国の序列1位という、世界最強の存在。

 魔法文明の頂点に立っており、様々な魔鉱石を用いた工業が盛ん。

 兵器の設計体系は第二次世界大戦時の英国に酷似しており、戦艦は『キング・ジョージⅤ世』級戦艦に酷似した『オリハルコン』級魔導戦艦。

 空母はアークロイヤル(Ⅱ)に酷似している『アダマンタイト』級魔道航空母艦と言い、艦載機は『デ・ハビランド ヴァンパイア』に見た目が似ている『コメット』型戦闘機で、エンジンが『グロスター ミーティア』レベルの遠心式魔導ターボジェットエンジンで、しかもミーティアと同様のエンジン配置かつミーティアよりも重量過多であるために、最高速度は540km、航続距離は600kmとかなり弱体化している。

 海上では飛び立つのにエンジン推力と飛行甲板の距離が足りないことから、魔導師による風魔法と、機内に装備されている風属性の魔鉱石を用いて揚力を稼いでいる。

 最高速度はゼロ戦並みに出せるが、ジェット機故に低速・低空での格闘戦が苦手という点があり、この点が問題。

 一撃離脱をしようにも、上昇力と旋回能力で大蔵艦隊のレシプロ機には追い付けていない。

 また、対艦戦闘でも魚雷の概念がないために水雷艇と航空魚雷、潜水艦には弱い。

 加えて、生物の保有する魔力を探知する魔道探知レーダーも配備しているのだが、大蔵艦隊に関しては魔力を有していないのでレーダーで探知することができない。

 魔道装甲戦闘車こと魔導戦車も配備しているが、主力はマチルダⅡもどきの『クリスタル』型戦車とクルセイダーもどきの『プラティナム』型戦車で、側面や背後に回らないと三式中戦車にすら勝てないレベル。

 大蔵艦隊を自国に招いてネストハーランドとの同盟を締結することを提案した際に、アトランティス王国の襲撃を受ける。

 その結果、自国の精鋭艦隊である『聖剣艦隊』が、全く歯が立たずにボロ負けするという醜態をさらす。



率いる艦

○『扶桑』型戦艦  『扶桑』・『山城』(バルバスバウ設置・主機関変更による二九ノットまでの増速・対空レーダーおよび対空砲増設・装甲強化と共に主砲を41cm三連装砲2基、連装2基に強化、水平装甲積み増し、バルジ装着、砲塔天蓋改良)

○『雲竜』型航空母艦  『雲竜』・『葛城』・『天城』(バルバスバウ設置・対空レーダー強化・飛行甲板延伸・カタパルト設置)

○『飛鷹』型航空母艦  『飛鷹』・『隼鷹』(バルバスバウ設置・飛行甲板の延伸)

○『大鳳』型航空母艦  『大鳳』(対空レーダー強化・排気装置設置・内部改装による搭載機数の増加)

○『夕張』型軽巡洋艦  『夕張』(対空レーダー設置)

○『香取』型軽巡洋艦  『香取』・『鹿島』・『香椎』(対空レーダー・対潜ソナー設置)

○『最上』型『軽』巡洋艦 『最上』・『鈴谷』・『三隈』(バルバスバウ設置・対空レーダー強化・主砲は改装前の60口径15.5cm三連装砲)

○『重雷装巡洋艦』  『北上』・『大井』(主砲を八九式40口径12.7cm連装高角砲1基に換装・形状は『大井』の最終時に改装)

○『明石』型工作艦  『明石』(バルバスバウ設置・主砲を60口径10.5cm連装砲に換装)

○『間宮』型給糧艦  『間宮』(『明石』同様のディーゼルエンジンに換装およびバルバスバウ設置、さらに主砲を60口径10.5cm連装砲に換装)

○『足摺』型給糧艦  『足摺』・『塩屋』(バルバスバウ設置・主砲を60口径10.5cm連装砲に換装・主機関をタービン2基、ディーゼル2基に変更)

○『津軽』型敷設艦  『津軽』(主砲を60口径10.5cm連装砲に換装)

○『千鳥』型水雷艇  『千鳥』・『真鶴』・『友鶴』・『初雁』主砲を60口径10.5cm連装砲1基、九六式12.7cm連装高角砲2基4門に換装)

○『伊400』型潜水艦  『伊400』、『伊401』、『伊402』

○一等輸送艦  10隻((主砲を60口径10.5cm連装砲に換装)

○二等輸送艦  20隻(機関を艦本式オールドギヤタービン2基(千鳥型水雷艇と同じ機関)に変更)

○あきつ丸・熊野丸(バルバスバウ設置・対空レーダー装備・主機関増強による25ノットまでの加速)



 艦隊付随戦力

『三菱 A7M 烈風』

『愛知 B7A 流星』

『一五試水上戦闘機 強風』

『愛知 E16A 瑞雲』

『三式中戦車』

『一式十糎自走砲(ホニⅡ)』

『九五式小型乗用車(くろがね四起)』

一式装甲兵車(ホハ)

『自動貨車(九四式六輪自動貨車)』

『三八式野砲』

『九〇式野砲』

『九六式一五糎榴弾砲』

『八八式七糎野戦高射砲』

『二式二〇粍高射機関砲』

『三八式歩兵銃』

『九九式小銃』

『九二式重機関銃』

『一〇〇式機関短銃』

『一四年式拳銃』

『各種手榴弾』

 


 旭日の一言・『駆逐艦いないし空母はまともに戦えなかった奴ばっかで巡洋艦は詰込み型と練習艦だし……まぁ、まともなのに最上型があるだけいいけど。何より超弩級戦艦があるのはありがたいけどよりによって違法建築物張りの艦橋だし……むしろ陸軍と航空装備のほうがまともじゃん……』

 ただし、それぞれ対空能力は近接信管と対空・対水上レーダーで強化されているため、多少はマシになっている。




次話については予定通り25日に投稿しようと思っています。

前へ次へ目次