166.石ころ冒険者 ☆
[作者]
行 様
[あらすじ]
日本には現在、一万二千人の冒険者がいる。
冒険者は青銅・白銀・黄金の三クラスにランク分けされている。青銅クラスは一一〇〇人程度、白銀クラスは一〇〇人程度。黄金クラスは日本には四人、全世界で一二人しか存在していない。
三クラスに入る冒険者は全体の一割。残りの九割はランク外の、「石ころ」と呼ばれる冒険者だ。冒険者歴三ヶ月、国内順位一万一四八一位――花園巽は有象無象の、石ころ冒険者の一人である。
現代の地球と、メルクリアと呼ばれる異世界が限定的ながらつながり、往来が可能となった時代。異世界に派遣され、モンスター退治を担う「冒険者」という職業が世に登場して一〇年。黄金・白銀・青銅の冒険者がメディアにもてはやされ、多くの子供がそれに憧れる時代。かつてそんな子供だった花園巽は今は冒険者の一人であり……厳しい現実に直面していた。
もしかしたら世界のどこかで黄金クラスの誰かが人類の命運を懸けて魔王か何かと戦っているのかもしれないがそんなこととはこれっぽっちも寸毫も全く何一つ関係なく--自分の夢のため、未来のため。そして借金を返すため、明日のご飯のため、生活のため。今日も巽はソロで低レベルの雑魚モンスターを狩り、小銭を稼いでいく。いつの日にか、石ころから抜け出して青銅クラスに上がることを夢見て。
これはそんな有象無象の、駆け出しのひよっこの、石ころ冒険者の日々の奮闘の記録である。
[感想]
私たちの世界とは少し違った冒険者という職業が当たり前のようにある地球のお話です。主人公は最強でもありませんしチートもありません。底辺から少しずつ地道に冒険者としての順位を上げていきます。
冒険者という要素を現代に無理なく組み込んだ世界観もなかなか独特なものですし、いろいろと陰謀もあるみたいでかなり面白かったです。話数は少ないように見えますが現時点でも20万文字はあるので読み応えは充分だと思います。更新はスローペースのようですがその分しっかりとした作品になっているので私としては問題ないです。
ハーレムについてはあくまで風味で固定ヒロインっぽい感じもします。メンバーはほぼ全員女子ですが1人を除き他のメンバーの恋愛感情は今の所不明なので今後どうなるかはわかりません。
主人公の周りの人間はどこか問題があったりします。少しずつ加わっていく問題ありのメンバーをまとめるというのもたまにありますが作品に上手くハマると一気に面白くなります。
まだ完結しているのは第1章のみですが起承転結ができていてとても良かった。こういう主人公が成長する物語で章の最後に盛り上がる作品って胸が踊りますよね。俺Tueeeとかだとそういうのがないのでその分余計に面白く感じました。最後主人公チート覚醒かと思いきやなんだかんだ俺Tueeeにさせないところも好きです 笑
底辺から始まるコツコツとした英雄譚(未定)、そんな物語を読みたい人は是非一度読んでみてください。
[評価]
総合評価:8
恋愛:3
ハーレム:4.5
無双:2
[その他]
完結済み作品
文字数:50万文字
読了時間:15時間程度
作品URL:https://ncode.syosetu.com/n1616ee/