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第77話 第2回戦カインVSスズカ②




「──《鬼化》!」

「──《雷人》!」



赤と黄色の光がぶつかる。



『またですかぁぁぁあ!?!?』

『まぁまぁ...。今度はあんなに酷くはならんじゃろうて...。』

『むぅ...それはそうだと思いますが...。』

『そんなプンプンしても可愛いだけじゃぞ?』

『な!?ブラキじゃさんだって可愛いです!!』

『ふふん!ワシが可愛いのは知っておるのじゃ!!』

『くぅう!!こ、こうなったら!...可愛い!ブラキじゃさんは天使!とってもキュートな情報屋さん!皆がほっとけないほどの美少女!天使超えて女神!!───』

『ストップストップじゃ!!も、もう、分かったからぁ...。』

『ふふふ!そういう所も可愛いですよ?』

『ぅぅ....。』



「「......。」」



2つの光が収まったあと、今の会話を聞いた2人が沈黙する。



カインは上質の装備が無くなり、その代わりに真っ赤な肌と凄まじい筋肉を晒している。そして、下から上に生える大きな牙に鋭い眼光は最早カインの面影すらない。

一方、スズカは背後に4つの雷の玉を浮かせ、水色がかった立派な銀髪の先端から黄色のグラデーションになっていた。



「サッキハギンイロダッタガ、コンカイハマタベツノスガタナンダナ。」

「そうね。私もさっき得たばっかりだから練習がてら...ね?」

「フッ。ソウダナ。オレモコノスガタハ、マダマダナレナイゼ。」



鬼になった影響か、カインは片言になってしまったがまだちゃんと聞き取れる。...まぁ聞き取りにくいけどね。

私のこの《雷人》はスカーレットを討伐した時の報酬として得たもの。戦う前にしっかりと説明文はよく読んだから動きはバッチリだ。



「デハイクゾ!!ウガァァァア!!!」

「...ヤバそう。」



──バヂヂッ!!




カインが鬼になったとしたら、スズカは雷になったと言えるだろう。雷になったスズカは一瞬でカインの後ろに陣取った。だが、この移動にもMPは消費する為、なるべく使いたくはない。



「《サンダーストライク》」

「ナ!?」



──ドゴォオオンッ!!



「...ガァァァア!!!!」

「流石に効かないか...。」



魔法耐性が物凄く強化されているのだろう。その為、魔法が全く効いていない。



「...サイゴノショウブダ。」

「ん?」

「イマカラハナツオレノコウゲキヲウケタラ、スズカジョウハマケル。ソシテ、スズカジョウハマダチカラヲカクシテイルダロウ。...ソレモオレヲイチゲキデタオスコトノデキルチカラヲナ!」

「...まぁそうなんだけどさ...。」

「スズカジョウノスピードカオレノスピードカ...ドチラガハヤイカショウブダ!!」

「えぇ...。」



「《鬼:身体強化》」

「っ!?」



──ブワァッ!!!



周囲に溢れる闘気。

普通の《身体強化》を遥かに凌駕する強化率を誇る《鬼:身体強化》。



「カマエナ!!イクゾ!!《鬼:大剣術:エンド・スラッシャー》!!」

「[天雷]!」


──ズパンッ!!!

──ドゴォォォォオオンンンッ!!



.........。



──プスップスッ......。


──バヂッバヂヂッ...!!



赤鬼から黒鬼になってしまったカインと背後に浮いていた8つの玉が不自然な動きをしているスズカ。



──ドサッ...!!



「...彩音。待ってて...。」



『勝者スズカ選手ゥゥゥ!!!今のは一瞬過ぎて何も見えなかったぁぁぁ!!!!』

『カインも速かったが僅かにスズカの方が速いと言ったところかのぉ...?』



キョウとブラキヅトメジャ!はどちらも気づいていなかった。



涼香が最後に放ったのは魔法ではなく自然現象。本来、この世界において、魔法とは自然現象を再現したものとして伝わっている...。...伝わってはいるが、完璧に再現した訳でも無いため威力もそれなりだ。それ即ち、魔法<自然現象という構図が出来るわけだ。

さらに、涼香はただの雷ではなく天雷だ。その威力はただの雷をよも凄まじいものとなるだろう。またも構図で表すとするならば、魔法<<雷<<<天雷といった感じだ。雷の人と書いて雷人。もはや概念になってしまったスズカを止められることなく、カインは倒れたのだった。








○今日のスキル?○



今日は《鬼化》《雷人》[天雷]です!



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【名前】《鬼化》


消費MP:現MPの半分を消費し、消費したMPによって持続時間が変わる。


【効果①(LV.1)】一時的に肉体を鬼の身体に変化させる。


【効果②(LV.1)】INT、MNDを全てSTR、AGIに加算し、物理攻撃力が上昇する(極大)。


【効果③(LV.5)】他のスキル使用時、スキル名に『鬼』が付き、スキルが強化する(極大)。


【効果④(LV.☆)】スキル《不屈の赤鬼》を所持者に付与する。



LV.1:STR+35


※使用後、現実での24時間使用不可

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【名前】《大剣術》:エンド・スラッシャー(派生) 消費MP:100

【効果①(LV.1)】力を込めた渾身の一撃を相手に与える(確定クリティカル&STR+100)。ただし、スキル発動前の10秒は動けなくなる。


【効果②(LV.5)】急所に当たるとダメージ超クリティカル。


【効果③(LV.☆)】スキル発動前の不動時、ダメージを受けなくなる。その代わりに、発動後の5秒は動けなくなる。



※超クリティカル=クリティカルの2倍。

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【名前】《雷人》


消費MP:MPを全て消費する。


【効果①(LV.1)】一時的に『雷』になる。消費したMPが多ければ多いほど持続時間も増える。


【効果②(LV.1)】消費MP400につき1つ、自身の背後に雷玉が浮かぶ。なお、雷玉は1つ消費する事で[天雷]を発動することが出来る。


【効果③(LV.5)】スキル使用中、雷魔法のあらゆる効力が上昇する(中)。


【効果④(LV.☆)】このスキルを進化させることができるようになる。



LV.1:AGI+40


※使用後、ゲーム内での24時間使用不可

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【名前】[天雷] 消費:雷玉1個


【説明】大昔にあった第四次天獄戦争中、天界に住む天使が放ったと言われている雷。その力は創造神である龍神が与えたものであり、普通の雷よりも威力が段違いに高い。その為、それは上級龍種でさえも恐れるものであった。だが、それでも神の放つ雷には敵わない。


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すぅー...(息吸う音)...。涼香さん...。貴女は一体何を目指しているのですか?






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