第75話 第2回戦ジークフリートVSミュー
『さぁいよいよ第2回戦が始まります!!!第2回戦最初の試合はジークフリート選手VSミュー選手です!!正直どうなんでしょうか?』
『うーむ...。ミューにとっては中々キツいかもしれんのぉ...。』
『防御力が高めならば何とかならないんですか?』
『ジークフリートの糸は硬化も出来るからのぉ。それを考えれば全体的にミューが劣勢になること必至じゃな...。』
『...いやでもミュー選手はアルキダスゼ選手を倒しましたから期待はしたいところです!』
『そうじゃのぉ...。』
「くっ...!やはり...私では力不足なのでは...!?」
「ま、まぁそう言わないで、な?」
「うるさいですこの蜘蛛が!!」
「ひどっ!?」
「私はアヤネたんの為に生きているのです!!貴方なんかには負けていられません!!私は!!私はアヤネたんに踏んで貰いたいだけなんです!!!」
「うわぁ....。思った以上にやばかった...。これはアヤネの為に本気でいかないと...」
何か言ってますがどうでもいいです。私はアヤネたんの為!この試合に勝たねばならんのです!
『それでは第2回戦試合始め!!』
「いざ尋常に!」
「あぁ。よろしく。《硬質糸》」
「っ!!」
光で反射してギリギリ見える三本の糸がこちらに向かってくる。それを大盾で防ぎ、私もスキルを発動する。
「《ファイア・ディフェンス》!」
これは以前、アヤネたんに対して使った《ウォーター・ディフェンス》の炎版だ。あの糸は熱に弱いと聞いたからね。
──ジュッ...!!
「燃えちゃったかぁ...。じゃあこれならどうだ?《耐熱糸》《硬質糸》」
指先をクイクイっと動かし、それを差し向けてくる。
──ガキンッ!!
さっきと同じく、大盾で防ぐが、燃えるようなことは無かった。
「うん。これなら行けそうだな。」
「っ!今度はこっちから行かせてもらいます!!」
「そうか。」
「《ニードル・ディフェンス》《ダッシュアタック》!!」
「速いな!《超硬質糸》」
───ギィンッ!!
無数に出した糸によって盾からでた大きめな針の先端を掴まれ、勢いが殺されてしまった。
──ピュッ!!
「いたっ!!」
「防がれた後の対策はちゃんとしないとな!」
「くっ!《ファイア・ディフェンス》!」
「おっと!」
生やした針まで炎が行き渡る。さっき、この蜘蛛人は耐熱性のある糸を織り交ぜてなかったから燃えるはずだ。
「危ない危ない...。燃える所だったぜ...。」
「まだまだぁ!《ウィンド・ディフェンス》!」
「ぐっ!?」
今度は風を盾に纏い、超近距離にいる蜘蛛人を吹き飛ばす。それと同時に、片手剣を投げ、これまた風で飛ばす。
──ギィィンッ!!!
「ちょっと今のは危なかったぞ...。」
「当然です!貴方を倒す為なのだから!!」
私の片手剣は糸に飛ばされて蜘蛛人の斜め後方に飛んで行った。
「これで剣は使えないな。」
「...!」
「おっと。そうはさせないよ?」
「ふっふっふ...。」
「何がおかしい?」
「《マグネット・ディフェンス》!」
「ん?」
──カタカタカタ...ビュンッ!!グサッ!!
「ぐあぁぁ!!!」
「ハーハッハッハー!!!私の剣と盾は特別製なんですよぉ!!!」
「ぐっ...!まさかそんな機能がついてるとはな...!」
丁度胸の中心に深々と刺さる剣はジークフリートの
『計算通りだったのですか!!素晴らしいです!』
『剣の前に誘導してのあれか。これは尊敬に値するのぉ...。』
『ブラキじゃさんはああいうの出来ますか?』
『バカを言え!ワシにはまず戦闘能力という物が無いのじゃ!!』
『あ、そうでしたね!まぁ私もですけど!!』
『『HAHAHA!!』』
「...ならその前に倒せばいいだけの事!」
「な!ぐぅっ!!」
大盾を持つ左腕が切り落とされる。いつの間に仕掛けていたというのか!
「くっ!」
丸腰のまま無数の糸に追われる私。
「これは不本意だったんだけどな。」
「え...?きゃぁぁぁ!!!」
──スパパパパパッ!!
ジークフリートのHPの減りの速さを超える速さで減っていくミューのHP。
そのまま削りきられてしまい、試合はジークフリートの勝利に終わった。
「...俺もまだまだだな......。」
そう呟いたジークフリートの声は誰にも届かなかった。
○今日のスキル○
今日は《ファイア・ディフェンス》《耐熱糸》《ニードル・ディフェンス》《ダッシュアタック》《ウィンド・ディフェンス》の5つです。なお、《ファイア・ディフェンス》と《ニードル・ディフェンス》、《ウィンド・ディフェンス》は同じなので《ファイア・ディフェンス》のみ記載します。...別に考えるのがめんどくさかった訳じゃないからね?
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【名前】《ファイア・ディフェンス》 消費MP:100
【効果①(LV.1)】火属性の盾を使用者の盾に貼り付けることができる。ただし、使用者の装備が盾、または大盾でない場合は発動しない。
【効果②(LV.5)】使用者の装備が盾、または大盾でなくても発動できるようになる。
【効果③(LV.☆)】使用者の装備がなくても発動できるようになる。
LV.1:DEF+20
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【名前】《糸》:耐熱糸 消費MP:1mで15消費
【効果①(LV.1)】耐熱性の高い糸を出す事ができる。糸の耐熱性は《糸》のスキルレベルに比例する。
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【名前】《ダッシュアタック》 消費MP:50
【効果①(LV.1)】普通のタックルよりも威力が強い攻撃をする事ができる。威力は生身よりも武器を持った方が上がる。
【効果②(LV.5)】他のスキルと組み合わせる事ができるようになる。
【効果③(LV.☆)】空中で使用可能になる。
LV.1:AGI+25
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