148.ファンタジーにおける名探偵の必要性 ☆
[作者]
片里鴎 様
[あらすじ]
ミステリマニアである冴えない探偵は死んだ。しかし、その記憶を持ったまま、剣と魔法、そしてモンスターとダンジョン、王道のファンタジーの世界に平民ヴァンとして転生する。
ヴァンはずば抜けた魔術の才能、そして前の世界からの知識や感覚で、平民でありながら成り上がっていく。だが、そのヴァンの前で、不可解な殺人事件が起きる。
果たして、ヴァンはミステリの知識を活かして事件を解決できるのか。
[感想]
異世界×ミステリーという斬新な組み合わせとなっております。あまり推理ものが好きではないので最初は手を出していなかったのですが、どうしても読むのがなくてしょうがなく読んでみたらまあ面白い。異世界という設定を上手く使っていますね。各章は毎回ある程度独立していて必ず登場するのは主人公のみとなっています。といっても飛ばして読むのは流石におすすめはしませんが。
この作品のイチオシは、どの章も事件が起きて捜査するまでの出題編、事件を解決していく解答編と別れているのですが、その間に読者への挑戦状というものがあり、事件を解決するための必要な情報が書いてあるので、それを使って自力で解いてみてくださいとの作者様からの問題があるのです。そこの書き方もカッコいいのですが、なかなか面白い試みですよね。悔しいことに私は5題中1つ完答と1つギリギリ当たってるかなというものだけでした。残り3つは全然解けなかったです。推理ものが好きな人にはたまらないのではないでしょうか。もちろん異世界要素があるので独特なひらめきなどもいろいろ必要です。
あともうひとつ凄いなあと思ったのが最初の事件の結末を衝撃的なものにしたことですね。それに驚かされたせいでこの作品やばいぞとなって一気に読みました。そしてそれだけでなく第一章のものを最後に引っ張ってくるというのもよく考えられているなあと思ってしまいました。話の作り方が上手すぎる。
個人的には第一章と第三章の事件がおすすめなので期待していてください。
異世界とミステリーが上手く組み合わさった読者も一緒に考えられる謎解き物語、そんな物語を読みたい人は是非一度読んでみてください。
[評価]
総合評価:8.5
恋愛:3.5
ハーレム:1
無双:2
[その他]
更新頻度:週1程度
文字数:95万文字
読了時間:30時間程度
作品URL:https://ncode.syosetu.com/n7033br/