第74話 アリアVSまっさい
アリアside
「...待ってなさいアヤネ!」
自分を鼓舞してさっきまで阿鼻叫喚としていた闘技場に出る。
『1回戦最後の試合はアリア選手VSまっさい選手です!!』
『うむ!アリアは氷魔法が得意じゃな!フィールド全てを凍らす威力を持つ氷魔法は脅威なのではないかのぉ?まっさいは肉体的な強さは無いが今まさに手に持っている薬。これが強力な武器になるんじゃよ!』
『なるほどぉ...!でも、実際聞いてみるとアリア選手の方が有利な感じはしますけどね?』
『......まだ分からんぞ?』
『...なんですか今の間は...。』
『───』
「
「そうですか!そんなことはさておき!私の酸を頭から被ってみませんか?」
「......会話出来ないの...?」
『それでは試合始め!!』
「ほぅれ!」
「っ!《アイス・ウォール》」
──パリンッ!......シュゥゥゥゥゥ...!!!
試合開始の合図と共に投げられた黄色い液体の入ったフラスコ。それは私が創った氷の壁を溶かして、穴を開けた。
「私の酸は特別製でしてねぇ!かの王水よりも強い酸なんですよぉ!!!お陰で普通のガラスじゃあ溶けてしまうからこのガラスも特別製だったりするんですよぉ???」
「知らないわよそんなこと!《アイス・リンク》!」
──ヒュォォォォ...ピキピキピキ...!!...カチンッ!!
『出ました《アイス・リンク》!!この広大なフィールドを全て凍らせてしまいましたぁぁぁ!!!』
『ほぉ。生放送で見るよりも迫力があっていいのぉ...。』
「一緒に滑りましょ?」
「っ良いねぇ!これでも私はスケートをやってたんですよぉ?」
「《ウォーター・ウェーブ》!!」
「はっ!そんなのでっ!!」
──バシャンッ!!ザブザブザブ...。
どこからとも無く現れる水の波。本来、これはただ押し流すだけの魔法なのだが...。
「《アイス・リンク》」
──ヒュォォォォ!!!カチンッ!!
波が1番高くなったタイミングで凍らせる。歪な形で凍った波は、フィールドも歪にした。
「くっ...!こんなもの酸で!!」
丁度波に足を取られていたまっさいは急に凍ったことにより、足を動かせなくなっている。だが、すぐさま手に持っている酸で足元の氷を溶かした。
「ちっ!私のズボンがちょっと溶けちゃったじゃないか!!」
「自分でやったんでしょ!?《アイス・バレット》!」
やっぱりこの人ちょっとおかしいんじゃないかなぁ...?まぁそんなことはどうでも良くて!私は早くアヤネと戦いたいんだ!!だが、《アイス・バレット》も投げられた酸で溶かされた。あの人投擲術が凄い...。
「じゃあ!《アイス・ハンド》!」
──バキバキバキッ!!
突如まっさいの背後から現れる複数の氷の手。それはまっさいの両手両足を掴み、身動きを取れなくする。
「《アイス・アイス・アイス・アイス・コンバイン・ランス・インジェクション》!!」
「ちょっ!?それは──うぐっ!?」
──ドスッ!!
その無防備なお腹に強化した氷の槍を突きつけた。まっさいが光になるのを見届けた後、私は控え室に向かった。
『なんですか今の技は!?』
『あれは凄いやつじゃな!《重複詠唱》で倍増させて、それを《合成》で合体させて威力を増加。最後に《射出》で発射時の速度を上げてさらに威力を増加させたのじゃ!』
『お、オーバーキルじゃ...?』
『...。ま、まぁそういう時もあるんじゃないかのぉ?』
『...。まぁいいです。...ということで!!1回戦最後の試合は終了しました!!途中凄い出来事がありましたが!!それも含めて良い試合だったと思います!2回戦は10分後に行います!!それでは!!』
そうしてようやく1回戦が終わった。
○今日のスキル○
今日は《ウォーター・ウェーブ》と《アイス・ハンド》です!
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【名前】《水魔法》:ウォーター・ウェーブ 消費MP:100〜
【効果①(LV.1)】水を発生させて、波を創り出す事ができる。
【効果②(LV.5)】消費MPを増加させることで波を大きくすることができるようになる。
【効果③(LV.☆)】波から水魔法を放つ事ができるようになる。
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【名前】《水魔法》:アイス・ハンド 消費MP:50〜
【効果①(LV.1)】自分の手と同じ大きさの氷の手を生やし、操る事ができる。手の操りやすさと速さは《水魔法》のスキルレベルに比例する。
【効果②(LV.5)】手を一度に5本生やすことが出来るようになる。
【効果③(LV.☆)】消費MPを増加させることで手を硬く、大きくする事ができるようになる。
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