551.リスティリア救世譚
[作者]
ともざわ きよあき 様
[あらすじ]
一つ目の国では強き王女と出会う。眩い信念、譲れない道。自分の役目を見出す旅路。
続く二つ目は伝説の国。誇り高き意地、叶わぬ恋。自分の空虚さと向き合う旅路。
意図せぬ三つ目では妖精と出会う。清廉たる願い、立ちはだかる天。自分が戦う理由を知る旅路。
手強い四つ目で千年前の過去に触れる。贖罪の呪縛、求める自由。自分が信じたものを信じ抜く旅路。
五つ目の国で弱き王女と出会う。受け継がれる意志、変わる在り方。自分の無力さを思い知る旅路。
辿り着いた六つ目で絶望に挑む。絶体絶命の極致で、希望に満ちた再会を。自分の為すべきことを確信する旅路。そして待ち受ける運命に打ちひしがれる。
旅路の果てに七つ目が待つ。
果て無き妄執、時果てぬ無垢。
救世主の旅はここで終わる。彼が望んだ終わりかどうか、気に留める者は誰もいない。
[感想]
びっくりするぐらいの神作。いや序盤はちょいと首を傾げる部分とかもかすかにはあるんですけど、そんなの全然気にならないくらい面白い作品でした。
物語は異世界の救世主として女神から呼ばれた空っぽの男が、曲げられない信念を持つものたちと出会い、時には衝突しながらも成長して救世の旅を歩んでいくお話し。登場人物全員魅力的です。この世界の問題はこの世界の人間がなんとかするという覚悟決めてる人たちが多いですし、なんかこう生き様が凄すぎます。普通に何回か泣きました。
この作品の良さってまずあらすじが興味を引くように先の展開を取り入れているところです。そのあと1話目で各章の名シーンをピックアップしていますし、そこが本当に好き。しかもちゃんと物語が進むとその通りに場面が描かれているので初期の段階でしっかり作り上げた完成度の高い作品なんだろうなあってなりました。次の章に行くたびに一度1話目を見返してワクワクして読んでいます 笑
とにかく章ごとの完成度が高いですし、章終盤の展開の熱さはめちゃくちゃ胸が高鳴ります。
主人公の成長も凄く良いんですよね。空っぽだった主人公が異世界の信念を貫こうとする人たちと出会って少しずつ変わっていくのがとても良い。
また、1話目で基本女性しか出てこないからハーレム要素があるのかなあと思いきや一切そんなことはないです。常に側にいる子もヒロインというより絶対的信頼を置ける相棒的存在ですし。
女神に選ばれし異世界の救世主による7つの旅とそこで出会う強きものたち、そんな物語を読みたい人は是非一度読んでみてください。
[評価]
総合評価:9.5
恋愛:1
ハーレム:0
無双:3
[その他]
更新頻度:週2-3程度
文字数:90万文字
読了時間:30時間程度
作品URL: https://ncode.syosetu.com/n7646ht/
【次回予告】
その恋は決して告げてはならぬもの。
想いを胸にしまいこみ、家族として歩もうとする少年の物語。
【追記】
次回作のタイトルがわかった場合、ネタバレ防止のために感想欄で直接タイトルを回答するのではなく、読んだ人になら伝わるなって感じで軽くボカしてくださると嬉しいです。