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閑話 私の名はアルブレヒト 08

 ゴンズが体当たりで壁に穴を開けた。私たちはその穴から、ギルドの外に出て走り出す。


 私たちは全員泣いていた。涙を流しながら走っていた。ヤジンが貴族を殴った、貴族を殴ったのだ。


 平民たちは、幼少期から貴族は特別だと教育される。大人になるまでに、貴族の持つ財力、権力、魔法、それらの恐ろしさを叩き込まれる。


 平民にとって貴族に立ち向かうことは、ドラゴンに立ち向かうに等しい。


 ヤジンは何の気負いもなく、そこらへんに散歩に出かけるような気軽さで歩き出した。ふわりと飛び上がり、貴族を殴り飛ばした。


 私たちに心配をかけないように、大したことじゃないと私たちが思えるように。


 でも私たちは知っている。平民が貴族を殴るのがどれほど大変か。恐ろしかっただろう、ありったけの勇気を振り絞ったのだろう。


 湧き上がる恐怖を、葛藤を、すべてを押し殺して、私たちのために貴族を殴り囮になってくれた。


 貴族を殴ったヤジンへの追跡は激しいものになるだろう。おそらく領軍が投入される。国外へ脱出できれば望みはあるが難しい。


 街道や国境付近の警備も厳しくなる。山越えで国外へ出る方法もあるが、領軍に追跡されながらモンスターの領域を抜けるのは不可能に近い。


 おそらく、ヤジンは……。


 ゴンズとキモンも、涙を流しながら走っていた。二人もわかっているのだろう、おそらくヤジンは助からないと。


 ヤジンと過ごした時間は短かった。そんな私たちのために命を懸けて囮になった彼を思うと、涙があふれてくる。


 彼の想いを無駄にしないためにも、私たちは逃げ切らなくてはならない。




 しばらく走ると、キモンが立ち止まった。私とゴンズも足を止める。


「追跡されている気配がない」


 キモンはそう言うと、今まで来た道を戻り始めた。大丈夫なのか? 私は不安になったが、キモンを信頼して後を付いていく。


 そのまま裏道を通りながらギルドへと戻った。周囲に衛兵の姿は見当たらない。全員ヤジンを追跡していったのだろうか。


「周囲に衛兵の気配がない、荷物を回収しよう」


 キモンがそう言った。ギルドに入ると、買い取り所の死体がそのまま放置され、ギルド酒場の親父がポツンと一人で立っていた。


 野次馬がいない。貴族とかかわることを恐れたのだろう。私たちを見た酒場の親父は驚いていたが、大声をだして衛兵を呼ぶなどの行動はとらなかった。


 そんなことをすればゴンズに殺されてしまう。おそらく彼は私たちが此処を去るまでおとなしくしているはずだ。


 私たちは部屋へ戻るとすばやく荷物を回収し、ギルドを去ろうとした。するとゴンズが、酒場の親父に話しかけた。


「おう、これは壁の修理代と迷惑料だ。とっときな」


 ゴンズは金貨を数枚、酒場の親父に投げた。逃亡に金が必要になるというのに、困ったものだ。


 こんな時でも変わらないゴンズを見て、気分が少し落ち着いた。 


 私たちはスラムへと走った。目立たないように気を付けても、でかいゴンズはどうしても目立つ。速度重視でスラムへと向かう。


 途中なんどか衛兵と接触したが、キモンが膝を弓で射抜き、相手の機動力を奪った。私たちは、なんとか捕まること無くスラムへ到達することができた。


 スラムに到着すると、組織から接触があった。相変わらず対応が早い。私は接触してきた人物に案内され、スラムの中心部にある高級娼館に到着した。


 スラムの組織と交渉事をするときはいつもこの場所だ。人の出入りが限られており、出入りするのは口の固い、身元のしっかりした人物だけだ。


 娼館は実力者がしっかりと警備をしている。音が漏れないように各部屋の壁は厚く、盗み聞きをされるリスクも少ない。


 私がこの町に来てから、幾度もこの場所で悪巧みを話しあったものだ。


 貴族を殴った人物(ヤジン)のパーティーメンバーとして、私たちは衛兵に追われている。


 組織が私たちを拘束し、衛兵に引き渡す可能性もある。だが、その危険は少ないと思っている。


 領主との話し合いで、スラムに逃げ込んだ犯罪者は引き渡すことになっているが、その約束が実行されることはない。


 お互いわかった上で、体面を保つために交わされた約束だ。


 私はスラムの組織に貸しがある。法を無視する無法者の集まりである裏ギルドでも、法はある。決まり事の存在しない組織などすぐに崩壊する。


 組織には組織独自の法が存在する。そして、法を守らない人間たちの集まりだからこそ、組織の定めた法を徹底的に守らせる。


 無秩序を好む人間の集まりだからこそ、厳格に組織の定めた法を守らせる必要がある。矛盾しているようだが、人が集まり、何らかの組織を作るというのはそういうことだ。


 スラムの組織の法は単純だ。ボスの命令は絶対、上の人間には逆らわない。そして、借りは必ず返す。これだけだ。


 借りは返す。恩は恩で、仇は仇で、自分が受けたことに対して筋を通す。当たり前のことだが、欲に目がくらみ筋を通さない人間も多い。


 筋を通さない人間は信用できない。信用できない人間は、組織を内側から腐らせ崩壊を招く。


 私はスラムの組織に貸しがある。筋を通してくれるなら、国外への逃亡を請け負ってくれると確信していた。


 案内された部屋で考えをまとめていると、一人の男が入ってきた。


「アル、衛兵に追われてるんだって?」


 幹部のひとり、ヘニングが笑顔を浮かべながら話しかけてきた。


「そうなんだ、ヘニング。助けてくれるかい?」


 私は少し、おどけて答える。


 彼とは、この部屋で何度も悪巧みをした仲だ。完全に信用はできないが、それなりの関係を構築できていると思う。


「確か、パーティーメンバーが貴族を殴ったんだよな?」

「あぁ、俺たちを逃がすために囮になってくれたんだ」

「へぇ、堅気にして置くには惜し!?」


 私と雑談をしていたヘニングが、驚愕の表情を浮かべる。それなりに長い付き合いだが、彼のこんな表情を見るのは初めてだった。


 驚いたヘニングの見ている方向へ視線を向けると、男が一人立っていた。ゾワっと肌が粟立ち、自然と剣に手が伸びた。


 一般人にしては少し高いが、冒険者なら普通の身長。金色の髪に茶色の瞳。何処にでもいるような平凡な顔立ち。


 宴会の会場にいても誰も覚えていないような、平凡な容姿をしている。だが私は、私たちパーティーは恐怖を感じていた。


 全く気配がしなかった。用心深い私が、勘が鋭いゴンズが、狩人であるキモンが。これだけ近くに男が接近するのに気付けなかった。


「久しぶりだな、アルブレヒト・カウフマン」


 なぜその名を知っている! この男はいったい……。


「と言っても、お前は俺の顔は知らないだろうがな」


 何の気負いもなく、自然に会話をしているどこにでも居そうな男。だというのに、私も、キモンも、ゴンズすらも男に気圧されている。


「お前が強制捜査を強行した商店は、俺の店だったんだ」


 男はさらりと、普通に雑談をするように私に言った。


 私は心臓をギュッと握られるような感覚を覚える。これ以上は出ないと思っていた、嫌な汗が体中からさらに吹き出てくる。


 私が強制捜査した裏ギルドの商店。失踪を偽装するために行った強制捜査の対象。あの商店に手を出した人間はみな行方不明になった。


 なぜ気付かなかった。まったく同じ手口の犯行が行われているじゃないか。権力争いに負けた、裏ギルドの幹部がロック・クリフに来た時に……。


 気が付くと私の体は震えていた。絶望が心を支配する。裏ギルドの守るべき法の最上位『ボスの命令は絶対』。


 組織への貸しが何だと言うのだ。私は彼が小国家群へ都落ちする原因を作った男だった。私は自分の命がここで尽きたことを理解した。


 目をつぶり、一瞬で心を切り替える。私の命は諦めた。ゴンズとキモンだけは、仲間の命だけは助かるように交渉しなければならない。


 力では手も足も出ない。だが交渉なら小国家群(ここ)の誰にも負けない自信はある。怖くないといえば嘘になる。


 だけど私はこの目で見たんだ。何の打算もなく、仲間のために命を懸けた男の姿を……。私にもできるはずだ。そうだろ? ヤジン。





「そんなに怯えるな、別に今すぐ殺そうなんて思っていない」


 抑揚のない平坦な声で男は告げる。私は官僚時代、様々な人間と会話をしてきたが、この男ほど感情が読めない相手は数えるほどしか記憶にない。


 今すぐ殺す気はない。嘘なのか本当なのか全く読めない。希望を持たせて殺す気なのか、たっぷり拷問してから殺すので今すぐは死なないという意味なのか。


「お前がこの町に来た時に殺そうと思ったんだがな、元エリート官僚がこんなロック・クリフ(はきだめ)で冒険者をやっているのを見て止めたよ。その方が殺すより、よっぽど楽しいからな」


 男はそう言うと、嫌らしい笑みを浮かべて笑った。


「目障りになったら消そう。そう思ってたんだが、まさかお前から俺たちの組織に接触してくるとは思わなかった。俺たちは暴力には自信があるが、書類のやり取りなんてのは苦手なやつが多くてね。お前が持ってきた話は全部、組織のためになった。さすが元エリート官僚様ってヤツだ」


 この男の真意が見えない。何のために姿を現した。何のために私と話をしている。


「お前には利用価値があった。だけど貴族に手を出しちゃおしまいだ、ロック・クリフ(ここ)にはもういられないだろ? そうなるとお前は用済みってことになる」


 男はそう言うと、殺気を飛ばした。心臓に氷の杭を打ち込まれたと錯覚するほどの冷たい恐怖が私を襲った。


 豪快なゴンズですら、額に汗を浮かべ必死に恐怖と戦っている。


「だが、お前には借りがふたつある」


 男はそう言うと、指を二本立てた。


「組織全体の効率的な運用方法とそれに伴う組織構造の改革。特産品のハッパの安全で安定した輸送経路と在庫管理の方法。俺たちじゃ不可能だった。お前はろくな報酬も受け取らず、俺たちの組織への貸しにした。賢い方法だ」


 そう言うと、男は少し顔を歪めた。彼らはスラムを支配したが、支配したスラムの統治がうまく行っていなかった。


 正確に言うと、効率的に運用できていなかった。衛兵の情報を流し、ある程度の信頼関係を築いた後、ヘニングから相談された。


 私は組織全体を作り変えた方が早いと彼に伝え、メガド帝国の官僚制度を参考に草案を練った。


 少しでも参考になればと、組織図を書きヘニングに渡した。その案をボスが気に入り、正式に採用することになったので協力してくれと言われた。


 部外者の私が考えた案を採用して反発は起きなかったのか? 私は疑問に思ったことを尋ねると、ヘニングから返ってきた言葉は『ボスの命令は絶対』だった。


 かなりの労力を使ったが、スラムの組織は効率化された。礼にとかなりの額を提示されたが、受け取るとそのまま取り込まれそうだった。


 ゆっくりと腐る甘い猛毒が好きだった当時の私は、組織に取り込まれるのを嫌った。報酬は金ではなく、貸しという形にした。


 もうひとつの貸しは、ハッパと呼ばれている麻薬の密輸を体系化したことだった。乾燥させたハッパをパイプで吸うと、高揚感や酩酊感が得られるらしい。


 かつて麻薬で大国が滅んだことがあり、各国で栽培が禁止されている。


 ロック・クリフでは、香辛料の栽培で様々な植物やハーブを育てる。それにまぎれてハッパが栽培され各国に密輸されている。


 そのハッパだが、求めるのは各国の王侯貴族のため、国境や各詰め所で話は通っている。摘発されるはずがない。


 それなのに、何かの行き違いか、摘発することでハッパの代金を払わず手に入れるためなのか、かなりの頻度で押収されていた。


 そういったトラブルが起きないように、在庫管理と物流を行う組織を作ることを提案した。


 その組織のおかげで、ハッパが押収されることはほとんどなくなり、膨大な利益が転がり込んだ。


 この時も多額の報酬を渡されそうになったが、貸しにという形にした。


「裏ギルドを追い出されたのはかなり前だしな、それに俺以上に落ちぶれたお前を見て多少溜飲が下がった。それに結局は俺の力不足だった。お前の強制捜査はきっかけでしかない。だから借りひとつと相殺だ」


 男はそう言うと二本立てていた指を一本下ろした。


「フォーレストからの国外脱出を手配してやる。これでふたつだ」


 男は殺気を納め、二本目の指を下ろした。


 殺気が消え、あわてて息を吸う。殺気に当てられて呼吸を忘れていた。助かった、貸し借りなしで話がまとまった。


 スラムのボスと言えど、組織の法は守るらしい。


 いや、ボスだからこそ、しっかり組織の法を守っていると見せなければいけないのか。


 国外へ脱出する方法も手に入った。これで安心だ。そう思った瞬間、何かが引っかかった。


 貸し借りなしで国外脱出、綺麗に収まった。なら、なぜわざわざこの男は、スラムのボスは私の前に姿を現した。


 強制捜査の恨み言を言うためか? きっちり借りは返したと周囲に示すためか? 表舞台から姿を消したボスが、わざわざ何のために出てきた。


 借りは返した……だと。そうだ、周りの人間にきっちり組織の法を守ったことを示すためだ。鼓動が早鐘を打つ。


 私は愚かだ。相手はスラムのボスだ。犯罪者の頂点だ。なぜ気を抜いた! 脅した後、優しい言葉を掛ける。裏ギルドの常套手段じゃないか……。


 私とは貸し借りなし、そして私はロック・クリフを離れる。彼が言ったように私には利用価値がない。おそらく国境を越えた後、私は暗殺される。


 貸しのある人間は消せない。だが貸し借りのない、利用価値のない人間なら話は別だ。強制捜査の借りは相殺したと言ったが、いくらでも理由は後付けできる。


 多少強引でも、借りも利用価値もない存在を消すのだ。ボスに不信感を抱く人間など居ないだろう。


 このままじゃまずい。私だけじゃなく、ゴンズやキモンも消される危険性がある。ボスの顔を見てしまったのだから。


 最初から殺すつもりだったのだ。だから顔を見せた。組織の法は破ってないと周りに示した。後は約束通り国境を越え、私を消すだけ。


 おそらく、私は念入りに拷問され、スラムで肉料理になっている。このままじゃまずい。何か、何かないのか。


 国境を越える打ち合わせのために、へニングが何かを話しているが全く耳に入ってこない。何か、何かないのか。


 そのとき、ヤジンとの会話が頭を過ぎった。酒が苦手だと言っていたヤジンが珍しく酔っ払っていた。


 高級娼館が思ったよりも高額な上、容姿も特徴的な自分は絶対に高級娼婦を抱けないとヤケ酒を飲んでいたときだ。


 ギルド酒場で、パイプに入れたハッパを吸っている男を見てヤジンが言った。


「こっちにもタバコあるんだ」

「タバコってのはなんだい、ヤジン?」

「あれ? タバコじゃないの? それとも呼び方が違うのかな……。翻訳チート仕事しろい!」


 ヤジンはたまに理解不能な言葉を言う。自分のルーツである、祖母の国の言葉だと言っていた。


「タバコってのは、乾燥させた葉っぱだよ。紙で巻いたり、パイプに入れたりして、火をつけて煙を吸って楽しむ嗜好品のこと」

「あぁ、ハッパのことか」

「ハッパ? それってもしかしてこんな形の葉してる?」


 そう言うとヤジンはエールの入ったジョッキに指を入れ、机の上にエールで絵を描いた。


「あぁ、この形で間違いないよ」

「へぇー、こっちでもハッパって言うんだ」

「昔、ハッパが蔓延して小国家群を平定寸前まで支配した大国が崩壊してね、そのために各国で禁止になってるんだ」

「いや、目の前でおっさんが吸ってるし!」

「まぁ、小国家群だからね。、ミーガン伯爵領(ここらへん)は生産地でもあるし」

「なんもいえねぇっす。それにしても葉っぱ吸わないのになんでハッパって言うんだろうね?」

「どういうことだい、ヤジン?」

「葉っぱなんて成分少ないからさ、大して気持ちよくならないでしょ」

「ハッパ以外の何を吸うのさ?」

「バッズだよバッズ」

「バッズ?」


 追い詰められた状態で私はヤジンとの会話を思い出していた。


「話はまとまったみたいだな、俺はこれで失礼する」


 スラムのボスがこの場を去ろうとする。


「待て! 待ってくれ!」

「どうした?」


 ボスは足を止め、こっちを振り向く。


「貴方に良い話がある」

「急にどうした? まるで詐欺師の常套文句だな」

「ハッパより気持ち良くなれる物がある、それはハッパの数倍の快楽をもたらす」


 私がそう切り出すと、ボスの目付きが変わった。


「これを使えば今までより遥かに稼げる。快楽に弱い王侯貴族を貴方の意のままに操ることができる。いいのか? こんな町のスラム街のボスに収まるだけで? その気になれば、この国を、小国家群を裏から支配できる」

「俺は気が短いほうじゃない。だがな、あんまりなめた口きくと後悔することになるぜ」


 ボスが私に殺気を飛ばす。どうせこのままなら殺される。殺気を浴びたって死ぬわけじゃない。私はボスを睨み返し話を続けた。


「真実だ。どうする? 話を聞くか? それとも嘘だと判断して、最高の提案を蹴って俺を殺すか?」


 私とボスはしばらくにらみ合う、そしてボスが言った。


「詳しく話せ」

「いいだろう。だが貸しひとつだ」

「てめぇ、気付いてやがったか。まったく嫌になるほど優秀だぜ、エリート様はよぉ」


 貸しのある人間は殺せない。


 こうして私は命を奪われることなく、国外へ出る手段を手に入れた。


 私が提案した密輸組織が、私の提案した経路で積荷であるハッパと一緒に私たちを運ぶ。


 護衛は腕利きの冒険者が付いており、街道を巡回してる衛兵も何も言ってこない。各町の入市検査もろくにされず、国境での審査も素通りだった。


 ゴンズたちは衛兵の荷の検査があるたび、不安そうな顔をしていた。だけど、私は大丈夫だと『知っている』馬車に揺られる退屈な旅は眠気を誘った。


 拍子抜けするほどあっさりと、国外へと出ることができた。


 ゴンズやキモンは、私とスラムのボスのやり取りをまったく理解していなかったが、私の交渉のおかげで楽に国境を越えられたと尊敬の眼差しで私を見ていた。


 肝心なところでヤジンの知識に助けられただけなんだけどね。そう思ったが、彼らに説明を理解してもらうのは不可能だろう。


 君には二度も命を救ってもらった。ありがとうヤジン。どうか無事でいてくれ。

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